うさぎは好奇心旺盛で楽しいことが大好きなこともあり、一緒にいるちいかわやハチワレにいたずらをしてしまうことがあります。心から2人のことを友達だと受け入れているからこそ構ってほしい気持ちであったり、気を許している気持ちの表れとしていたずらをしてしまうのでしょう。

 そんなうさぎのいたずらには、時にやりすぎて怒られてしまったり、ちいかわやハチワレをびっくりさせたり泣かせてしまうようないたずらがあります。

◆草を使ってちいかわをくすぐるうさぎ

 青空の下で寝転がり空を眺めたり体を揺らしては、めずらしく一人で遊んでいるちいかわ。偶然にも近くを通りかかったうさぎがちいかわの姿を目にすると「フゥ〜ンッ……」と、何かが思い浮かんだようにちいかわを見つめます。

 どこからか持ってきたふわふわの草を手に、ちいかわに見つからないようにゆっくりと距離を縮めていくうさぎ。すると、寝転がって遊んでいるちいかわの足にふわふわの草を近づけると……急に足の裏をくすぐりはじめたのです。

 まったくうさぎの存在に気づいていなかったこともあり、ちいかわはびっくりしながらも涙を流して楽しそうな反応を見せました。そんなかわいい反応を見せたちいかわに、うさぎは気持ちが満たされていじわる心が高まってしまったのかもしれません。

 あまりの楽しさにくすぐることに夢中になっているうさぎは、少しずつちいかわの声や表情が変わっていることに気づいていない様子。ちいかわは、先ほどの楽しそうな反応とは違い「ワァ……ンッ」と、涙を流しながらうさぎに訴えます。

 ですが、ちいかわの足をくすぐることに夢中になっているうさぎは、泣き叫んでいるちいかわの声が耳に届いていません。変わらずもちいかわの足をくすぐることに夢中になっていると……「ハァーッ!」という声が聞こえてきたと同時に、力強い何かで頭を叩かれてしまいます。

 頭に感じた衝撃にさすがのうさぎもびっくりし、泣き叫んでいたちいかわも思わず声がしたほうへと目線を向けると……眉間にしわを寄せたくりまんじゅうが「鮭とば」を持って立っていたのでした。

 なぜ鮭とばで叩かれてしまったのかあまり分かっていないようなうさぎですが、くりまんじゅうは泣かされているちいかわを見過ごせなかったのでしょう。

 友達だからこそ笑って許せる部分があるものの、こうして時にちいかわを泣かせてしまうほどやりすぎてしまうこともあり、怒られてしまううさぎにかわいさを感じてしまうはずです。

◆気遣いしながらのうさぎのレモン攻撃

 ポシェットの鎧さんからたくさんのからあげをもらったちいかわとハチワレとうさぎは、多くのからあげを目の前にして「わぁッ……」と、自然と笑顔があふれてしまった様子。

 全力で喜ぶちいかわとハチワレ、うさぎを目の前にすると喜びに答えるかのように「揚げに揚げてみましたッ」と、どこか恥ずかしそうに言葉にするポシェットの鎧さん。

 そんな中、早くからあげを食べたいと急かすかのように、からあげに添えてあったレモンをうさぎが手に取って絞ろうとします。すると、何かを伝えたいのかちいかわは「あッ……」とした表情をしながらうさぎを見つめます。

 どんなときも周りをよく見ているハチワレは、いつも気遣いを欠かしません。そのため、なかなか自分で言い出せないちいかわの気持ちに気づいたハチワレは「レモン、かける?」と、優しく聞いてくれたのでした。ハチワレに気づいてもらえたことに嬉しさを抱いたちいかわは、少し涙を見せながらもレモンをかけたくないことをきちんとハチワレに伝えることができました。

 レモンをかけずに待っていてくれているうさぎに「じゃあここまでレモンおねがいッ」と、ちいかわの気持ちを伝えるハチワレですが「からあげにレモンをかけないなんてありえないッ!」と、うさぎは思ってしまったのかもしれません。

 いつもよりも少し強い「ハァッ!?」と言ってハチワレの言葉に返事をすると、ちいかわとハチワレの目に向かってレモン攻撃をします。

 ですが、そんな相変わらずのうさぎの行動に笑みがこぼれてしまうものの、ちいかわの前のからあげにはレモンがかからないようにレモン攻撃をしているのは、うさぎの優しさと思いやりの表れています。

◆スライスチーズにびっくりするちいかわ

 何だかご機嫌なちいかわは「ヤヤ〜ンパパッ、ルーララッ」と口ずさんでいると、気分が高まってしまったのか持っていた花を放って立ち上がると、笑顔でかわいいダンスを見せてくれました。

 すると、突然……ご機嫌でダンスを踊っていたちいかわの頭に、黄色の何かが降りかかってきたのでした。ダンスに夢中になるあまり気づいていなかったものの、実はいつの間にか近くにいたうさぎに、体がすっぽりと隠れてしまう大きなスライスチーズを頭から被せられてしまったのです。

 頭からスライスチーズを被せられてしまったことで視界が真っ暗になり、何が起きているのか状況を把握できていないちいかわは焦ってしまいます。状況が分からずに焦ってはバタバタと飛び跳ねていると、バランスを崩して地面へ背中をついてしまったちいかわ。

 ですが、寝転んでしまうような体勢になったことで体全体をおおっているものがスライスチーズだと気づくと、視界が開けるようにちいかわは上手に顔の部分のスライスチーズを食べ始めます。

 そんなちいかわを近くで見守っていたうさぎは、もっと焦ったり涙を流すことを想像していたのかもしれません。表情を崩すことなく「フゥ〜ンッ」といってちいかわに聞こえないような声量をもらすと、目線を合わせることなくそっとちいかわのそばを離れてしまったのでした。

 

 ──うさぎは一人や自由を好むタイプゆえに、素直に自分の気持ちを伝えることをしません。そのため、うさぎがやってしまうさまざまないたずらは構ってほしい気持ちであったり、何か気持ちを伝えたい気持ちの表れなのかもしれません。

 ですが、ちいかわやハチワレにも伝えられていない本音が隠されていることであったり、ちいかわやハチワレとは信頼関係ができて気を許しているからこそ「どんなことも受け止めてくれる!」と、いたずらをしてしまうのかもしれません。

 そうしたうさぎのさまざまな心情を想像していると、時にやりすぎてしまういたずらであったとしても何だかかわいさを抱いてしまうでしょう。

〈文/柳瀬蓮 @_prince0807_

《柳瀬蓮》

元キャバ嬢ライター。脚本、エッセイ、アニメ以外では主にスピリチュアルや恋愛について、さまざまなメディアで執筆中。赤髪やピアスで派手な見た目をしているものの中身はふわふわしている人。誰かを傷つけてしまわないような記事を心がけています◎。10年の夜職経験を生かし『アニギャラ☆REW』では「アニメで学ぶ恋愛術」を連載中。

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