<PR>
<PR>

※この記事にはTVアニメ・漫画『北斗の拳』のネタバレが含まれます。ご注意ください。

※本記事はTVアニメ・漫画『北斗の拳』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 ケンシロウの「北斗十字斬」が「北斗十字葬撃」に変更されている──。新作アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』第5話を見た多くの人は驚いたのではないでしょうか。確かに打撃技なので、この技名の改変は納得できます。

 このように新作アニメでは原作を忠実に再現しつつも辻褄が合わない台詞や技名を調整し、令和に合わせた表現にチューンアップしています。実はそこには原作でも描かれなかった、新たな発見があるのです。

<PR>

◆衝撃? シンは「闘気」を使っていた

 新作アニメ第5話で描かれたケンシロウとシンの因縁のバトル。衝撃だったのが、原作では披露されなかったさまざまなバリエーションのシンの技です。その中でも特に注目したいのが、やはり「南斗雷震掌」。

 ケンシロウにより劣勢に追い込まれたシンが、突如として腕を振り上げると、指先には紫色のエフェクトが集中します。そのまま「南斗雷震掌」と技名の掛け声とともに地面に腕を振り下ろすと、紫の斬撃が地を這うようにケンシロウを攻撃しました。

 実はこの技、2005年にセガが開発・販売した対戦型アーケードゲーム『北斗の拳』に登場するオリジナルの必殺技なのです。もちろん原作には登場しない技ですが、読者ならこれがどういった技か気づいたのではないしょうか。

 この技は「闘気」を放つ技なのです。闘気とは、真髄を極めた者だけが纏える“気(オーラ)”のことで、作中ではラオウが登場しないと出てこない設定でした。

 つまり、シンが「南斗雷震掌」を使ったということは、闘気を操れることと同時に、南斗聖拳の真髄を極めるほどの強者だった証明にもなります。新作アニメでのこの演出は、まさにシンをラスボス格の強敵として昇華させたといえるでしょう。

◆幹部の実力は伊達じゃなかった「ハート様」

 スペード、ダイヤ、クラブと並びKING四天王の一角を担うハート。シンがケンシロウとの決戦の場に呼んだことからも分かる通り、幹部の中でもとりわけハートを信頼していたことがうかがえるでしょう。そして、その信頼の源がハートの「強さ」だったことが新作アニメで分かりました。

 原作以上に強調された「強さ」は2つあります。まず、1つが外部の衝撃をすべて吸収してしまう「特異体質」。たとえば、激昂したハートを鎮めるために部下たちが一斉に棍棒を投げつける場面があります。

 原作では、その特異体質によって跳ね返しているだけでしたが、新作アニメでは柔らかい肉にめり込ませながら、跳ね返す位置を調整して正確にモヒカンたちに棍棒を弾き返していたのです。ハート様はもしかしたら、脂肪を操れる能力も持っていたのかもしれません……。

 そして、2つ目がラオウに匹敵する「パワー」。ハートがケンシロウのガードの上から平手で攻撃し、平衡感覚を奪うシーンは原作にもありました。しかし新作アニメでは、その後ハートの攻撃をケンシロウが全力でダイブしながら避けるシーンが加えられていたのです。

 これは、「こいつの攻撃はヤバい」と分からせるのに、これ以上ない演出だったといえるでしょう。実際、原作ではケンシロウがラオウの蹴りを片手でガードする場面が出てきますが、ダメージの描写を比べるとハートの攻撃はラオウの蹴りに勝るとも劣らない……。

 ちなみに、最後にケンシロウはハートの攻撃を受け止めていましたが、その時は両手で完全ガードしていたのです。防御でケンシロウに両手を使わせる時点で、もはや怪物クラスでしょう。

 「お前ではその男に勝てん」というシンの台詞は、結構本心から言っていたのかもしれません。

<PR>

◆「救世主」伝説の幕開けとなった瞬間

 原作のKING編ではシンが命を落としたあと、ケンシロウが彼の亡骸を抱きながら「同じ女を愛した男だからだ」と名言を残しラストを迎えます。しかし、新作アニメでは原作同様のラストを迎える前に重要な場面が差し込まれていました。それが、サザンクロスの奴隷たちの解放のシーンです。

 確かに原作では、KING軍に捕まった奴隷たちがその後どうなったか描かれなかったので疑問に思った人もいたかもしれません。奴隷解放のシーンは、そんな疑問を上手くすくって劇中に落とし込んでくれたことになります。

 ここでもっとも注目したいのは、解放された人たちが各々の村に帰っていく様子がきちんと描かれているところです。実は、この描写こそ『北斗の拳』という物語を表していたと考えられます。なぜなら作品オフィシャルウェブサイトで、「暴力が支配する世界となった世紀末に、ケンシロウが愛と哀しみを背負い救世主として成長していく」物語だと本作を解説しているからです。

 ケンシロウはこれまでも小さな村々を救ってきましたが、あくまでも略奪を阻止する程度でした。一方でサザンクロスは関東一円を支配する都市であり、広範囲の村々から住人たちが連行されていました。そして、彼らは労働力として奴隷のように「支配」されていたのです。

 新作アニメでは、そんな暴力に「支配」されている人々を、ケンシロウが初めて「解放」したと明確に描かれたことになります。そしてケンシロウは、シンとの戦いでユリアへの「愛」と失った「哀しみ」を知りました。

 つまり、オフィシャルサイトで解説された通り、サザンクロスの奴隷解放シーンが追加されたことは、ケンシロウが「救世主」へと成長する出発点だという意図があったのではないでしょうか。まさに、伝説の幕開けの瞬間を描いたのかもしれません。

 

 ──余談ですが、第5話では山寺宏一さんの恒例のナレーションに新規映像が追加されていました。なんと、シュケン、『蒼天の拳』に登場する霞鉄心や霞拳志郎、そしてリュウケンと歴代北斗神拳伝承者たちのシルエットが映し出されていたのです。そんな粋な演出からも製作陣の原作愛が伝わってくるのではないしょうか。

 今後どういった演出が追加されるのか、そういった視点で新作アニメを楽しんでみるのも面白いかもしれません。

〈文/fuku_yoshi〉

 

※サムネイル画像:アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』公式サイトより 『「北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-」第5話 場面写真 (C)武論尊・原哲夫/コアミックス, 「北斗の拳」製作委員会』

<PR>
<PR>

※タイトルおよび画像の著作権はすべて著作者に帰属します

※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

※無断複写・転載を禁止します

※Reproduction is prohibited.

※禁止私自轉載、加工

※무단 전재는 금지입니다.