不気味かわいいキャラクターで2000年代に人気を博したアニメ『グレゴリーホラーショー』が、新たなアニメーション制作に向けてクラウドファンディングを開始しました。
4月11日午前10時(日本時間)に「グレゴリー・ホラー・ショー」のダブル・クラウドファンディング・キャンペーンを開始します!「グレゴリーホラーショー」をもう一度復活させるため、皆様のご支援をよろしく願いします!また、この情報を広めていただけると嬉しいです!https://t.co/Hd0I9Exdq4 pic.twitter.com/E6usua5zH2
— naomiiwata (@iwatanaomi) April 10, 2024
当時は深夜帯のわずかな放送枠での放送でありながらも高い視聴率を獲得し、文房具のオマケや漫画・ゲーム化などのさまざまな領域で活躍していた作品だったのですが、2010年代以降はあまり目立った活躍をしていませんでした。
『グレゴリーホラーショー』は今、どんな活動をしようとしているのでしょうか。
◆このままでは終了の危機を迎えていた? 2023年に始まっていたクラファン企画
放送当時こそメディアの枠を超えて活躍していた『グレゴリーホラーショー』でしたが、この作品の原作者であり、キャラクターデザインや監督を務めていたイワタナオミさんは、2023年に行ったクラウドファンディングで“このまま何もしないでいればグレゴリーホラーショーは終わってしまう”と述べています。
イワタナオミさんといえば『グレゴリーホラーショー』だけでなく『ペコラ』『ミッドナイトホラースクール』など、キューブ状のキャラクターデザインが特徴的なシリーズを数多く世に送り出してきたクリエイターです。
それだけのヒットメイカーでも、ヒットのハードルが高いオリジナル作品で、制作費が高い3DCG作品にはなかなかスポンサーが付きにくく、個人でも新展開を実現するのが難しいと述べています。その理由を踏まえるとこのままでは“終わってしまう”の発言の重さがより分かります。
そこで去年に行われたクラウドファンディングが“『グレゴリーホラーショー』のキャラクターと世界観のアクションRPGを作る”という目的のクラウドファンディングでした。ゲームというきっかけから新たなファンの獲得をし、最終的には映像やグッズ化など作品ブランドの復活を目標としたものです。
このクラウドファンディングは去年の5月〜6月の約ひと月半にかけて支援を募集していたのですが、目標の500万という当初の金額を大きく上回る2000万円以上の支援が集まる大成功を果たしました。
グレゴリーホラーショーのクラウドファンディングは、2000万円達成という、最高の形で終了しました!
たくさんのご支援と応援ありがとうございました! pic.twitter.com/G9iFZUFRUf— naomiiwata (@iwatanaomi) June 30, 2023
◆ついに動き出した新プロジェクト!今度はアニメーション制作へ!
昨年のクラウドファンディングの大成功を経て、今年はさらにゲームとアニメーションの2つのメディアに向けた新たなクラウドファンディングを4月12日からスタートしました。
「グレゴリー・ホラー・ショー」のダブル・クラウドファンディング・キャンペーンが本日公開しました!ゲームとアニメ、グレゴリーの復活のためには両方の成功が必要です!皆様のご支援をよろしく願いします!また、この情報を広めていただけると嬉しいです!https://t.co/Hd0I9Exdq4 pic.twitter.com/no9I3nE5fg
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まずは去年のクラウドファンディングに成功したゲームの追加支援のキャンペーンとして、英語版の制作とより多くのキャラクターの登場のための支援を募集しています。
ゲームジャンルをアクションローグライトに改め、タイトルは『グレゴリーホラーショー・ソウルオブローゼス』にするなどより具体的な情報も明らかになり、企画が進行していることも明らかにしています。
そして、今回のクラウドファンディングではより具体的な新作アニメーション企画に関する支援の募集もあわせて行われます。
『グレゴリーホラーショー・ヘルズレストラン』と題して、作中でも初期から活躍する人気キャラクター“地獄のシェフ”を主人公としたシリーズが計画されており、今回はその企画書とパイロットフィルムの制作を目的とし支援を募ります。
今回のクラウドファンディングの目標金額は日本円にして約2000万円。目標を達成できればパイロットフィルムが制作されるわけですが、目標金額を超える支援があれば、登場キャラクターを増やすなどのパイロットフィルムのグレードアップも発表されています。
◆果たして成功できるのか?新クラウドファンディング企画
気になるのはこのクラウドファンディング企画が成功するのかどうかですが、前回は目標金額の4倍を超える支援があった一方で、今回はその大幅に超えた支援金額が目標数値に設定されています。
前回と同じように支援があれば成功できるのでしょうが、プロジェクトスタート時点ではまだ約150万円ほどの支援が集まるのみで、さすがにクラウドファンディング開始から即目標達成とはいかなかったようです。
とはいえ、今回のクラウドファンディングは海外ファンに向けて間口を広げ、世界最大級のクラウドファンディングサイトであるキックスターターで行われています。前回よりもより海外からの支援を獲得しやすくしていることから対象人口の多さを考えれば、前回以上の結果を期待できそうです。
クラウドファンディングの終了は日本時間で5月12日の18時頃予定。果たしてこの募集は成功するのか。成功するならどれだけの支援を獲得できるのか。『グレゴリーホラーショー』の新たな挑戦が始まっています。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『イワタナオミ』より