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TVアニメ『アストロノート』

 『機動戦士ガンダム』の生みの親の富野由悠季監督は、『伝説巨神イデオン』の全滅エンドや、『無敵超人ザンボット3』で主人公側のキャラが次々と命を落としたこともあり、「皆殺しの富野」とファンの間で呼ばれることも……。多くの死を描いてきた富野由悠季監督の作品には、エグすぎると目をふさぎたくなるような作戦や兵器がいくつも登場します。

◆コロニー落とし──地図を書き換えるほどの威力

 コロニー落としは、名前のとおりスペースコロニーを地球に落とす戦略兵器です。

 そもそもコロニーは、宇宙で人が住んで生活するために作った建造物なので、落下の威力だけでもとんでもないものです。

 『ガンダム』の冒頭で描かれているコロニー落としで、オーストラリア大陸の地形は変わってしまいました。

 また、巻き上げられた粉塵などで長期間に渡る二次被害もあり、地球環境自体を変えてしまいます。

 少なく見積もっても10億人規模の被害者を生むものですが、コロニー落としに使うためのコロニーの調達においても、疎開や毒ガスの散布といった無理やりな手段が使われることが多くエグさが際立ちます。

 圧倒的質量を持ったスペースコロニーが落ちてくる様子は、作中人物たちから「空が落ちてくる」とたとえられました。

 コロニー落としは宇宙世紀以外の『ガンダム』シリーズでもたびたび登場し、巨大建造物の落下は物語の終盤に立ちはだかるミッションとして定番になったともいえるでしょう。

◆人間だけをねらう機械──バグ

 バグは『機動戦士ガンダムF91』に登場した無人機動兵器です。円盤状の本体にノコギリがついており、回転してモビルスーツの装甲や避難シェルターの壁などを切り裂きます。

 バグはモビルスーツや戦艦を破壊するための兵器ではなく、あくまで人間だけをねらって動きます。

 無人兵器が人間を探し出して、建物の中まで侵入し、そのノコギリで切り裂きにくる描写はすさまじく、作中ではアングルの工夫やバグの自爆による効果で人体の破損は描かれませんが、エグいの一語です。

 作戦を決行したカロッゾは「誰も良心を痛める事のない」と満足気でしたが、無人兵器を使えば直接手を汚さなくて済むので良心を痛めることがないだろうという発想自体にグロテスクなものを感じます。

 ベラ・ロナがコスモ・バビロニアの貴族主義を否定する際に、一部の人間が独断で使ったバグの存在を明らかにしたことで、内部分裂が起こり、クロスボーン・バンガードは海賊として再編されていきます。

◆見た目が滑稽なのがよりエグい!──地球クリーン作戦

 地球クリーン作戦は、『機動戦士Vガンダム』でザンスカール帝国が実施した地球侵攻作戦です。

 その内容はバイクの形をした戦艦が、巨大なタイヤで地球の建造物から何からすべてを踏みつぶし、『進撃の巨人』よろしく地ならしして、まっさらにしてしまうというもの。

 バイクの形をした戦艦という時点で滑稽にも思えますが、戦艦1隻ではなく艦隊で並んで地ならしをしていくので、コロニー落としと同様にその質量は圧倒的です。

 作中でも連邦軍のパイロットが搭乗するジャベリンごと踏みつぶされるシーンは悲惨なものでした。

 一部のゲームでも再現されており、バイク型戦艦の武器として地ならしを使うと、通った道がまっ平の掘り返された土のように変わってしまう演出でした。

 しかし何よりエグいのはザンスカール帝国にとって、この地球クリーン作戦での地ならしは、このあとに控える決戦兵器エンジェル・ハイロゥの完成までの時間稼ぎにすぎなかったことです。

 『機動戦士Vガンダム』は凄惨で奇抜な展開がたくさんあるので一つひとつを挙げるときりがないのですが、直接的で規模の大きい暴力の作戦であり、バイク型戦艦というビジュアルのインパクトもあって印象深い作戦です。

◆解除不能の恐怖──人間爆弾

 『無敵超人ザンボット3』に登場するガイゾックの人間爆弾は、誘拐した地球人の体内に時限爆弾を埋め込み、その記憶を消した上で開放し、各々が無差別に街中で爆発するというものです。

 フィクションの中ではしばしば人間に爆弾が仕込まれる展開はあり、ヒーローの活躍によって爆発が未然に防がれることもありますが、ガイゾックの人間爆弾に解除方法はありません。人間爆弾にされてしまった人間は、漏れなく爆発します。

 作中でも勝平と反目することもありながら心を通わせていた友人たちが人間爆弾に改造され爆発しています。

 特にアキは人間爆弾に改造されたあと、勝平たちに保護され、勝平の部屋で帰りを待っているときに爆発し、一歩間に合わなかった勝平はアキの最期を受け入れられないでいるエグい展開です。

 

 ──現実でもテロ組織が自爆テロを実用化していますし、最近ではイスラエル軍がAIを使った無人ドローン兵器を使っていることが明らかになっています。

 富野監督が手を変え品を変え描くことで語り継いできた戦争の悲惨さは、現在進行形の問題といえるでしょう。

〈文/雨琴〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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