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TVアニメ『アストロノート』

 アニメにはただの生徒会のはずなのに、教師はもちろん法律をも上回る権力を持っている生徒会があります。生徒の退学や人生をも左右する決定を、生徒会が取り仕切るシステムは異常そのもの。

 『キルラキル』や『魔法科高校の劣等生』のように戦闘や生徒の命に危険がおよぶ可能性がある世界観・設定であれば、生徒会が強い権力を持っていても不思議ではないでしょう。

 しかし、次の4つのアニメは、学校生活はあくまで勉学や部活の範囲でありながら、生徒会がとんでもない横暴を働いています。

◆生徒への暴力や投獄が許される裏生徒会──『監獄学園』

 八光学園には表生徒会に対して裏生徒会という組織があり、女子風呂のノゾキをした藤野清志(以下、キヨシ)たちをプリズンと呼ばれる懲罰棟に収監しました。プリズンの看守や懲罰作業にあたるキヨシたちの見張りだけなら分かりますが、殴る蹴るのやりたい放題と裏生徒会の権力は常軌を逸しています。

 もともと裏生徒会は風紀を乱す者を取り締まる、風紀委員のような役割を担っていました。そのため、違反をすれば女子生徒でも容赦なく収監されることもあり、全生徒から恐れられる存在です。

 しかし、裏生徒会第20代目会長である、栗原万里は大の男嫌い。父親である理事長が、たびたびいかがわしい本を持っていたり、いかがわしいサイトを見ていたりしているのもあってか、万里は「男はクズ」と見下しています。

 そこに女子高だった八光学園が共学になり、キヨシたちが入学して来たので目の敵にしている部分もあるのでしょう。しかし、プリズンのすべての権限を持っているとはいえ、収監された生徒を本当の囚人のように扱い、治外法権とばかりに暴力をふるうのはやり過ぎです。

 しかも、万里は男そのものを嫌悪するあまり、DTO(男子退学オペレーション)を発動。キヨシたちを退学させるために、裏生徒会の権力を使って門限に遅らせようと画策したり、わざと怒らせて歯向かうよう仕向けたりします。

 キヨシたちの結束や諸葛岳人の機転もあって、男子生徒は退学を回避。さらにDTOが明るみになると失脚して、今度は万里たち裏生徒会メンバーがプリズンに収監されることになりました。

 そして、万里たちは新しく裏生徒会会長になった竹ノ宮ケイトから、キヨシたちにしていたのと同じ、酷い扱いを受けます。自分たちが収監される立場になって、裏生徒会の権力がいかに常識はずれで、強大すぎるか身をもって思い知ったことでしょう。

◆生徒会長が生徒を裁く──『ようこそ実力至上主義の教室へ』

 生徒会長の堀北学は、厳格な性格のためほかの生徒から尊敬されながらも恐れられる存在です。生徒会長の業務としては問題を起こした生徒の裁定を行ったり、退学処分を決定したり大きな権力を持っています。

 Dクラスの須藤健がCクラスの生徒相手に暴力事件を起こしたとき、堀北学は裁判長のような役割を担っていました。それぞれのクラスの担任教師も参加していましたが、弁護や証拠提出、裁定はあくまで生徒主体。

 もし綾小路清隆の策略によってCクラスが訴えを取り下げなければ、堀北学の判断によって須藤は退学させられていたでしょう。また、堀北学は空手5段、合気道4段と武術を得意としており、妹とはいえ同じ学校の生徒である堀北鈴音を本気で殴ろうとしていました。

 そして、それを止めに入った綾小路にもいきなり殴りかかっています。綾小路がすべてかわしたので暴力事件にはなりませんでしたが、ほかの生徒の暴力事件を裁定する立場でありながら、自身の暴力行為は生徒会の権力でもみ消すつもりだったのでしょうか。

 また、このとき堀北学は綾小路の入学試験やテストの点数も把握していました。普通の学校であれば、生徒会長といえど生徒のテストの点数を知るなんてことはあり得ないでしょう。

 ただ、堀北学は本当は仲間想いで、クラスから退学者を出さないという信念のもと、クラスメイトを救うために尽力していました。厳しいながらも公平であり、生徒会の権力を理不尽に振るうことはありませんでした。

 これに対して堀北学の後を継いで生徒会長になった南雲雅はヤバイです。ただでさえ、テストや部活で結果を出せなければ容赦なく退学させられる高度育成高等学校ですが、南雲は現在の学校制度をろくに退学者を出さない甘い制度と思っています。

 さらに生徒会長になったことをいいことに、前代未聞の退学者を出す政策を考えている状態です。南雲が本格的に生徒会の権力を振りかざせば、多くの生徒の人生に悪影響を及ぼすことは間違いないでしょう。

◆日本で非合法のギャンブルを取り仕切る──『賭ケグルイ』

 私立百花王学園はギャンブルによる階級制度が敷かれており、桃喰綺羅莉が生徒会長になってからこのシステムを取り入れました。しかも、ギャンブルに負け続けた生徒は、生徒会から人権すら奪われてしまいます。

 生徒は任意で上納金を生徒会に支払い、それらのお金は生徒会が運営するギャンブルに欠かせない賭場の運営や充実に使われるシステムです。しかし、任意といっても支払う上納金が下位100名になったら「家畜」扱いとなります。

 男なら「ポチ」、女なら「ミケ」と書かれた札を首からぶら下げて学校生活を送ることに。しかも、札には「非協力生徒」と書かれており、上納金ランキングが下位何位なのかも記されています。

 家畜はその名の通り人権がありません。学園内であれば家畜に対して奴隷扱い、体罰など一般的に犯罪となる行為すら許されます。

 さらに借金がある生徒を待ち受けているのが人生計画表の執行です。借金の返済が難しいと判断された場合、生徒会から人生計画表が突きつけられます。

 これは有力な政治家やお金持ちとの結婚など、借金を返済するための人生プランが記されたとんでもない代物です。そして、卒業までに借金返済ができなければ、その生徒はこの計画表の通りに生きなければなりません。

 つまり、死ぬまで生徒会に人生を管理されることになります。人権や法律を無視する生徒会の権力のすさまじさ、理不尽さは学校どころか、国の権力すら超えているといえるでしょう。

◆戦車部に入らないと退学させる?──『ガールズ&パンツァー』

 大洗女子学園の生徒会長である角谷杏は、本来自由に選べるはずの必修選択科目で戦車道を選ぶよう西住みほに強要しました。また、大洗女子学園がある学園艦の運営は、原則生徒に任されているため、その頂点に立つ生徒会にはかなりの権力が与えられています。

 その証拠に戦車道を選んだ生徒のうち、成績優秀者には食堂の食券100枚、遅刻見逃し200日、通常授業の3倍の単位を与えることを約束。このことから生徒会に自由に使える予算、生徒の評価や懲罰に対するかなりの裁定権があることがうかがえます。

 その横暴ぶりは戦車道を拒むみほに対して、「この学校にいられなくしちゃうよ」と脅しをかけるほどです。また、聖グロリアーナ女学院との練習試合で負けたら、思春期の女の子が躍るには恥ずかしい、あんこう踊りをみほに強要します。

 しかし、生徒会がこのような強引な方法をとったのは、大洗女子学園の廃校を阻止するため、戦車道で良い成績を残そうと躍起になっていたからでした。そして、あんこう踊りについてもみほだけでなく、連帯責任として角谷たちも踊っています。

 角谷は普段はだらけている感じですが、戦車戦でしっかり戦火を挙げるなどやるときはやるタイプです。生徒会は普段から突拍子もない行動をする変人集団と見なされているものの、彼女たちはリーダーシップに優れ、学園や生徒のことをしっかり考えています。

 とはいえ学校と学園艦運営に関しては、学園長よりも強い権限を持つ生徒会。生徒会長の素質や性格によっては、権力を笠に横暴がまかり通る強い力が与えられているといえるでしょう。

 

 ──生徒会の権力が絶大なのは、アニメあるあるの一つといえるでしょう。これにはできるだけ教師を介入させず、生徒だけでストーリーを展開したいという意図もあるようです。

 日本社会では運動会で順位をつけない学校も多くなっていますが、人権無視や暴力がまかり通る生徒会が君臨するアニメでは、学校生活で勝ち負けを学ぶことは人生を左右するほど重要になっています。

〈文/諫山就〉

《諫山就》

フリーライターとして活動中。漫画・アニメ・医療・金融などの記事、YouTube用シナリオを執筆・編集しています。

 

※サムネイル画像:Amazonより

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