少年漫画にはおバカなキャラがつきものですが、そんなキャラの中でもいざというときに頼りになるキャラがいます。

 次の4人も普段は臆病だったり無気力だったりするのに、ここぞという時にはバッチリ決めてカッコいい一面を見せました。

◆寝ているときだけ強くなる?——『鬼滅の刃』より我妻善逸

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 我妻善逸は、普段は怖がりで泣いてばかりいますが、恐怖が最高潮に達し失神すると覚醒し、驚くほどの強さを見せます。

 善逸は臆病な性格をしており、鬼に遭遇すると怖がって泣きながら逃げてしまうこともあります。そんな性格のためか、普段の善逸は恐怖や緊張で体がこわばりうまく動かせません。しかし、恐怖と緊張が限界に達し眠りに落ちると、驚くほどの強さを見せます。

 たとえば無限列車編では、八両編成の汽車が鬼となり襲い掛かってきますが、彼は眠ったまま八両のうち三両を禰豆子と一緒に守り抜きました。さらに、遊郭編では「霹靂一閃(へきれきいっせん)・神速」という新技で、上弦の鬼の1人である 堕姫の首を切り落とします。

 そんな寝ているときは強い善逸ですが、たまに起きているときでもカッコいい姿を見せることがあります。

 鼓屋敷では善逸の仲間である炭治郎のために事情を知らぬまま禰豆子がいる木箱を守ったり、遊郭編では人に化けた堕姫から女の子をかばったりしました。いずれも戦ってはいませんが、彼の臆病な性格を考えると勇気を振り絞ってかばったのでしょう。

 春から始まる『柱稽古編で』は、善逸のカッコいい姿を見られるでしょうか。

◆妻への愛が推理の勘をさえさせた——『名探偵コナン』より毛利小五郎

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 毛利小五郎は女にだらしないお調子者ですが、妻への愛をきっかけに主人公のコナンを上回る推理を見せたエピソードがあります。

 普段の小五郎はお調子者で的外れな推理をするため、コナンが小五郎を眠らせて彼に代わり推理をしています。

 しかし、映画『名探偵コナン 水平線上の陰謀』では、なんとコナンより先に小五郎が真犯人へたどり着きました。

 その理由は、真犯人が小五郎の妻である妃英理に似ていたから。彼は妻に似ている彼女が犯人でないと証明するために証拠を集めたら、彼女への疑念が募り真犯人だと気付いたのです。まさかの妻への愛が小五郎の勘をさえさせて、コナンより先に真犯人を突き止めました。

 小五郎は英理から「グズで不潔で女たらしで飲んだくれでいいかげんな男」と言われており、確かに普段は英理が言うようなおバカな姿をしています。

 しかし、このエピソードから分かる通り、小五郎の英理への愛は本物のようです。

◆普段はマダオなのにいざという時はバッチリ決める——『銀魂』より坂田銀時

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 坂田銀時は、普段は無気力でダラダラと過ごしていますが、ここぞというときには頼りになる姿を見せます。

 普段の銀時は無気力で、周囲からは「死んだ魚のような目」をしているとも言われています。しかも、セクハラ発言をしたり酒癖が悪かったりと、『週刊少年ジャンプ』の主人公らしからぬ姿をみせることも。そんな姿から、銀時は「マダオ」(まるでダメなおっさん)や「ニート侍」と例えられることがあります。

 しかし、普段はそんな姿でも決めるときはバッチリ決めてくれるのが銀時です。彼は情に厚く仲間思いのうえ、自身の軸がぶれておらず信条に反することはしません。

 たとえば、かぶき町四天王篇では彼の恩人であるお登勢が次郎長によって傷つけられ、普段の彼からは考えられないほど怒りに満ちた表情で次郎長へ斬りかかりました。

 また、攘夷戦争中に敵に追い込まれた時でも「美しく最後を飾りつける暇があるなら最後まで美しく生きようじゃねーか」と言い、最後まで諦めない彼の心の強さを見せます。

 そんなギャップがある銀時の姿にときめくファンが多く、過去6回行われた公式のキャラクター人気投票ではずっと1位を獲得し続けています。

◆職務怠慢なのに仲間や部下思い——『鋼の錬金術師』よりロイ・マスタング

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 ロイ・マスタングは、女好きで軽い人物に見えますが、情に厚く部下にも慕われています。

 ロイは普段から女性を口説いており、軍部の電話でホステスに連絡していることから、職務怠慢で不真面目に見えます。

 しかし、彼は情に厚く仲間思いの一面があり、仲間が命を落とした時には涙を見せ、復帰できないようなけがを負った時でも見捨てません。

 たとえば、彼の親友、ヒューズがエンヴィーに命を奪われたとき、ロイは彼の葬儀の後に「いかん 雨が降って来たな」と言い、涙を流しているのをごまかしていました。

 そして、仇であるエンヴィーと戦ったときには普段の姿からは想像できないぐらいの激しい怒りを見せ、エンヴィーが瀕死になるまで焼き尽くします。

 また、ロイの部下であるハボックが重傷を負い歩けなくなったときには、「上で待っているぞ」と声をかけ、彼を励ましました。ハボックはロイの言葉により気力を取り戻し、終盤ではロイに武器や弾薬を届けるファインプレーを見せます。

 普段は不真面目でも仲間や部下思いのロイは、理想の上司とも言えるかもしれません。

 ——いざというときに頼りになるキャラは、普段とのギャップが相まって思わず「カッコいい!」と思ってしまうもの。そのように考えると、普段のおバカな姿もキャラの魅力を発揮させる大切な要素なのかもしれません。

〈文/林星来 @seira_hayashi

《林星来》
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。

 

※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となります。

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