2024年に誕生から50周年を迎えたサンリオの『ハローキティ』(以下、『キティちゃん』)と、同年アニメ放送から50周年を迎えた『アルプスの少女ハイジ』。この2つの作品には、実はあまり知られていない「裏の顔」ともいえるエピソードが存在します。
◆「キティちゃん」にまつわる裏話
サンリオの『キティちゃん』は、世界の著名人もファンを公言するほど知名度の高いキャラクターですが、実は家族のことや、知られていない設定が数多くあります。
●キティちゃんは猫じゃなかった!?──実は猫を飼っている
2004年、サンリオから新キャラクターとして「チャーミーキティ」というペルシャ猫の女の子が誕生しました(以下「チャーミー」)。
チャーミーはキティちゃんのパパであるジョージ・ホワイトがキティちゃんの誕生日にプレゼントした猫で、とてもチャーミングだから「チャーミー」と名付けられたのだとか。
ボーイフレンドのディアダニエルから誕生日にプレゼントされたジャンガリアンハムスターのシュガーとチャーミーは大の仲良しとのことです。
チャーミーが誕生した当初、世間からは「キティちゃんは自分が猫なのに猫を飼っているのか?」という驚きの声も出ましたが、実はキティちゃんは猫ではありません。
2014年、海外ニュースサイト『Los Angeles Times』にて、ハワイ大学の人類学者であるクリスティン・R・ヤノ教授は、キティちゃんについて「彼女はマンガのキャラクターです」「小さな女の子であり、友達です。けれども、彼女は猫ではありません」「彼女は、一度も4本足の姿で描かれたことはありません。彼女は二足歩行する生き物のように、歩いたり座ったりします」と語っています。
さらにヤノ教授はキティちゃんのことを「イギリス人」だと断言しており、猫ではなく「一人の少女」として扱っています。
なお、サンリオの公式設定では、キティちゃんはイギリスのロンドン郊外で生まれたとされています。
●キティちゃんの意外な本名とは?──実は双子の妹もいて……
「ハローキティ」の愛称で親しまれているキティちゃんの本名は、サンリオの公式Webサイトで「キティ・ホワイト」だと明かされています。
家族は、両親と祖父母、そして双子の妹の「ミミィ」です。左耳の付け根に赤いリボンを付けているキティちゃんと見分けがつくように、ミミィは右耳の付け根に黄色いリボンを付けているのが特徴です。
本名は「ミミィ・ホワイト」で、サンリオピューロランドの公式Webサイトでは「ハローミミィ」とも呼ばれています。
公式プロフィールによると、キティちゃんの趣味は「クッキー作り」、将来の夢は「ピアニスト」か「詩人」。好きな食べ物は「ママの作ったアップルパイ」。身長は「リンゴ5個分」で体重は「リンゴ3個分」とのこと。
性格は「いつも元気いっぱい」「ちょっぴりおてんばで、明るくてキュート」「みんなをHappyな気持ちにさせてくれる、とってもやさしい女のコです」と紹介されています。
一方で、ミミィの特技は「ししゅう&パッチワーク」で、好きな食べ物は「おばあちゃんが作ったプディング」。将来の夢は「お嫁さん」。
性格は「ちょっぴり内気で、はずかしがり屋さん」「手芸や家庭科が大好きな、とっても女のコらしい女のコ」です。
キティちゃんとミミィの性格は対照的ですが、とても仲良しな双子です。
ネット上では「キティちゃんが双子だと知らなかった」という声も少なくありません。
詳しく読む⇒実はネコじゃなかった!? 「キティちゃん」に隠された3つの裏話
◆『アルプスの少女ハイジ』の意外な裏話
明るく朗らかなハイジと動物たちとの触れ合いや、周りの人たちとの交流を描いた『アルプスの少女ハイジ』は、今も多くの人に愛されています。しかし、実はアニメ化にあたって原作から大きく変更された点がいくつかあります。
●アルムのおんじは「人の命を奪った」ことがある?──若いころに好き放題生きた結果……
ハイジのおじいさんはレギュラーキャラクターでありながら、原作・アニメともに本名が明かされていません。
村人からは「アルムのおんじ」と愛称で呼ばれており、これは「アルムの山に暮らすおじいさん」という意味です。
アニメでは、気難しく、村人たちとの交流を好まないおじいさんの過去はほとんど描かれませんでしたが、原作では詳しく語られています。
原作によると、おじいさんは裕福な農家の息子として生まれ育ちましたが、気性が荒く傲慢な性格で素行が悪かったそうです。酒や賭博に溺れ、全財産を使い果たし家族も失ってしまいました。
その後、ナポリで傭兵となり、ヨーロッパ中の戦場を渡り歩く生活を送りますが、ある日、ささいなケンカが発展し、相手の命を奪ってしまったという噂もあります。
アニメ第1話でも、おじいさんが人の命を奪ったという噂が流れており、ハイジの叔母のデーテに対し、ハイジを彼に預けるのはやめたほうが良いと忠告するシーンがあります。
子供向けのアニメだったため、おじいさんの過去は描かれませんでしたが、彼の気性の荒さは、アニメの随所に見られます。
たとえば、アニメの第6話ではおじいさんが村人に対してささいなことで激高したり、パン屋の店主から値上げの報告を受けて「この店は夫婦そろってインチキをするつもりか!」と怒鳴りつけたりするなど、感情的になりやすい一面が描かれています。
しかし、孫のハイジには優しく接し、感情的になることはほとんどありません。ハイジは、孤独だったおじいさんにとってかけがえのない存在なのでしょう。
●クララはもっと前に立っていた?──彼女が最初に立ち上がった意外なシーンとは
このアニメの最大の見せ場は、なんといっても苦労の末にクララが立ち上がる場面です。アニメ第50話の、ハイジが泣きながら「クララが立ってる!」と喜ぶシーンはとても有名です。しかし、実はその前にもクララは立っています。
クララが初めて自分で立ったのは、アニメ第48話です。近づいてきた牛に驚いて、思わずパッと立ち上がったのでした。
牛はそれ以上近づいてこず、力が抜けたクララはすぐ地面にへたり込むのですが、クララはなぜ立ち上がれたのか分からず混乱します。
第50話の印象が強くハイジたちの前で初めて立ったと思われやすいですが、実はクララが初めて立ったところを見たのは、そのとき隣にいたクララのおばあさまだけです。
詳しく読む⇒「クララは実はもっと前に……」「アルムのおんじは若いとき……」 『アルプスの少女ハイジ』4つの裏話
〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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