◆リアルなら出場を止められる! 心臓の病気を抱える三杉淳
三杉淳は「フィールドの貴公子」と呼ばれる天才プレイヤーですが、心臓病のため数分しかプレイできません。そのため「ガラスのエース」とも呼ばれており、まさに命を失う危険性を抱えながらプレイしている選手です。
一応、医師の許可は得ており、本人が希望してプレイしているとはいえ、実際の試合なら出場を止められるでしょう。医師との約束の時間をこえてプレイしたこともありますし、何かあったらサッカー協会・学校・監督・医師の責任が問われます。
命の危険があるという意味では、三杉淳が『キャプテン翼』で、もっとも危険な選手といえるかもしれません。その後、三杉淳が心臓病に打ち勝ち、ほかの選手と同じようにプレイできるようになった姿を見て涙した読者は多いのではないでしょうか。
◆首の骨が折れないの? 石崎の顔面ブロック
石崎了は大空翼の第一の親友であり、その代名詞である顔面ブロックで数々のシュートを止めてチームを救ってきましたが、強烈なファイヤーショットやタイガーショットを顔面で受けたら、首の骨が折れる危険があります。
実際にファイヤーショットを顔面ブロックしたときは、衝撃で頭が後ろに大きくのけぞっているので首の骨に異常が出てもおかしくありません。
確かに首を鍛えて、しっかり力を入れた状態で、おでこでボールを受ければダメージを減らせるでしょう。
ただ、ファイヤーショットやタイガーショットはゴールネットを軽々と突き破ったり、巨体のDFをふっ飛ばしたりする威力があります。首の骨が折れる可能性は十分ありえますし、とらえどころが悪ければ間違いなく鼻の骨は折れるでしょう。
とても友達とは思えない速度でボールがぶつかって来ているのに、顔面ブロックのあと、「ボールは友達だから平気」と言ってのける石崎は、いろんな意味で危険な選手なのかもしれません。きっと石崎くらいガッツがあれば、どんな強烈なシュートを顔面で受けてもケロっとしていられるはずです。
──『キャプテン翼』は日本人選手だけでなく、元イタリア代表のトッティ氏など海外の名プレイヤーにも大きな影響を与えた作品です。漫画界だけでなくサッカー界にも多大な貢献を果たしているといえるでしょう。
現実では考えられないようなスーパープレイが飛び出すとワクワクしますが、あまりにも危険なプレイを見ると、「大丈夫か?」と心配になります。
しかし、こういった危険と隣り合わせの選手たちを見ると、ワクワクするのは事実。そういった描写が、多くのサッカー少年を生み出したのかもしれません。
〈文/諫山就 編集/乙矢礼司〉
《諫山就》
フリーライターとして活動中。漫画・アニメ・医療・金融などの記事、YouTube用シナリオを執筆・編集しています。
※サムネイル画像:Amazonより