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 モビルスーツ用の武器なのに、サイズ感がほとんど別物です。『ガンダム』シリーズには、機体全長の大半を占めるメガ・ビーム砲や、30メートルを超えるビームサーベルなど、扱うだけで大仕事になりそうな巨大兵装が登場します。なぜそこまで大きくなったのか、規格外の武器たちを振り返ります。

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◆デンドロビウムの90メートル級メガ・ビーム砲 機体の6割を占める規格外サイズ

 武装の大きさを語るのであれば、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』から、ガンダム試作3号機ことデンドロビウムのメガ・ビーム砲は外せません。

 まず、デンドロビウム自体モビルスーツというよりも、武器庫にモビルスーツが組み込まれているという表現が正しい超巨大な機動兵器です。本機はプラモデル『1/144 GP03S 1992』の説明書によると、本機はモビルアーマーに対抗するために開発されました。一年戦争時、ジオンが運用したモビルスーツを遥かに凌ぐ巨体を持ったモビルアーマーは、連邦軍には脅威として映っていたようです。

 戦後、これに対抗し得る機体の開発が求められたのは、自然な流れだったといえるでしょう。ただ、モビルアーマーはその小回りの効かなさから、接近戦に持ち込まれた際、不利になるケースもありました。

 その欠点を補うため、開発陣はモビルアーマーに、モビルスーツの要素を組み込むことを思いついたのです。結果、本機はモビルスーツとモビルアーマーが融合したような機体として完成しました。

 結果、機体の大きさはモビルスーツの範疇に収まらないほど巨大化しています。書籍『ガンダムモビルスーツバイブル 31号』(出版:デアゴスティーニ・ジャパン、2019年11月26日出版)によると、デンドロビウムの全長はなんと140メートル。

 当然兵装も巨大化しており、プラモデル『HGUC 1/144 ガンダムGP03 デンドロビウム』の説明書によると、メガ・ビーム砲の全長はおよそ90メートルにも及びます。つまり、機体全長の6割ほどはメガ・ビーム砲が締めているということです。

 ちなみに、作中の描写を見る限り、クロー・アームで展開するビーム・サーベルも、抜刀状態ではメガ・ビーム砲並みの大きさを誇っています。

◆30メートル超えのビームサーベル? アンカーが振り回した巨大兵装イカリマル

 基本的にモビルアーマー用に開発された兵装は、モビルスーツが扱うには手にあまるほど巨大になりがちです。漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST』にて、主人公機アンカーが装備していたイカリマルもその一つ。

 大型の錨を思わせる見た目をしたビームサーベルで、本体の大きさはモビルスーツの全長よりもやや小さい程度となっています。ただ、注意すべきなのは、イカリマルの本体はあくまでビームサーベルの柄の部分にすぎないということです。

 『クロスボーン・ガンダムDUST』6巻によると、サーベルを最大展開した際の全長はモビルスーツを遥かに超える大きさで、30メートル以上に達するとされています。ちなみに、本兵装は40メートル級の大型モビルスーツ用に開発されていた武器で、作中では海底に拠点を置いたムーン・ムーンが発掘した、ムラサメことサイコ・ガンダム用に用意されていました。

 そのため、モビルスーツが扱うことは想定されていませんが、内蔵された大容量のコンデンサーとスラスターを駆使すれば、18メートルしかないアンカーでも容易に振り回せます。また、スラスターを利用して通常時より素早く動いたり、敵に向かって突撃したりと、さまざまな用途に使えます。

 ちなみに、サイコミュ兵器の側面もあるようで、ニュータイプ能力が高いものが使うと、手元から離しても操作できるビットとしても使用可能です。ただ、アンカーのジェネレーター出力ではサーベルを完全に展開するのは難しく、当初はビーム発生機の周りにしか刃を形成できていませんでした。

 しかし、後にアンカーV3へと改修されるとジェネレーターの問題が解決され、巨大なビームサーベルを展開できるようになっています。なお、ビームサーベルを展開しない省エネルギーモードでも、ヒートサーベルとしても使用できるようです。

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◆全長64.4メートルの水中用ビーム砲 ガンダム3機分の兵装はなぜ生まれた?

 モビルスーツ用に開発されたにも関わらず、モビルアーマー並に巨大化してしまった武装もあります。それが漫画『MS IGLOO 603』に登場する、ジオンの試作兵器水中用ビーム砲です。

 書籍『機動戦士ガンダム MS IGLOO Mission Complete』(出版社:竹書房、2009年12月22日出版)によると、本機は水中でのビームの発射を目的に開発された兵装とされています。仕組みとしてはビーム射出前に超小型のパイロットブレッドを射出し、水中に気泡で航路を作り、その航路の中にビームを通すという手法が用いられているようです。

 ただ、さまざまな機構を盛り込んだ結果、とんでもなく大型化しており、その全長は64.4メートルとガンダム3機分にも匹敵する大きさになってしまいました。ちなみに、機体へ電力供給するサブシステムもモビルスーツ並みの大きさを有しています。

 そのため、一応モビルスーツで運用する兵器にも関わらず、エーギル自体にも独自の推進システムが設けられました。ただ、大型化した分性能は高く、有効射程は2,000メートルにも及びます。

 ちなみに、水中用装備にも関わらず、ジオンの水陸両用モビルスーツは基本的にクローを採用しているため、こうした指を必要とする兵装の運用には適していません。そこで、本兵装を運用する際には、ザク・マリンタイプが実戦へ投入されました。

 

 ──『ガンダム』シリーズに登場する巨大兵装は、扱いやすさだけで見れば決して合理的とは言い切れません。90メートル級のメガ・ビーム砲、30メートルを超えるイカリマル、全長64.4メートルの水中用ビーム砲。いずれもモビルスーツ用という枠をはみ出すほどのサイズですが、その大きさには戦局を変えるための火力や、特殊な運用目的が込められていました。

 もちろん、巨大であるほど取り回しは難しくなり、ときには本末転倒に見える仕様もあります。それでも、常識外れのサイズと破壊力にロマンを感じてしまうのも『ガンダム』らしさです。実用性と無茶の境界線にある巨大兵装こそ、ファンの記憶に残り続ける魅力なのかもしれません。

〈文/北野ダイキ(ガンダム担当ライター)〉

《北野ダイキ》

『Real Sound』などで、アニメ・漫画を中心に執筆するライター。『アニギャラ☆REW』では、『ガンダム』シリーズの宇宙世紀作品をはじめ、モビルスーツの設定、外伝作品、関連書籍などを踏まえた解説記事を担当。定番の人気機体からマニアックな機体まで幅広く取り上げ、作品を見返すきっかけになるような情報整理を得意としている。

 

※サムネイル画像:バンダイ ホビーサイトより 『「HG メカニクス 1/550 RX-78GP03 デンドロビウム」 (C)創通エージェンシー・サンライズ』

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