25周年を迎えるTVアニメ『おジャ魔女どれみ』のアニバーサリーイヤーを記念して新作映像、そして“その先”があるかもしれないことが発表されました。

 今月に開催された「AnimeJapan 2024」で、「おジャ魔女どれみ25周年新作映像おひろめ発表会」が行われ、当時のキャストやファンが見守る中、シリーズ第1弾のオープニングテーマの「おジャ魔女カーニバル!!」に合わせて新作映像が公開されました。

 本編などではなくミュージックビデオのような形態で発表されたこの新作映像は今後の『おジャ魔女どれみ』シリーズの展開を担う重要な作品となっているようです。

◆新作映像『おジャ魔女どれみ1620’s』はどんな狙いがあったのか?

 このたび発表された新作映像は『おジャ魔女どれみ1620’s』と題した、これまでのシリーズとは異なる『おジャ魔女どれみ』として作られた映像です。

 おなじみのどれみたちの姿に加えて、ディフォルメされたデザインの姿やどれみ達が成長した姿。そしてそんなどれみ達が音楽に合わせてダンスを踊る様子など、短い映像の中にいくつもの要素が詰め込まれています。

 これだけ密な内容となっているのは、往年のキャラクター達の姿と新しい姿を観てもらいたいことに加えて、今後の展開をTVアニメにしていくのか、映画にしていくのかなどの具体的な方針はまだ決まっておらず、今回の反響によって製作していくという意図があってのもの。かつてのファンであったり、新たにどれみを知った人たちが今回の映像に対してどんな反応をしていくのかが続編の行方を決めることになるわけです。

 たとえば、ダンス要素が加わっているのは、昨今のTikTokなどのダンス動画をきっかけにブームが火が付く例を意識してのものなのは明確。今回起用されている「おジャ魔女カーニバル!!」という曲自体も、放送以降もたびたびネット上ではミーム的にダンス曲として使用されてきた曲であり、今回は満を持して公式からの振り付けが発表されたわけです。

 ていねいにメンバー別の振り付け映像も追って発表していったりと「ぜひ踊ってほしい」という公式からのメッセージとして受け取れます。

◆なぜはっきりとした新作企画が具体的に動き出さないのか?

 一方でなぜ新作映像の反響をうかがうような“実験的”な内容になったのかは、『おジャ魔女どれみ』という作品が続編を製作するのが難しい作品だからです。

 まずは年齢設定の問題があります。TVアニメシリーズはシリーズを追うごとにキャラクターたちの学年が上がっていくので、当時のキャラクターデザインに合わせるとどのシリーズに合わせて作るのかや、新作映像なのに過去のエピソードを作るような形になってしまいます。

 そんな年齢設定の壁を超える方法として、TVアニメシリーズ以降の中学生以降のエピソードを描くという方法もあるでしょう。ただし、これに関しても実はすでに小説として続編が書かれているので勝手に描きにくいという問題があります。

 この小説版では高校生となってからのどれみたちの様子を描いていき、その年齢に合わせて『おジャ魔女どれみ16』、『17』、『18』、『19』とタイトルの数字が増えていき、唯一年齢に合わせたタイトルではないのですが『おジャ魔女どれみ20’s』という最終巻が刊行されています。

 つまり新作映像は『おジャ魔女どれみ1620’s』というタイトルからも分かるように“『おジャ魔女どれみ16』の内容を映像化するのはどうでしょうか”という公式サイドからの問いかけとも受け取れます。実際に今回発表された映像の中で子供たちを引き連れたどれみの姿は、教師を志していくという小説版の内容を踏まえたものとなっています。

 ただし小説版はどれみたちが抱える悩みや課題も年相応のものとなっていてTVアニメシリーズよりもシリアスな内容となっています。そういった意味でもこれまでのアニメシリーズとはテイストが変わってしまうかもしれないという不安点からか、映像化には慎重になっているのかもしれません。

 

 慎重である証拠におジャ魔女どれみ20周年記念作品として制作された映画『魔女見習いをさがして』は、作中のキャラクターたちの物語ではなく、TVアニメ『おジャ魔女どれみ』を小さい頃に観ていた主人公たちのドラマを描くという変則的な内容となっていました。

 制作サイドもいかにして『おジャ魔女どれみ』の次の新作を作るのかはかなり悩んでいるのでしょう。だからこそ今回の映像などもふまえて「こうして欲しい」という意見があれば声をあげてみたり、意見を送ってみてもいいかもしれません。そういったムーブメントが『おジャ魔女どれみ』の今後の指針をはっきりとさせていくことになるでしょう。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『東映アニメーション公式YouTubeチャンネル』より

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