TVアニメ『葬送のフリーレン』が、間もなく最終回を迎えようとしています。このアニメは第1話が放送された時から話題が尽きず、続編の放送へも期待が高まっています。2期が放送される可能性はあるのでしょうか?

◆TVアニメ『葬送のフリーレン』の2期が放送される可能性は?

 TVアニメ『葬送のフリーレン』の2期が放送される可能性は、極めて高いといえます。

 続編が放送されるには原作の売上やBlu-ray・DVDなどの関連グッズの売上に加え、最近では動画配信サービスでの視聴回数が関係していると言われています。

 このアニメの原作の売上は、アニメの放送から約2ヵ月で約700万部増え、累計1700万部突破しました。わずか約2ヵ月で700万部も増えるのは並大抵のことではありません。また、売上以外にも、本作は「第69回小学館漫画賞」を受賞して話題性もバッチリです。

 動画配信サービスでは、たびたび視聴ランキング1位に輝き、多くのファンを惹きつけています。さらに、アニメが放送されるとたびたびSNSで関連ワードがトレンドに入り、リアルタイムでも多くの人が視聴しているようです。

 これらの人気ぶりや話題性を考えると、続編が放送される可能性は高いでしょう。しかし、このアニメはとある課題を抱えているため、2期が放送される場合はかなり先になると考えられます。

◆第2期の制作へ向けて抱えている課題とは?

 このアニメが2期の制作へ向けて抱えている課題とは、原作のストックがたまっていないことです。

 まだアニメが完結しているわけではないのではっきりしていませんが、アニメはおそらく一級魔法使い試験編が終わる原作7巻第60話あたりまで描かれるでしょう。

 20243月時点でこの漫画は12巻まで発売されているので、ストックは残り約5巻分です。全2クールで7巻までアニメ化されることを考えると、残り5巻分というのは心もとないでしょう。

 また、この漫画は休載が多いことも懸念材料の一つといえます。2023年の4月発売号では無期限の休載が発表され、約5ヵ月間の休載をしたことがありました。ほかにも長期間の休載をしたことがあり、今週発売された『週刊少年サンデー』では約1ヵ月の休載が発表されています。

 休載の理由については発表されていませんが、もし、理由がスケジュールの調整だとすると、アニメ化されてさまざまな企画が発表されている今がもっとも多忙なハズ。この先、どんどん休載が続いてもおかしくありません。そのような状態が続くと、ストーリーの進行が遅れて、より原作のストックがたまらなくなっていくでしょう。

◆分割2クールなら早く放送できる可能性も……? 

 しかし、ストックが5巻分あるなら、近年に増え始めた分割2クールでの放送なら、1クール目を早く放送できるかもしれません。

 分割2クールとは、2クールのアニメを一挙に放送するのではなく、1クールごとに分けて放送する方法です。最近では、『SPY×FAMILY』や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』がこの方法で放送されました。

 分割2クールなら1クールごとに分割して放送することで休息期間ができて、作品の質を保てるといったメリットがあります。このアニメは作品の質が高いことでも注目を浴びているので、この方法なら第1期と同様のクオリティーを期待できるでしょう。

 しかし一方で、分割2クールで制作する場合、どこで1クール目を区切るかが難しい問題です。

 このアニメは、一級魔法使い試験編の後に、短編やルーフェン地方の討伐依頼などのほか、黄金郷のマハト編やタイムスリップ編などの長編が控えています。

 中でもファンから絶大な人気がある大魔族のマハトとの戦いを描いた「黄金郷のマハト編」は、区切らずに放送したいところです。

 しかし、この話は原作9巻第81話から11巻第104話にかけて描かれており、7巻の途中から11巻の途中までを1クールで描ききれるか不安があります。さらに、人気がある話なだけに、急ぎ足で描くのではなく、じっくり描きたいといった考えもあるでしょう。

 2期の放送は、「黄金郷のマハト編」をどのように描くのかによって、クール数や放送のタイミングが変わってくるのかもしれません。

◆「黄金卿のマハト編」は映画化を期待するファンも……

 そんな人気がある「黄金郷のマハト編」は、中には「テレビではなく映画で観たい」と期待の声を寄せるファンもいます。

 確かに「黄金郷のマハト編」は大魔族とのバトルシーンが多いため、映画なら迫力満点のバトルシーンが描かれて盛り上がることは間違いないでしょう。また、アニメの場合は1週間ごとに放送されるためにどうしても時間が空きますが、映画なら初めから終わりまで間を空けずに観られます。

 しかし一方で、アニメでじっくり観たいというファンの声があるのも確かです。「黄金郷のマハト編」はボリュームがある話のため、映画の約2時間という枠で描くには、コンパクトにまとめなければなりません。ファンのなかにはまとめるよりかは、じっくりていねいに描いてほしいという考えもあります。

 映画化に期待するファンの声もアニメでの放送を望むファンの声も、どちらの声も分かるだけに、どのような媒体で放送するのかは難しい問題といえるでしょう。

 

 ──このように『葬送のフリーレン』は、話題性や人気が高いことから第2期が放送される可能性が極めて高いでしょう。しかし、同時に原作のストックや休載といった課題もあり、いつ放送されるのかは難しい問題です。第2期の放送については、公式からのいち早い情報を待つしかないでしょう。

〈文/林星来 @seira_hayashi

《林星来》
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。

 

※サムネイル画像:Amazonより


アニメ『葬送のフリーレン』公式サイト
© 山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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