『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト) 』の上映を9月8日に控え、注目の高まる『シティーハンター』ですが、冴羽獠が35巻ある原作で本気を出したと思われる戦いはたったの3回だけ。彼が本気を出して戦ったのは、どんな相手なのでしょうか?
◆ファルコンとの決闘で本気を出す
冴羽獠が初めて本気を出したのは、裏の世界でシティーハンターと並ぶ実力を持つといわれる海坊主こと伊集院隼人(ファルコン)との決闘です。
2人にはかつて戦場で相まみえた過去があり、天使の涙(エンジェルダスト)という狂戦士化する薬を打たれた冴羽獠が、海坊主の部隊を殲滅。かろうじて生き残った海坊主も両眼を負傷するという因縁がありました。
海坊主はそのときの傷が原因でもうすぐ失明することを知り、その前に裏の世界でどちらがナンバーワンであるか決着をつけておきたいという想いが強くなっていました。その矢先、冴羽獠の殺しの依頼が入りそれを受けることを決心します。
決闘は香の兄、槇村秀幸が眠る墓地で行われ、足を負傷し視力も弱くなってきた海坊主が持久戦に持ち込みますが、獠を心配して乱入してきた香によって状況が変わります。
香に反応した獠の気配を感じた海坊主が先手を取りますが、決闘前に獠が槇村秀幸の墓に供えていた香からのバースデープレゼントの腕時計のアラームが鳴り、これによって海坊主に気づいた獠も撃ち返します。
海坊主の弾丸は腕時計に当たって軌道がずれ獠の頭をかすめ、獠の弾丸は海坊主の拳銃を破壊しました。
武器を失った海坊主を追い詰めた獠ですが、弾切れであることを告げ、過去の因縁と槇村兄妹の存在が鍵となった決闘は引き分けという形で決着しています。
弾丸の軌道がそれることなく頭を直撃していたら死んでいたかもしれない、まさに獠が本気で戦った場面といえるでしょう。
この戦いが描かれているのは原作の28巻。それまで本気を出して戦っていないというのは、『週刊少年ジャンプ』作品の主人公としてはかなり異質だといえます。