『HUNTER×HUNTER』には、冨樫義博先生の好きが細かいところなどで見られ、それはネーミングセンスにも表れています。また、好きな芸能人をモデルにしたと思われる人物や念能力も作中で見られます。

◆冨樫先生の好きがあふれるネーミングセンス

『HUNTER×HUNTER』のキャラクターや組織の名前は、原作者の冨樫義博先生が好きなものからネーミングしていることも多いです。その中にはキャラクターの性格や念能力に関する秘密が隠されていたり、組み合わせると意味を持つものもあります。

●あの往年の名ギャグが由来──イックションペ

 一ツ星ハンターのイックションペ=カットゥーヂャは、加藤茶さんの「加トちゃんペ」とくしゃみの「ヘックション」のアナグラムとなっています。冨樫先生がお笑い好きなのは有名なので、往年の名ギャグから名前にしたのでしょう。

 お笑い芸人についてはウド鈴木さんに外見が似ているウッディー、バナナマンの日村勇紀さんがモデルと思われるマッシュルというキャラクターも登場しています。

 イックションペは廃人ゲーマーで、額に「Pe」の字が書かれた被り物をした電脳世界の住人です。加藤茶さんが長年芸能界で活躍するテレビの中の人ということで、電脳世界の住人という設定になっているのかもしれません。

●三大マフィアの名前を組み合わせると集英社

 カキン帝国の裏社会を牛耳る3大マフィアの「シュウ=ウ」「エイ=イ」「シャ=ア」は、『週刊少年ジャンプ』を発行する集英社から名づけられています。自身が連載している雑誌の出版社をマフィアの名前にするとは、なかなか肝が座った行為といえるでしょう。

 なお、これらの3大マフィアは、ナスビ=ホイコーロの実子が取り仕切っています。シュウ=ウ一家の組長はタマネギ状の頭をした老人で、その名もオニオール。シャ=ア一家の組長はブロッコリーアフロヘアの男で、名前はブロッコ=リーとそのままのネーミングです。

 ナスビ=ホイコーロ関係のキャラクターは、野菜をモチーフとした名前が多くなっています。なお、エイ=イ一家の新しい組長であるモレナの名前の由来は不明ですが、一応モレーナという植物は存在するようです。

 前述したように冨樫先生は好きな野球やお笑いから、名前を考えていることが多くなっています。そう考えると、集英社のことも大好きということなのかもしれません。

詳しく読む⇒集英社が「マフィア」に? 『HUNTER×HUNTER』冨樫先生の好きがあふれるネーミング4選

◆『HUNTER×HUNTER』に登場する有名人

HUNTER×HUNTER』には、有名人がモデルとなっていると考えられるキャラクターやシーンが登場します。その中には『アメトーーク!』や『イワクラと吉住の番組』で公式に認められたものも。特に冨樫先生が大好きなアイドルのネタは満載で、普通ならさらっと読み流してしまいそうな細かい所にも仕込まれています。

●念能力からダンスの振りまでネタが満載──櫻坂46&欅坂46

 第38巻ではブラックホエール号内の映画館に、女性の姿が描かれたポスターが飾ってあります。

 20231121日に放送された『イワクラと吉住の番組』において、冨樫先生は「作中のポスターは有美子さんを含む櫻坂46のメンバーを描いたもので間違いありません」と認定していました。このほかにも『HUNTER×HUNTER』には、欅坂46のネタも満載です。

 カチョウの守護霊獣の能力2人セゾン(キミガイナイ)は、能力名と読み方のいずれも欅坂46の楽曲タイトルとなっています。また、カミーラの念能力である百万回生きた猫(ネコノナマエ)は『猫の名前』から、11人いる!(サイレントマジョリティー)も同名の楽曲から名づけられたものです。

 また、ハルケンブルグが能力を発動するときに「不協和音」のポーズをしていたり、イルミが「ひらがなけやき」のポーズをしたりしています。晩餐会のステージでは、「語るなら未来を」の振り付けポーズをしていると思われる女性たちも。

 さらにブラックホエール号の第3層一般乗客エリアにはSRCL9041SRCL-9488が記載された看板があります。これは前者が「サイレントマジョリティー」、後者が「真っ白なものは汚したくなる」という楽曲の商品番号と同じです。

 冨樫先生の欅坂46好きは『週刊少年ジャンプ』の巻末コメントにもあふれています。渋谷で「ガラスを割れ!」を買ったことについて触れていたり、「スタッフの種花と申します。今週よりコメントの担当をさせていただきます!ど〈義博〉」とコメントしていたり。この種花とは欅坂46のプロダクションseedflower合同会社のことだといわれています。

●表紙の見開きやオマケページに登場──ケンドーコバヤシ&澤部佑(ハライチ)

 2018年524日放送の『アメトーーク!』の「HUNTER×HUNTER芸人」で、ケンドーコバヤシさんが単行本第23巻の「復讐」と書かれたパンツを履いているキャラは自分であると明らかにしています。股間のアップで顔は描かれておらず、あまりじっくり見ることがない表紙の見開きページの1コマだったこともあって、この事実に驚いたファンも多かったです。

 復讐パンツの絵とともに「大阪のTVおもしれぇ~~」という冨樫先生のコメントが添えられています。第23巻の第1刷発行が200638日となっており、この大阪のTV番組は『オールザッツ漫才2005!GO!GO」だろうといわれています。

 この番組で復讐パンツを履いたケンドーコバヤシさんが、結婚式の司会という設定でネタを披露しています。復讐パンツはネタには絡んでいないため、たむらけんじさんのお腹の文字「ティッシュがこの世にないと思うとゾっとする」「数の子の塩ぬきむずい」のような出オチの役割なのでしょう。

『オールザッツ漫才』は1990年から年末に、基本関西ローカルで放送されているバラエティ番組です。現在のようにTVerで観られないため、冨樫先生はインターネットの同時配信で視聴されたのだと思われます。

 また、第35巻のオマケページでは、ハライチの澤部佑さんがネタに。坊主頭のゴツイ男ビンセントが「澤部みたいって言われたんだぞ」「普通怒るだろ」と暴れており、「彼女はハライチの大ファンでほめ言葉のつもりだったとショックを受けている」となだめられています。

 ビンセントは坊主頭ではありますが、顔はそれほど澤部さんに似ているというわけではありません。そのため、このオマケページがなければ、彼がビンセントのモデルだと気付かなかった人も多いでしょう。

詳しく読む⇒「冨樫先生が大好きなアイドルネタ」や「あの芸人のマニアックネタ」も!『HUNTER×HUNTER』に登場する有名人4選

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

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