普段からマジメに見えるキャラが実は下ネタが好きだったり、毒舌だったりします。意外な一面を持つ問題発言の多いキャラにはどんなキャラがいるのでしょうか? また、普段はダメ人間丸出しなのに、いざというとき頼りになる活躍を見せるキャラもいます。どんなキャラがピンチのときに頼りになるキャラに変身するのでしょうか?

◆“問題発言”が多い2人のキャラ

 コンプラのゆるかった昔の漫画では、現在では信じられないようなとんでもない問題発言をしていることがあります。特に、優しいイメージのあるキャラクターの毒舌は心にも残りやすいです。

 次の2人は、実は問題発言が多い意外なキャラクターたちです。

●園児に女の姿を見せるよしなが先生──『クレヨンしんちゃん』

 やさしい保母さんのイメージがあるよしなが先生は、原作ではたびたび園児の前でいやらしい一面を見せています。しんちゃんにスカートの中に入られて、「ああっいい~」と感じたり、しんちゃんが粘土でよしなが先生の恋人の陰部を作ったときには、そんなに小さくないと思わずムキになってツッコんでいました。

 また、よしなが先生は園長先生の怖い顔を見て、「ソープに売るのだけはかんべんして~」と叫んだこともあります。なお、今ではすっかり組長のイメージの園長先生ですが、原作の初期では地上げ屋さんと言われていました。

 アニメではまつざか先生の強烈なインパクトと比べると、よしなが先生はキャラクターが薄い印象です。それは原作において彼女の最大の特徴ともいえる下ネタ要素が、アニメでは削られた経緯があったからだと思われます。

『クレヨンしんちゃん』が連載されいてのは『漫画アクション』という双葉社が発行する青年漫画雑誌でした。そのため、下ネタや社会派の毒舌ネタが多いのは不自然なことではなく、むしろ子ども向けのアニメにしようと考えた発想がすごいといえるでしょう。

 ライツ事業部クレヨンしんちゃん編集室室長の鈴木健介さんのインタビューによると、ホームドラマテイストにしたことが大ヒットに繋がった要因だそうです。

 また、女子高生をきっかけに人気に火が付いたとのことですから、親世代からのクレームはあったものの子供に受ける要素は備わっていたのかもしれません。

●のび太を幸せにする使命はどこへ──『ドラえもん』

 原作ではドラえもんがたびたび暴言を吐くシーンがあり、「そりゃ、のび太の頭はもともとからっぽだもの」「モテない男が気休めに使う、みじめな道具だけど、それでも使う?」など、特にのび太への毒舌はすさまじいです。

 ドラえもんは未来を変えてのび太を幸せにする、しずかちゃんと結婚させるという目的があるはずですが、とてもそれを果たそうとしているとは思えません。

 未来を変えようと過去に来たものの、のび太のダメっぷりが予想以上に酷くて随所に本音が出てしまっているのでしょうか。「のび太の脳みそは進化がおくれているらしい」「男は顔じゃないぞ!中身だぞ!!もっとも、きみは中身も悪いけど」と、現代の教育においては完全にアウトな発言を繰り広げています。

 また、「のび太一人をよってたかってわらいものにいするなんてゆるせない!!しかもこんなよわい者を、あわれな者を、おろかな者を」と、味方の振りをしながらのび太をとことん貶めていく高等テクニックも使っています。

 逆にいえば、ドラえもんの暴言にも全然メゲない、のび太ののんきさやメンタルの強さは賞賛に値するでしょう。もしかしたら、ドラえもんはのび太のメンタルを鍛えることで、未来を変えようとしているのかもしれません。

 しかし、ドラえもんは「ぜんぶ燃やしてしまえばかたづく」「じゃ、ミサイルでもうちこんでやるか」など、のび太以外にも過激な発言をしています。

 現在のアニメのドラえもんのイメージからは信じられないですが、原作のドラえもんはのび太に悪影響を与えている可能性も十分考えられるでしょう。

詳しく読む⇒「よしなが先生は下ネタ好き」「歩美の元太いじり」……実は“問題発言”が多い4人のキャラ

◆いざというとき頼りになる2人のキャラ

 少年漫画にはおバカなキャラがつきものですが、そんなキャラの中でもいざというときに頼りになるキャラがいます。

 次の2人も普段は臆病だったり無気力だったりするのに、ここぞという時にはバッチリ決めてカッコいい一面を見せました。

●寝ているときだけ強くなる?——『鬼滅の刃』より我妻善逸

 我妻善逸は、普段は怖がりで泣いてばかりいますが、恐怖が最高潮に達し失神すると覚醒し、驚くほどの強さを見せます。

 善逸は臆病な性格をしており、鬼に遭遇すると怖がって泣きながら逃げてしまうこともあります。そんな性格のためか、普段の善逸は恐怖や緊張で体がこわばりうまく動かせません。しかし、恐怖と緊張が限界に達し眠りに落ちると、驚くほどの強さを見せます。

 たとえば無限列車編では、八両編成の汽車が鬼となり襲い掛かってきますが、彼は眠ったまま八両のうち三両を禰豆子と一緒に守り抜きました。さらに、遊郭編では「霹靂一閃(へきれきいっせん)・神速」という新技で、上弦の鬼の1人である 堕姫の首を切り落とします。

 そんな寝ているときは強い善逸ですが、たまに起きているときでもカッコいい姿を見せることがあります。

 鼓屋敷では善逸の仲間である炭治郎のために事情を知らぬまま禰豆子がいる木箱を守ったり、遊郭編では人に化けた堕姫から女の子をかばったりしました。いずれも戦ってはいませんが、彼の臆病な性格を考えると勇気を振り絞ってかばったのでしょう。

●妻への愛が推理の勘をさえさせた——『名探偵コナン』より毛利小五郎

 毛利小五郎は女にだらしないお調子者ですが、妻への愛をきっかけに主人公のコナンを上回る推理を見せたエピソードがあります。

 普段の小五郎はお調子者で的外れな推理をするため、コナンが小五郎を眠らせて彼に代わり推理をしています。

 しかし、映画『名探偵コナン 水平線上の陰謀』では、なんとコナンより先に小五郎が真犯人へたどり着きました。

 その理由は、真犯人が小五郎の妻である妃英理に似ていたから。彼は妻に似ている彼女が犯人でないと証明するために証拠を集めたら、彼女への疑念が募り真犯人だと気付いたのです。まさかの妻への愛が小五郎の勘をさえさせて、コナンより先に真犯人を突き止めました。

 小五郎は英理から「グズで不潔で女たらしで飲んだくれでいいかげんな男」と言われており、確かに普段は英理が言うようなおバカな姿をしています。

 しかし、このエピソードから分かる通り、小五郎の英理への愛は本物のようです。

詳しく読む⇒普段は「おバカ」だけど……いざというとき頼りになる4人のキャラ

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

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