『ガンダム』の生みの親である富野由悠季監督の作品には、思わず顔を伏せたくなる卑劣な兵器が多く登場します。『ガンダム』シリーズはもちろん、その残酷さは他の作品でも見られます。また、戦争という悲惨さを描いた『ガンダム』シリーズでは、悲しい最期を迎えたキャラが多く存在します。

◆野由悠季監督のエグすぎる兵器

富野由悠季監督の作品は、『伝説巨神イデオン』の全滅エンドや、『無敵超人ザンボット3』で主人公側のキャラが次々と命を落としたこともあり、「皆殺しの富野」とファンの間で呼ばれることも……。多くの死を描いてきた富野由悠季監督の作品には、エグすぎると目をふさぎたくなるような作戦や兵器がいくつも登場します。

●人間だけをねらう機械──バグ

 バグは『機動戦士ガンダムF91』に登場した無人機動兵器です。円盤状の本体にノコギリがついており、回転してモビルスーツの装甲や避難シェルターの壁などを切り裂きます。

 バグはモビルスーツや戦艦を破壊するための兵器ではなく、あくまで人間だけをねらって動きます。

 無人兵器が人間を探し出して、建物の中まで侵入し、そのノコギリで切り裂きにくる描写はすさまじく、作中ではアングルの工夫やバグの自爆による効果で人体の破損は描かれませんが、エグいの一語です。

 作戦を決行したカロッゾは「誰も良心を痛める事のない」と満足気でしたが、無人兵器を使えば直接手を汚さなくて済むので良心を痛めることがないだろうという発想自体にグロテスクなものを感じます。

 ベラ・ロナがコスモ・バビロニアの貴族主義を否定する際に、一部の人間が独断で使ったバグの存在を明らかにしたことで、内部分裂が起こり、クロスボーン・バンガードは海賊として再編されていきます。

●解除不能の恐怖──人間爆弾

『無敵超人ザンボット3』に登場するガイゾックの人間爆弾は、誘拐した地球人の体内に時限爆弾を埋め込み、その記憶を消した上で開放し、各々が無差別に街中で爆発するというものです。

 フィクションの中ではしばしば人間に爆弾が仕込まれる展開はあり、ヒーローの活躍によって爆発が未然に防がれることもありますが、ガイゾックの人間爆弾に解除方法はありません。人間爆弾にされてしまった人間は、漏れなく爆発します。

 作中でも勝平と反目することもありながら心を通わせていた友人たちが人間爆弾に改造され爆発しています。

 特にアキは人間爆弾に改造されたあと、勝平たちに保護され、勝平の部屋で帰りを待っているときに爆発し、一歩間に合わなかった勝平はアキの最期を受け入れられないでいるエグい展開です。

詳しく読む⇒富野由悠季監督のエグすぎる作戦・兵器4選 解除できない「恐怖の人間爆弾」ほか

◆『ガンダム』悲しい最期を迎えたキャラ

『ガンダム』シリーズには悲劇的な死を迎えたキャラが多く存在します。

 中には、結婚を控えていたマドンナ的なキャラや、主人公の少年の目の前で無惨な死に方をした母親キャラも──。

●結婚を控えていた悲劇の女性──マチルダ・アジャン(機動戦士ガンダム)

 マチルダは、アムロが初めて「女性」を意識したキャラクターであり、アムロにとっては初恋といえる女性なのかもしれません。

 そんなマチルダは、大尉であるウッディ・マルデンと婚約関係にあり、オデッサ作戦が終了したのちに、結婚式を挙げる約束をしていました。

 しかし、このオデッサ作戦の途中でオルテガの操縦するドムによって、マチルダが乗るミデア輸送機はコックピットごと叩き潰され、彼女は戦死してしまいます。

 「作戦が終わったら結婚しよう」という、死亡フラグともとれる演出はここでも採用されていました。

 またウッディもジャブローの攻防戦で、シャアの駆るズゴックにファンファンのコクピットを叩き潰され戦死しています。

●最も残酷な親子の別れ?──ミューラ・ミゲル(機動戦士Vガンダム)

 主人公のウッソ・エヴィンは戦闘に参加する中、ずっと失踪していた母親を探し続けていました。その母親というのが、ミューラ・ミゲルです。

 敵の人質となってしまったミューラを助けるためにウッソは戦いますが、彼女を捕らえていたモビルスーツの身動きが取れなくなってしまったところに、敵の巡洋艦のタイヤがミューラを直撃。ウッソは目の前で探し求めていた母親を失ってしまいました。

 その後、ウッソが母の頭が入ったヘルメットだけを持って「母さんです」といったシーンにショックを受けた人も多いようです。

詳しく読む⇒「これ…母さんです…」 『ガンダム』悲しい最期を迎えた3人のキャラ

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

※サムネイル画像:Amazonより

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