劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』が4月18日より公開が始まり、盛り上がりを見せていますが、『コナン』のTVアニメでは、あきれた動機で犯行に及んだ人物が時折登場します。また、アニメオリジナルエピソードに限っては、時々「これマジ!?」というようなカオスといっても良いエピソードがあります。
◆『名探偵コナン』犯人たちの「あきれた犯行動機」
コナンはこれまで数々の事件を解決してきましたが、中でもとくに多いのが殺人事件です。
あり得ない裏切られ方をしたり、少なからず同情できたりする動機もある一方で、「そんなことで!?」とビックリ仰天してしまうような、信じられない動機もあるのです。
●将棋ソフトに「待った」を入れようとしたから
アニメ第307話・第308話「残された声なき証言」では、有名なシステムエンジニア・板倉卓が手にかけられてしまいます。
犯人は20年来の友人である将棋ゲームの開発メーカーに勤務する相馬竜介という男で、板倉と相馬は「いつか名人をも倒せる将棋ソフトを作ろう」と約束していました。
相馬は多額の借金をしてまで板倉に出資していたのですが、板倉は失踪。
なんとか探し当てた相馬に対し、板倉はのほほんと「将棋ソフトに『待った』は何回入れるのがいいと思う?」と質問してきました。
プロの将棋の世界では、「待った」は邪道といわれます。犯行動機は、板倉が本格将棋ソフトに「待った」機能を付けようとしたことでした。
いくら将棋を冒涜されたように感じたとはいえ、ゲームが理由で人の命を奪うなど言語道断です。
●ハンガーを投げつけられたから
アニメ第135話「消えた凶器捜索事件」は、コナンファンの間でも語り継がれるほど「意味不明な動機」といわれているエピソードです。
ある日、コナンが少年探偵団のメンバーと米花町のアーケードを歩いていると、吉田歩美が通っている美容室の前を通りかかります。
すると、店の裏から店長の五島緑と美容師の三井美香の言い争う声が聞こえ、腕の良い三井が他店に引き抜かれるのを五島が止めているところでした。
翌日、歩美が髪をカットしてもらうために三井の自宅に赴くと、何者かに首を絞められて死亡している三井を発見。
ただちに警察に通報して捜査が始まるも、凶器が見つかりません。
のちにコナンの名推理で凶器がハンガーであること、犯人が五島であることが発覚し、犯行を認めた五島が動機について語りだします。
五島は三井の自宅でも移動を思いとどまるよう説得していましたが、辞めないでほしいという気持ちが先走るあまり、つい三井の身体に触れてしまいます。
その瞬間、怒った三井がたまたま手に持っていたハンガーが五島に直撃しました。
今まで面倒を見てあげた三井の行動を「恩知らず」ととった五島は、衝動的に彼女の命を奪ってしまった、というのが事件の真相でした。
しかし、五島は「あの子、私にハンガーを投げつけたんです」と発言し、回想シーンでもハンガーのくだりが強調されたことで、あたかもハンガーが当たったことがすべての犯行動機であるかのように映ってしまいました。
五島の動機を聞いていた目暮警部も「そんなくだらん理由で、人ひとりの命を奪ったんですか、あんたは!!」と激怒します。
「ハンガーを投げつけられたから」としか動機を言わなかったため、誤解されたのも無理はありません。
詳しく読む⇒『名探偵コナン』犯人たちの「あきれた犯行動機」 ハンガーを投げつけられただけで……
◆『名探偵コナン』のカオスすぎるアニオリエピソード
『名探偵コナン』のアニメには、時折シュールな笑いを引き起こすアニオリ回があります。次のエピソードは、登場キャラが濃い・とんでもない犯行動機・ぶっ飛んだシナリオなどでカオスといえるような回となっています。
●「被害者の倒れ方」が謎シチュエーションすぎる……第961話「グランピング怪事件」
遺体の手にメモが握らされているのはありがちですが、なんとこのエピソードの被害者は口にカニの足をくわえたうえ女装しており、顔には幼稚な落書きレベルのメイクがされた状態で発見されます。これは『名探偵コナン』史上1、2を争う衝撃的な姿でした。
なぜこのようにおかしな姿になってしまったかというと、被害者とグランピングに来ていた3人の同行者が、遺体を発見したときに罪のなすりつけ合いをしたためです。
しかも、その行動にいたった考えは「シェフの犯行に見せるため、口にカニを入れておこう」「メイクアップアーティストの犯行に見せるため、顔にメイクしておこう」「妻の犯行に見せるため、犯人は嫁と書いたメモを握らせておこう」というレベル。
それに対してはさすがのコナンも、「人1人亡くなってるんだぞ」と視聴者を代弁するかのような冷静なツッコミを心の中でつぶやいています。
犯人は被害者と不倫関係にあったメイクアップアーティストの20代女性です。動機はカニが原因で、被害者にフラれたことによる腹いせでした。
アレルギーでカニは食べられないという被害者に、犯人がむりやりカニをすすめた……というか、顔面に投げつけたことで2人は破局してしまいますが、逆恨みもいいところです。
そんな容疑者の口からは「私たちの仲を引き裂いたカニ」というパワーワードまで出る始末。犯行方法もカニ入りクッキーを食べさせ、アナフィラキシーショックを起こさせるという常軌を逸したものでした。被害者がカニアレルギーだと知らなかったといって逃げ切るつもりだったようですが、さすがにクッキーにカニを入れる不自然さは、不倫関係が明らかになれば確実に疑いをかけられるでしょう。
衝撃的すぎる遺体の姿、マヌケすぎる動機や犯行方法もサブタイトル通りまさしく「怪事件」。最終的には解決に至りますが、被害者が女装をしていた理由だけは最後まで不明という微妙にモヤモヤの残る回でした。
●ウソみたいな証言からはじまる事件? 第1089話「天才レストラン」
謎の老人の「オムライスの死体を見た」というあまりにぶっ飛びすぎた証言が飛び出すインパクト大の回です。
コナンはその老人にしつこく追いかけられ「聚楽大」というレストランにたどり着くのですが、そこはコナンが蘭と過去に来たことのあるお店でした。そしてのちに、この老人こそが「聚楽大」のシェフだったことが発覚します。
このレストランの特製お子さまランチをコナンが、「お子さまランチはしょせんはお子様ランチ」だと批判し食べなかったことがきっかけで、シェフはプライドを傷つけられました。この一言でなぜかシェフの腕が落ちて廃業になってしまったという過去があり、コナンに復讐をしようという魂胆です。
犯行の手口や動機がハチャメチャなのもさることながら、「聚楽大」のシェフがお子様ランチのかぶりものをしていたり、スタッフたちもスプーンのかぶりものをしていたりと視覚的にも強烈なインパクトがあります。
そしてきわめつけにこのエピソードは、すべてコナンの見ていた夢だったことが発覚して幕を閉じます。どうりで風邪をひいたときに見る夢のような内容だったわけです。
この回の放送時は過去一のカオス回としてネットで話題になり、Xでは「オムライスの死体」がトレンドワードにもなるほどでした。
詳しく読む⇒「女装姿でカニの足をくわえた被害者」がいたってマジ!? 『名探偵コナン』のカオスすぎる4つのアニオリエピソード
〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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