先日コミック第38巻が発売された『HUNTER×HUNTER』ですが、初登場のときと名前が異なるキャラが何人か存在します。これは、冨樫先生が忘れてただけなのでしょうか? それともワケありであえて名前を変えたのでしょうか? また念能力者の中には、念能力系統が意外だったキャラが何人もいます。変化系と思われていたゼノの念能力は実は……。

◆名前が改名されたモブキャラ

『HUNTER×HUNTER』では、初登場のときと違う名前で再登場しているキャラクターがいます。その理由は明言されておらず、作者の冨樫義博先生が忘れていて、再登場時に別の名前を付けてしまったのではないかと言われています。

 彼らの名前が変わったのは、果たして本当に作者に忘れられていただけなのでしょうか?

●モブキャラから大出世したマーメン=ビーンズ

 ネテロ会長の秘書をしている豆顔のキャラクターの名前は、旧アニメ(フジテレビ版)のクレジットや、公式ガイドブック『HUNTER×HUNTERハンター協会公式発行ハンターズ・ガイド』(2004年出版、出版社:集英社、以下、『ハンターズ・ガイド』)では、「マーメン」とされていました。

 しかし、のちに原作や、新アニメ(日本テレビ版)のクレジットでは「ビーンズ」に名前が変わっています。

 これに関してはネット上でも騒がれ、「作者が忘れていて別の名前を付けた」「本名がマーメン=ビーンズなのではないか」という考察がされていました。

 また、原作のカラー版やアニメで顔の色が変わっているので、「別人ではないか」という推測も出るほどです。

 真相が分からない時期もありましたが、これには公式から回答が出ています。日本テレビ版のアニメ放映開始後に、コミック総集編「HUNTER×HUNTER総集編 Treasure」が発売されました。

 こちらに掲載されている作品解説コーナーの名称が、「マーメン=ビーンズのハンターズ極秘FILE」となっています。また、『HUNTER×HUNTER バトルオールスターズ』などのゲームアプリでも、マーメン=ビーンズが正式名称として扱われていました。

 マーメンはモブキャラに過ぎませんでしたが、原作でビーンズという名前が出るのと同時に出番が増え、コーナーを任せられるほどに出世。正式名称が「マーメン=ビーンズ」になって画数が変わり、運気が上昇したのではないかと思わせる活躍ぶりです。

 しかし、最初からマーメン=ビーンズというお豆感いっぱいの名前だったのでしょうか。影が薄くて冨樫先生から忘れられており、違う名前を付けらえてしまった可能性も否めません。真相は謎のままです。

●記憶が戻って本来の名前に戻したキメラアントたち

 キメラアントの中にはレオルやメレオロンのように、途中で名前が変わったキャラクターがいます。この理由は作中でしっかり示唆されており、女王に食べられてキメラアントになる前の名前を思い出したためでした。

 それぞれハギャからレオル、ジェイルからメレオロンという本来の名前に戻しています。特にレオルは記憶を取り戻して以降、ハギャと呼ばれるとすごく怒ったそうですから、本来の名前に強い思い入れがあったようです。

 キメラアントになってライオンの姿になったレオル、カメレオンの姿になったメレオロン。親からこの名前を付けられた時点で、将来女王に食べられてキメラアントになる運命は決まっていたのかもしれません。

 このレオルの改名は、のちにイカルゴが操っていたフラッタが敵側だとバレるきっかけとなっています。

 ストーリーに上手く絡められていることからも、意図して変えられたものであることは間違いないでしょう。

詳しく読む⇒冨樫先生が忘れてただけ?それともワケあり? 『ハンター×ハンター』名前が改名された4人のモブキャラ

◆「念の系統」が予想外だったキャラ

 2022年から2024年に渡って3ヵ所で行われた「冨樫義博展 -PUZZLE-」。そこで公開された冨樫義博先生のメモをもとに作成された「念能力設定資料」(通称、冨樫メモ)には、念能力の系統が予想外だったキャラクターがいます。

 あまりの意外性にSNSでも多くの驚きの声が上がるほどです。そして、その中には『HUNTER×HUNTERハンター協会公式発行ハンターズ・ガイド』(2004年出版、出版社:集英社、以下、『ハンターズ・ガイド』)に掲載されていた情報と異なっているキャラクターもいました。

●変化形から放出系に変化したゼノ

『ハンターズガイド』で変化形の念能力者として紹介されていたゼノは、冨樫メモでは放出系になっていました。キメラアント編でゼノが放った龍星群(ドラゴンダイブ)は、完全に放出系の技です。

 変化形は、オーラの性質を変えることに長けています。そのため、クロロとの戦いで使っていた龍頭戯画(ドラゴンヘッド)と牙突(ドラゴンランス)は、オーラを刃状に変化させて敵を攻撃していると考えるのが合理的でした。

 そして、これらの技ではオーラを体から離していませんが、クロロ戦では相手の技を盗む能力を警戒して変化形だとミスリードさせようとしたのでしょうか。これに対して、龍星群(ドラゴンダイブ)は完全にゼノの体から離れています。

 それでいながら宮殿をボロボロにする威力です。そのため、放出系のほうがふさわしいとなったのかもしれません。

 ちなみに同じく『ハンターズガイド』で変化形と掲載されていたシルバも、冨樫メモでは放出系となっています。ゾルディック家は白髪のキャラクターが変化形、黒髪のキャラクターが操作系であると言われていました。

 しかし、冨樫メモを踏まえるとその法則は崩れてしまいます。ゼノとシルバが放出系になっていたことは、予想外だったファンも多いのではないでしょうか。

●爆弾を具現化しないのに具現化系の能力者ゲンスルー

 ゲンスルーは、一握りの火薬(リトルフラワー)を使った際に、爆弾を具現化していなかったことから、変化形の念能力者だという意見が多く見られました。しかし、冨樫メモでは具現化系の念能力者となっています。

 ゲンスルーは空気に触れると、発火・爆発する黄リンのような物質にオーラの性質を変えているという見解が多かったです。また、息をするようにウソをつく性格も、変化形の念能力者の特徴となっています。

 命の音(カウントダウン)は爆弾の威力を高めるための放出系、爆弾を同時に何十個も物質化する具現化系、相手に仕掛けて発動するための操作系がバランス良く使われている能力です。

 おそらく全力のビスケのパンチで死ななかったバラが放出系、サブは操作系でしょう。この2人はメモリのほとんどを命の音(カウントダウン)に割いているので、キルアたちとの直接戦闘では念能力の技を使えなかったのだと考えられます。

 威力を放出系のバラが担当していて、爆弾を具現化するだけならサブでもできそうです。何よりゲンスルーの性格は変化形の典型的パターンでしょう。

 そして、具現化系の最大の特徴は物質化したものに、特殊な能力を付与できることです。シズクの生物以外は何でも吸い込む掃除機・デメちゃん、ゴレイヌの自分や相手との位置を入れ替える念獣には便利な特殊能力があります。

 ただの爆弾を物質化しているだけの一握りの火薬(リトルフラワー)は、ゲンスルーの実力を考えるとあまりに芸がない能力だと言えます。ゲンスルーも命の音(カウントダウン)にメモリを取られ過ぎて、爆弾に特殊能力を付ける余裕がなかったのでしょうか。

詳しく読む⇒『ハンター×ハンター』え?マジで!? 「念の系統」が予想外だったキャラ4選 公式ガイドブックに隠された秘密とは?

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

※サムネイル画像:Amazonより

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