<この記事にはTVアニメ、原作漫画『呪術廻戦』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>
作者から年内の完結が示唆されている『呪術廻戦』では、主人公率いる高専側と作中最強の両面宿儺の戦いが繰り広げられています。宿儺の圧倒的な力の前に次々と高専側が敗北していき、ファンの間では宿儺を倒せるのか疑問の声が上がっているようです。果たして誰が宿儺を倒すのでしょうか?
◆これまで繰り広げられてきた高専側と宿儺の戦い
まずは、これまでに繰り広げられた高専側と宿儺の戦いを振り返りましょう。
人外魔境新宿決戦というタイトルで始まった史上最強・宿儺との戦いは、現代最強・五条悟との戦いを皮切りに始まりました。
最強同士の戦いは苛烈を極め、ふたりは領域展開ができなくなるほどの傷を負います。その後、宿儺が式神の魔虚羅を繰り出すも、五条はアドリブで必殺技の「茈」を遠隔で放ち、魔虚羅を破壊し宿儺に重傷を負わせ、五条が勝利したかのように見えました。しかし、宿儺が戦闘の最中に身につけた世界を断つ斬撃で空間ごと切り裂き、五条は上半身と下半身が分断されて死亡します。
そこへかねてより宿儺と戦いたがっていた鹿紫雲一が乱入して、今度は鹿紫雲と宿儺の戦いに。鹿紫雲は一度きりしか使えない術式を使い宿儺へ戦いを挑みますが、宿儺は中断していた受肉による変身を再開させ、いよいよ生前の姿を現しました。鹿紫雲は完全体となった宿儺に太刀打ちできず、斬撃を食らい絶命します。
そして、今度は主人公の虎杖悠仁と日車寛見が登場し、虎杖&日車と宿儺の戦いが始まりました。虎杖と日車は裁判を行う日車の領域内に宿儺を引きずり込み、裁判で宿儺の術式の没収と死刑を獲得して彼を追い込もうとします。裁判の結果、死刑は獲得しましたが術式を没収できず、日車は死刑で得た一撃必殺の処刑人の剣を手に善戦するも、宿儺に敗れて死亡しました。
今度は乙骨憂太がその場に駆けつけ、虎杖&乙骨と宿儺の戦いが始まります。虎杖と乙骨は模倣した術式を無制限に使用できる乙骨の領域で宿儺を追い詰め、虎杖の魂を捉える打撃で伏黒恵の肉体から宿儺を引き剥がすつもりでした。狙いどおり宿儺を追い詰めて虎杖の打撃を放ちますが、伏黒の心が折れており宿儺を引き剥がせません。そして乙骨と虎杖は宿儺の世界を断つ斬撃を食らい、敗北しました。
現在は駆けつけた真希や日下部、脹相、ミゲル、ラルゥたちや重傷を負いながらも立ち上がり続ける虎杖が宿儺と戦い続けています。このようにさまざまなキャラが宿儺へ挑み敗北していますが、誰が宿儺を倒すのでしょうか?
◆王道展開で主人公の虎杖が宿儺を倒す?
まず宿儺を倒す相手にあげられるのが、主人公の虎杖です。虎杖にはまだ回収されていない伏線があり、それらが宿儺を倒す鍵を握っているのではないかと考えられています。
たとえば、「第222話 予兆」では虎杖が別の人物と魂を入れ替えている描写がありました。この話では虎杖と日下部が組み手をしていますが、虎杖の姿をした人物が「そろそろ掴めよ 虎杖」と言い、日下部の姿をした人物が「押忍!!」と返事をしています。
この描写から虎杖が別の人物と魂を入れ替える術を手に入れたと考えられますが、宿儺との戦いでこの術をまだ使っていません。今後の展開として、魂の入れ替わりを使って自身と伏黒の魂を入れ替え、再び虎杖が宿儺を捕らえることが考えられるでしょう。
また、ほかにも宿儺との戦いでは虎杖の腕が変化して異形の姿へと変わっていました。この腕について作中ではまだ語られていませんが、ファンの間では残った呪胎九相図を取り込んで体に影響が出たのではないか、と考えられています。
虎杖は吐き出した血が炸裂したり、反転術式のときに血を応用したりしているような描写がありました。これらの血を操る描写から、呪胎九相図を取り込んで彼らが使用する赤血操術を身につけたのかもしれません。
これらの未回収の伏線から、虎杖は魂の入れ替えで伏黒を救出して、新しく得た術式や腕を武器に宿儺を倒す可能性があるでしょう。
しかし、これまでの宿儺の圧倒的な実力から、虎杖の実力だけでは宿儺を倒すことは難しいように思えます。虎杖だけで宿儺を倒せるのでしょうか?
◆五条が復活する可能性も……?
実はほかに宿儺を倒す人物として期待されているのが、宿儺に敗れた五条です。先述した通り、五条は宿儺に敗れましたが、その圧倒的な実力と人気の高さからファンの間で根強く復活説が唱えられています。
たとえば、4月4日に発売される『呪術廻戦』26巻の表紙には、雪が降るなか笑みを浮かべる五条の姿が描かれていますが、右側に描かれた花が復活説に拍車をかけています。
表紙に描かれた花はファンの間で椿、または山茶花だと考えられており、どちらも冬に咲く花です。椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「誇り」と言われていますが、山茶花は「困難に打ち勝つ」と言われています。もし、描かれているのが山茶花だった場合、五条が復活して宿儺との戦いという困難に打ち勝つのかもしれません。
また、表紙以外にも、高専側が五条の死体を回収していることで、より彼の復活が期待されています。冥冥の弟である憂憂は戦場に行き、自身の術式で五条や日車の死体、生死不明の乙骨の体を回収していました。
しかし、死体を弔うために危険を犯して戦場に行くとは考えづらいため、何か目的があったと考えられます。もしかしたら、彼らを復活させる手立てがあるのかもしれません。
ほかにも、五条のモデルと考えられる釈迦の「四門出遊」のエピソードなどから、ファンの間で五条が復活するのではないかと考えられています。
現在、五条が善戦して宿儺の領域展開を封じ、続いたメンバーが宿儺に傷を負わせましたが、それでも宿儺を倒せるのかあやしいところです。あまりの宿儺の強さから死亡したはずの五条へ再び期待を寄せられるのも、無理のない話かもしれません。
〈文/林星来 @seira_hayashi〉
《林星来》
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。
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