◆『テニスの王子様』も12月に中国で上映!どこまで結果を残せるか?
そして日本のアニメーション作品が続々と好成績を収める中、早くも年末には新たな日本作品の公開も発表されました。その作品というのが『テニスの王子様』。2021年に日本で劇場公開された『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』が『龙马!新生网球王子』のタイトルで、12月23日に中国で上映されることが発表されました。
『テニスの王子様』は、中国では『コナン』や『ONE PIECE』ほどの人気や知名度とは言えないのが正直なところ。『テニスの王子様』の劇場版シリーズが中国で上映されるのも今回が初めてです。
そのポテンシャルは未知数とも言えるわけで、日本のアニメーション作品のヒットの勢いに乗って、どこまで結果を残せるのか、いまから楽しみです。
──『名探偵コナン』も『ONE PIECE』もしっかりとヒット作品となっているのですが、残念ながらいずれもシリーズ歴代トップというほどまでの中国での成績に届いていないのが少し寂しいところです。
これにはしょうがない事情も絡んでいて、中国では一部の都市の映画館が新型コロナウイルス感染症の影響で、営業停止状態。大規模なロックダウンに対して大きな抗議デモも発生している状況にありました。
そんな最中での、劇場公開となったわけで、むしろ万全とは言い難い状況でよくぞこれだけの成績を収めたとも言えます。
経済産業省の所管しているクールジャパン機構の今年3月時点での累積赤字が309億円にも及ぶことが報じられている隣で、こうしてしっかり日本作品が海外で結果を残しているのもまた皮肉な話。日本の作品たちは現在進行形でしっかり海の向こうでも頑張っています。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
サムネイル画像:YouTubeチャンネル『ONE PIECE公式YouTubeチャンネル』より
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