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本記事には複数の『ガンダム』作品の内容が含まれます。ご注意ください。

 『ガンダム』の名機には、よく知られた主役機の陰で語られる“3号機”が存在することがあります。Zガンダムにはアムロ搭乗が示唆される3号機があり、初代ガンダムにも小説版やMSVで知られるG-3ガンダムが存在しました。さらにカミーユが奪ったガンダムMk-IIも、実は3号機です。1号機や2号機ほど表舞台には出なくても、3号機をたどると、名機の別の顔が見えてきます。

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◆Zガンダム3号機には誰が乗ったのか アムロを思わせる“白い機体”の正体

 『機動戦士Zガンダム』の主役機であるZガンダム。カミーユ・ビダンの愛機として知られる機体にも、実は3号機が存在しています。それが映画『ガンダム新体験 グリーンダイバーズ』に登場するZガンダム3号機です。

 本機に搭乗するのは、ホワイト・ユニコーンと呼ばれる人物ですが、その正体はアムロ・レイと考えられています。というのも、映画での担当声優がアムロと同じ古谷徹さんであること。さまざまなメディアで、ホワイト・ユニコーンをアムロとして扱っていることから、ほぼ確定と考えていいでしょう。

 漫画『機動戦士ガンダム ピューリッツァー ーアムロ・レイは極光の彼方へー』第3巻では、キッカ・コバヤシがアムロの軌跡を取材する中で、ホワイト・ユニコーンについてのインタビューも行っています。

 書籍『マスターピース ロールアウト MSZ-006 ゼータ・ガンダム』(出版:SBクリエイティブ、2008年1月25日出版)でも、3号機が配備されたのは「一年戦争の英雄であるパイロットの要望」と、アムロの存在が仄めかされていました。

 そんな3号機ですが、書籍『マスターピース ロールアウト MSZ-006 ゼータ・ガンダム』によると、元々予備機として用意されたと解説されています。

 1号機は、かの有名なカミーユ・ビダンが搭乗する機体で、2号機は性能評価試験として月面でテストを行ったあと、1号機の予備機として待機していました。3号機も2号機と同じく、当初は予備機として扱われており、組み立てず修理用部品としてフォン・ブラウン工場で保管されていたようです。

 その後、キリマンジャロの戦いでZガンダムの航空作戦能力が評価されると、カラバ航空部隊からZガンダムの配備が要望されます。そこで、部品状態の3号機が地球へと送られ、カラバ航空部隊の主力アウドムラへ引き渡され、実験飛行が行われました。

 しかし、評価試験が進行すると、Zガンダムの操縦性がピーキーすぎるため、ニュータイプかそれに相当する人物にしか使えないと判明。配備計画は頓挫したようです。

◆初代ガンダムの3号機・G-3とは何か アムロのもう一つの愛機説

 アムロ・レイ最初の愛機として知られるRX-78-2ガンダム。ジオンに「白い悪魔」と呼ばれ、恐れられたあの機体にも、実は3号機が存在しています。それが雑誌企画『MSV』で、正式に設定されたG-3ガンダムです。

 書籍『MSV THE FIRST』(出版社:双葉社、2018年11月21日出版)によると、元は小説『機動戦士ガンダム II』にて登場した、ガンダム3号機であるG3が原点となっています。

 G-3は機体各部にマグネット・コーティングが施されているのが特徴で、機体の反応速度が原型機より向上。反応炉用のレーザー加速器も新型に換装され、旧来の2倍の反応速度を獲得しました。

 そして、本機をテストベッドに、アムロのガンダムにマグネット・コーティングが施されたといわれています。ちなみに、『MSV』では小説版の設定を踏襲して、「3号機にアムロ・レイ少尉が乗り換えたとする説も根強い」と、小説版を匂わす書き方がされていました。

 小説版では『機動戦士ガンダム II』にて登場。前巻でRX-78-2を失ったアムロのために用意されました。駆動系の抵抗が減ったことで、120〜130%ほど機動性が良くなったとされています。

 作中ではエルメスのビット、メガ粒子砲、シャアのリック・ドムのビームバズーカに照準を向けられながら、これを的確に回避しビットを全機撃墜。そのままエルメスを撃破することに成功しています。しかし、ア・バオア・クーの戦いでは、ペガサスジュニアを脱出させようと気を逸らした隙を突かれて、ルロイ・ギリアムのリック・ドムに撃破されてしまいました。

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◆カミーユのMk-IIはなぜ3号機だったのか 奪取された試作機のその後

 『機動戦士Zガンダム』の前半主役機であるガンダムMk-Ⅱ。カミーユ最初の愛機として知られています。そんなMk-Ⅱですが、書籍『機動戦士Zガンダムを10倍楽しむ本』(出版社:講談社、1985年1月1日出版)によると、実は作中でカミーユが搭乗したのはMk-Ⅱの3号機だったのです。

 当初、ガンダムMk-Ⅱは3機が試作されていました。実際、アニメ劇中でも3機のガンダムMk-Ⅱが登場しています。そのうち、3号機は当初ジェリド・メサが搭乗しており、第2話では事故を起こしてビルに衝突していました。その後、回収されトレーラーに乗せられていたところを、カミーユに奪取されています。

 2号機はカクリコン・カクーラーが搭乗していましたが、カミーユの3号機に抑え込まれた後、コックピットから降ろされ、機体を持っていかれています。そして1号機は、エマ・シーンが乗っていた機体で、ティターンズから離反する際も1号機に搭乗していました。

 そして3機すべてがエゥーゴの手に渡ってからは、白く塗装された3号機だけが残され、残りの2機はパーツ取り用に解体されています。ちなみに、1機だけ残された理由としては、プラモデル『1/144 Gディフェンサー』の説明書にて解説されていました。曰く、エゥーゴがガンダムMk-Ⅱは生産ラインに乗せるほどの機体ではないと判断したため、再調整を行った後1機だけが残されたようです。

 

 ──Zガンダム3号機、G-3ガンダム、ガンダムMk-II 3号機は、いずれも本編の主役機ほど大きく語られる存在ではありません。しかし、それぞれにアムロとの関わりや、試験機としての役割、エゥーゴに奪取されたあとの運命があり、作品世界の奥行きを広げる重要な機体といえます。

 1号機や2号機が表舞台で活躍する一方で、3号機は設定や外伝、小説版の中で別の可能性を見せてくれる存在です。もしアニメ本編でより深く描かれていたら、どのような戦場を駆けたのか。そんな想像を残してくれるところに、『ガンダム』の3号機ならではの面白さがあるのではないでしょうか。

〈文/北野ダイキ(ガンダム担当ライター)〉

《北野ダイキ》

『Real Sound』などで、アニメ・漫画を中心に執筆するライター。『アニギャラ☆REW』では、『ガンダム』シリーズの宇宙世紀作品をはじめ、モビルスーツの設定、外伝作品、関連書籍などを踏まえた解説記事を担当。定番の人気機体からマニアックな機体まで幅広く取り上げ、作品を見返すきっかけになるような情報整理を得意としている。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『漫画「機動戦士Zガンダム」第3巻(出版社:KADOKAWA)』

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