『ドラえもん』には、実はジャイアンの趣味が女の子じみたものだったりと、驚きの裏話があります。一見、清純に見えるドラミちゃんですが実は……。また、倫理に反するひみつ道具も存在し、現代の世の中では物議を醸すモノもあります。
◆『ドラえもん』忘れられた意外な設定
『ドラえもん』は長寿作品であるため、さまざまな設定が忘れられているのも仕方がないこと。あまり知られていない意外な設定には、どのようなものがあるのでしょうか?
●ドラミちゃんには「何人もの彼氏」がいた
ドラえもんの妹のドラミちゃんには、公式設定で彼氏がいることが明かされています。しかも、その相手は1人だけではありません。
そんなモテ女子のドラミちゃんのお相手の中でも、知名度が高いのはドラ・ザ・キッドでしょう。
ドラ・ザ・キッドはゲーム『ドラえもん 友情伝説ザ・ドラえもんズ』の中でドラえもんの友人の1人として登場し、その後も映画『ザ☆ドラえもんズ シリーズ』などの作品でも人気のキャラクターとなりました。
アメリカ出身で、好物はケチャップとマスタードをかけたどら焼き。職業は保安官代理で、特技は射撃や投げ縄……といった、アメリカンな猫型ロボットです。
普段は恥ずかしげもなく歯が浮くようなセリフを口にするプレイボーイですが、ドラミちゃんに対しては「へちゃむくれ」と言ってからかう一面もあります。
ドラ・ザ・キッドの告白のシーンはないものの、映画『ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?』では、ドラ・ザ・キッドが「言っただろ? お前だけは絶対に守るってな」とドラミちゃんに言うシーンがあり、ラストシーンでもお互いに見つめ合いながら頬を染めています。
このように、90年代のアニメではドラ・ザ・キッドがドラミちゃんの彼氏としてほのめかされていますが、『ドラえもん』を原作とする方倉陽二氏の漫画『ドラえもん百科』では、別のキャラクターがドラミちゃんのボーイフレンドとして登場しています。
この本では、毎日デートに誘いにくる隣人「まねき君」、ロケットでドラミちゃんに会いにくる「なり金君」、いつもニコニコ笑顔の「ポテト君」、そしてスターの座を捨ててドラミちゃんのボーイフレンドになった人間顔のイケメン「ペルシャ君」の4人のボーイフレンドが明らかされています。
●ジャイアンは「おままごと」が好き
ガキ大将という言葉を体現した性格のジャイアンですが、彼には周りに秘密にしている意外な趣味があります。それは「おままごと」です。
おままごとといえば、一般的には女の子が好きな遊びとされがちです。ジャイアン自身もそう感じているのか、『ドラえもん』の漫画第5巻「おしかけ電話」では、ドラえもんにおままごとをしている姿を見られ、ほかの人には言わないようにと、どら焼きを渡して口止めしています。
普段なら顔を真っ赤にして目撃した人を追いかけ回すジャイアンが、賄賂を渡してしおらしくしていることから、人には知られたくない大切な趣味であることがうかがえます。
また、おままごとをして遊ぶジャイアンの部屋には、子供用のおもちゃのキッチンやテーブル、かわいらしい人形などの本格的なおままごとセットが並べられていました。
はたして、これは妹のジャイ子に借りたものなのか、それともジャイアンが買ってもらったものなのか……。
普段はガキ大将として振る舞っているジャイアンの、隠された素顔が垣間見えるひとコマです。
詳しく読む⇒ジャイアンが「おままごとが好き」ってホント?『ドラえもん』忘れられた4つの意外な設定
◆危険なひみつ道具
22世紀の技術で作られたひみつ道具は、便利で面白いものばかりと思いきや、使い方を間違えると大変なことになるものもたくさんあるようです。
●悪魔のパスポート──ドラえもんの知られざる所持理由
悪魔のパスポートは、なんらかの悪事を働いたとき、相手にこのパスポートをかざすだけで、罪を許されてしまうというものです。
てんとう虫コミックス13巻でのび太はこの道具を悪用。ママの財布からおこづかいを無断で前借りしたり、カンニングやスカートめくりをしたりと、思いつく限りの悪行をします。
しかしもともと心根のやさしい少年なので、のび太は自主的にドラえもんに返し、取り返しのつかない事態にはなりませんでした。
ドラえもんは作中で、言い訳っぽくこの道具を処分し忘れていたと発言しています。22世紀の未来では、悪行をいくらでもできてしまう道具を、子守り用ロボットが持ち歩いて問題ないのでしょうか。そもそも、何のためにドラえもんがこの道具を持っていたのか疑問です。
『続ドラえもん全百科』でドラミは悪魔のパスポートについて、「冤罪を晴らすためだけに使うこと」と説明しています。ドラえもんは何か冤罪をかけられる心当たりがあったのでしょうか。
もしくは過去に干渉して、のび太の未来を変えることで、タイムパトロールに捕まえられる危険性を考えて持っていたのかもしれません。
●どくさいスイッチ──ひみつ道具による教育的指導
どくさいスイッチは、スイッチを押すと気に入らない相手を消すことができるというシンプルなひみつ道具です。
たんに消えるわけではなく、はじめからこの世界に存在していなかったことになる道具で、のび太がジャイアンを消したことをしずかちゃんに告げたときも「ジャイアン? 誰のこと?」という反応でした。
のび太はジャイアンを消したあとも、いじわるをしてきたスネ夫を消し、良心がとがめて悪夢を見た末に「誰もかれも消えちゃえ!」とどくさいスイッチで、全人類を消してしまいます。
静かになった町をタケコプターで飛んで人を探すのび太でしたが、誰も見つけることはできませんでした。はじめのうちは漫画やお菓子を独占して一人の世界を満喫しますが、夜になっても明かりがつきません。
発電施設を動かしている人たちもまた自分が消してしまったのだと気づいて、のび太は改めて1人では生きていけないことを知ります。
するとどこからともなくドラえもんが登場。どくさいスイッチは、身勝手な独裁者をこらしめるために作られたひみつ道具であることを明かします。
ドラえもんが消えていなかった理由は明言されていませんが、どくさいスイッチの用途が元々教育的なものなので、監督者であるドラえもんには例外的な効果が出るものだったのかもしれません。
詳しく読む⇒『ドラえもん』4つの危ないひみつ道具 「これはヤバいクスリ?」「地球が滅ぶきかっけに!?」
〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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