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※本記事には複数の『ガンダム』作品のネタバレが含まれます。ご注意ください。

 主役機の物語は、最終回で終わっていないことがあります。『機動戦士ガンダム』のRX-78-2、カミーユが乗ったZガンダム、ジュドーのZZガンダムは、本編後に大破・放置・改修を経て、意外な形で語り継がれていました。外伝漫画や関連書籍をたどると、戦場を去ったはずの機体にも、パイロットの生き様を映すような“その後”が見えてきます。

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◆アムロの初代ガンダムはどこへ行ったのか 戦後も残った“伝説のデータ”

 いわずと知れた『機動戦士ガンダム』におけるアムロ・レイの愛機であるRX-78-2 ガンダム。本機は最終決戦となったア・バオア・クー戦で大破した後、コア・ファイターのみ脱出のために利用され、ほかの部分は投棄されました。

 その後の動向については、続編となる『機動戦士Zガンダム』や『機動戦士ガンダムZZ』では描かれていません。しかし、外伝作品などでは伝説のニュータイプ、アムロ・レイのデータが残る機体としてたびたび悪用されることがあります。

 漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』では、アムロが搭乗していたコア・ファイターは戦後とある場所に保管されていたと言及されていました。しかし、木星帝国軍の残党により、コア・ファイターは奪取されます。

 そして、搭載されていた学習型コンピューターに残された戦闘データを元に、アムロ・レイの戦闘パターンを学習したバイオ脳が作られました。作中ではアムロの戦闘パターンを学習したバイオ脳が駆るアマクサが登場。グレイ・ストークことジュドー・アーシタ、トビア・アロナクスすら圧倒しています。

 また、宇宙世紀から遥か未来を描いたアニメ『リング・オブ・ガンダム』には、アムロの遺産と呼ばれる RX-78-2に酷似した機体が登場。アムロが搭乗したガンダムと同一のもので、内部をアップデートしながら保管され続けてきたと言及されています。

◆Zガンダムは保存か、廃棄か 書籍ごとに分かれる数奇な行方

 『機動戦士Zガンダム』の主人公であるカミーユ・ビダンの愛機であるZガンダム。『機動戦士ガンダムZZ』でジュドーがZZガンダムへ乗り換えた後も、ルー・ルカが主に運用し、ガンダムチームの一員として活躍しました。

 最終決戦でクィン・マンサの攻撃を受け行動不能になったのち、アクシズ内部に放置されます。その後の動向については書籍によって大きく異なっており、小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』では、ガンダムの存在を恐れた連邦によって、永久保存という名目で管理されているとブライト・ノアが語っていました。

 また、書籍『マスターピース ゼータ・ガンダム』(出版:ソフトバンククリエイティブ、2006年9月30日出版)などでは、宇宙世紀0091年のリ・ガズィのロールアウト式典にて、リ・ガズィと並べて展示されていたと記載されています。同誌によると、アクシズでの大破後は消息不明となったが、アナハイム・エレクトロニクス社が回収したと言及されていました。

 一方、書籍『GUNDAM WEAPONS マスターグレードモデル Ζガンダム編』(出版:ホビージャパン、1996年10月1日出版)では、第一次ネオ・ジオン抗争後、連邦が機体を回収・調査を行なった後、スクラップにされて廃棄処分業社のスクラップ置き場に放置されたと語られています。

 そして、戦争から51年経って、サイド7・1番地コロニーのスクラップ置き場で、Zのスクラップが発見されました。多くのパーツが失われていましたが、モビルスーツ・コレクターのハンス・シュピーゲルによって復活プロジェクトが進められ、変形・飛行できるほどに復元され、クラシカルウォーミュージアムに収蔵されています。

 余談としては、書籍『機動戦士ガンダムF91 ニュータイプ100%コレクション18』(出版社:角川書店、1999年3月20日出版)によると、劇場版『機動戦士ガンダムF91』に登場する、ロイ戦争博物館にはZガンダムのレプリカが展示されているようです。

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◆ZZガンダムはなぜ生き残ったのか ジュドーと歩んだ長すぎる旅路

 『機動戦士ガンダムZZ』の主役ジュドー・アーシタの愛機であったZZガンダム。アニメでは最終決戦で下半身にあたるBパーツを失いますが、残された部分は帰還に成功しています。その後、ジュドーはジュピトリスに搭乗し木星へ旅立ちますが、ZZガンダムの残存部分もジュピトリスⅡに積み込まれました。

 書籍『ガンダムモビルスーツバイブル 30号』(出版社:デアゴスティーニ・ジャパン、2019年11月12日出版)によるとジュピトリスⅡ搭乗後は、ハマーン・カーンとの決戦で破損したBパーツとバックパックを新たなユニットで代替しているようです。

 本機はZZ-GRと呼ばれており、木星圏での作業を行なっています。

 OVA『GUNDAM EVOLVE../10』ではジュドーは本機に搭乗し、ジュピトリスⅡで船外作業していました。なお、作中ではリィナ・アーシタからプレゼントとして送られてきた、コア・ベース2号機に換装することで、ZZガンダム本来の性能を取り戻しています。

 書籍『ガンダムモビルスーツバイブル 30号』によると、その後は木星圏の高重力でも支障なく稼働したようです。

 以降は何度も改修を行い、数十年に渡って運用されました。ただ度重なる改修ですっかり見た目も変わってしまったため、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE』第1巻における、宇宙世紀0103年時点ではすでにガンプと改名されています。

 そして、宇宙世紀0136年ごろを描いた漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム外伝 スカルハート』や、宇宙世紀0153年が舞台の漫画『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』でも運用されていました。

 そして、『機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス』ではジュドーとともに、太陽系から4.2光年離れた恒星プロキシマ・ケンタウリに向けて旅立っています。

 

 ──RX-78-2ガンダム、Zガンダム、ZZガンダムは、いずれも本編の最終決戦で大きな傷を負った機体です。しかし、その後の扱いをたどると、たんなる兵器として処分されたわけではなく、それぞれが異なる形で時代の中に残されていたことが分かります。アムロの戦闘データは“伝説”として利用され、Zガンダムは保存、回収、廃棄、復元と複数の形で語られ、ZZガンダムはジュドーとともに長い時間を越えて運用され続けました。

 主役機のその後は、機体そのものの運命であると同時に、かつて乗っていたパイロットたちの生き方を映しているようにも見えます。戦場に残された機体、時代に管理された機体、新天地へ向かった機体。それぞれの行方を知ると、『ガンダム』の物語は最終回の先にも続いていたのだと感じられるのではないでしょうか。

〈文/北野ダイキ(ガンダム担当ライター)〉

《北野ダイキ》

『Real Sound』などで、アニメ・漫画を中心に執筆するライター。『アニギャラ☆REW』では、『ガンダム』シリーズの宇宙世紀作品をはじめ、モビルスーツの設定、外伝作品、関連書籍などを踏まえた解説記事を担当。定番の人気機体からマニアックな機体まで幅広く取り上げ、作品を見返すきっかけになるような情報整理を得意としている。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「機動戦士ガンダムⅡ」(出版社:KADOKAWA)』

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