<PR>
<PR>

 物語が終わっても、一つだけ引っかかる場面がある──。アニメや漫画には、結末を迎えたあともファンの間で語られ続ける“未回収に見える謎”が残ることがあります。

 もちろん、すべてが説明不足とは限りません。連載や放送の事情、あえて答えをぼかす演出、読者を最後まで迷わせるミスリードなど、理由は作品ごとにさまざまです。ここでは、『遊☆戯☆王』『ポケットモンスター』『五等分の花嫁』『ジョジョの奇妙な冒険』に残った印象的な謎を振り返ります。

<PR>

◆黒幕のように現れたシャーディー 最後まで残った正体の謎

 『遊☆戯☆王』で、序盤からただならぬ存在感を放っていた人物がシャーディーです。千年アイテムを持つ者たちの前に現れ、マリクやペガサスの行動にも関わるなど、物語の裏側を知っているかのような立ち回りを見せていました。

 ところが本編では、彼が何者だったのか、なぜ遊戯たちの前に現れたのかという核心は、はっきり語られないまま物語が進みます。続編にあたる劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』では、本編時点ですでに命を落としていたことが明かされ、さらにシャーディー・シンというよく似た青年も登場しました。

 ただし、シャーディーとシャーディー・シンが完全に同一人物だと断定できる描写はなく、劇場版を経てもなお謎は残ります。

 背景として見逃せないのが、連載当時の事情です。『遊☆戯☆王』文庫版2巻の作者コメントでは、シャーディーと遊戯が闇のゲームで対決した回のアンケート結果が芳しくなかったことや、打ち切りの話が出ていたことにも触れられています。物語の方向性が変化していくなかで、シャーディーの役割も当初の構想とは違う形になったのかもしれません。

◆ガンテツにも解けなかったGSボール アニメから消えた“持ち越しの謎”

 アニメ『ポケットモンスター』で、長く視聴者を気にさせた存在といえばGSボールでしょう。オレンジ諸島編で登場し、その正体はジョウト地方編へ持ち越されました。モンスターボール職人のガンテツに預けても謎は解けず、その後、アニメ本編から姿を消してしまいます。

 ゲーム『ポケットモンスター クリスタルバージョン』では、幻のポケモン・セレビィに関わるアイテムとして「ジーエスボール」が登場しました。これにより、ゲーム側では一定の答えが示されたと見ることもできます。

 しかし当時は、入手に『モバイルシステムGB』が必要でした。携帯電話を利用する仕組みで、通信料もかかるため、主な視聴者層だった子どもたちにとっては簡単に体験できるものではありませんでした。アニメだけ追っていた視聴者ほど、GSボールの正体を知らないままになりやすかったのです。

<PR>

◆二乃のミサンガはなぜ結婚式に? 『五等分の花嫁』の意味深な小道具

 『五等分の花嫁』では、風太郎が結婚式で身につけていたミサンガが、読者の間で大きな注目を集めました。林間学校で二乃と風太郎をつないだ印象的なアイテムだったため、最終的な結婚相手を示す手がかりではないかと受け取られたのです。

 このミサンガは、らいはから風太郎へ、風太郎から二乃へ、さらに風太郎へ戻り、また二乃へ渡るという流れをたどっています。ところが最終的には、結婚式の風太郎の手元にあるように描かれています。二乃から風太郎へ返された場面が明確に描かれていないため、未回収の伏線のように見えるのです。

 一方で、この描写はたんなる説明漏れではなく、意図的なミスリードだった可能性もあります。『五等分の花嫁』は、風太郎が五つ子の誰と結ばれるのかを最後まで分からなくする仕掛けが多い作品です。ミサンガをどちらの手につけているかにも意味があるように見え、二乃との関係性や風太郎の心情を遠回しに映していたとも考えられます。

 答えが明言されないからこそ、読者の間で解釈が分かれ続けている場面です。未回収の謎というより、最後まで花嫁予想を揺さぶるための“余白”だったともいえるでしょう。

◆ミキタカは本当に宇宙人なのか 答えを出さないからこそ残る奇妙さ

 『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』に登場する支倉未起隆、通称ミキタカも、最後まで正体がはっきりしない人物です。本人は216歳の宇宙船パイロットで、本名は「ヌ・ミキタカゾ・ンシ」だと語っています。

 ただ、母親は「息子が自分を宇宙人だと言い出して困っている」という趣旨の発言をしており、普通の人間が思い込みで振る舞っているようにも見えます。ところがミキタカは、ティッシュの使い方を知らずに食べてしまったり、カバンから溶けていないアイスを取り出したりと、人間離れした場面も見せています。

 さらに、仗助と岸辺露伴のチンチロリン勝負ではサイコロに姿を変えるなど、スタンド能力のようにも見える力を使いました。スタンドが見えているのかどうかも描写が一定ではなく、宇宙人なのか、スタンド使いなのか、それともまったく別の存在なのか、判断しにくいままです。

 ただし、この曖昧さこそミキタカの魅力でもあります。荒木飛呂彦先生は『JOJO-A-GO!GO!』で、彼について「本当はどっちなんだろうな、というのが面白い」という趣旨のコメントを残しています。杜王町という不思議な町に、正体不明の存在が自然に紛れ込んでいる。その気味の悪さと楽しさが、ミキタカというキャラクターを忘れがたいものにしているのでしょう。

 

 ──伏線がきれいに回収される作品は、読後感のよさがあります。一方で、答えが出ないまま残った謎が、作品の記憶を長く引き延ばすこともあります。

 制作事情が透けて見える未回収もあれば、あえて曖昧にしたからこそ魅力になったものもあります。すべてを説明しきらないからこそ、完結後もファンが語り合える。未回収に見える謎は、作品をもう一度見返したくなる入口にもなっているのかもしれません。

〈文/秋山緑 編集/相模玲司〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「遊☆戯☆王 モノクロ版」第1巻(出版社:集英社)』

<PR>
<PR>

※タイトルおよび画像の著作権はすべて著作者に帰属します

※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

※無断複写・転載を禁止します

※Reproduction is prohibited.

※禁止私自轉載、加工

※무단 전재는 금지입니다.