◆読者は最終回まで「主人公にダマされていた!」──『ピューと吹く!ジャガー』

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 『ピューと吹く!ジャガー』の最終回は、読者から「ギャグ漫画だからアリな終わり方だった」といわれることが多いです。

 最終回では、ジャガーさんが目を見開いたことで、場の空気が一変します。普段のジャガーさんの目は、何重にも書き足された線のようになっており、これをジャガーさんの目を開いた状態だと思っていた人も少なくないでしょう。

 しかし、最終回でジャガーさんが少女漫画のようなキラキラとした大きな目を開いたことで、今まで彼が目を閉じた状態だったことが明かされます。

 また、トレードマークであるオレンジ色のトンガリヘアーも偽物でした。ジャガーさんの髪はカツラで、その下は坊主だったのです。

 ジャガーさんの知られざる一面を見て驚き戸惑うピヨ彦をよそに、ジャガーさんは、顔の皮をも剥ごうとします。今までピヨ彦がジャガーさんの顔だと思っていたものさえも、変装用の作り物だったのです。

 そして、ジャガーさんの真の顔が披露される……という場面で、『ピューと吹く!ジャガー』は物語の幕を閉じました。

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◆今までの白熱のバトルはいったい?まさかの最終回──『シャーマンキング』

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 『シャーマンキング』は、お姫様姿のハオがでかでかと描かれた見開きイラストがラストシーンだったことで、多くの読者から「最終回が意味不明」といわれることが多いです。

 そのような終わり方になったのは、まん太とアンナの会話の流れが原因となっています。

 宿で休憩することになり、まん太とアンナはハオについて話し始めます。ハオのことを「執念という魔王にとらわれている」と言うアンナに、相槌を打つまん太。

 その夜、まん太はある夢を見ます。夢の中にはハオがいて、深い海の底で「おやすみ」と呟いていました。夢の中には葉も登場し、彼の元には仲間になった者たちが集まっていました。

 この流れから、次のラストページで両者の戦いシーンが描かれる……と思わせる内容でしたが、次のページには見開きいっぱいに写し出されたお姫様の服装をしたハオの姿と、「プリンセスハオ」という文字が描かれていました。

 ラストがこのような意味不明なコマだったことで、編集部がページを入れ間違えのではないかと混乱した人もいたようです。

 最終回「おやすみ」の扉絵で、“未完”の意味をかけた蜜柑を持っている葉の立ち絵からは、このような最終回を迎えた作者の無念が感じ取れます。

 『シャーマンキング』が掲載されていた『週刊少年ジャンプ』では、この回が最終回として掲載されましたが、その後発売された完全版コミックスでは物語の続きが加筆され、本当の最終回を迎えています。

 一度は打ち切りのような形で最終回を迎えた『シャーマンキング』ですが、その後、葉とアンナの子供、花が主人公として活躍する『シャーマンキングFLOWERS』の連載がはじまり、今年の1月からはこの作品のアニメの放送が始まりました。

 ──アニメ化された人気作品や長期連載漫画が、突然打ち切りとなってしまうことは少なくありません。

 長期連載だからこそ話題性が低くなってしまった作品や、初期のストーリーから脱線し、読者が離れてしまった作品もあります。

 「推しは推せるときに推せ」という言葉があるように、心を揺さぶられる漫画と出会ったときには、ほかの人におすすめしてみたり、コミックを買って作者を応援したり、その気持ちを行動に移して作品を支えるのも円満な終わり方を迎える要素なのかもしれません。

〈文/伊藤悠〉

 

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