<この記事には漫画『呪術廻戦』の最新話までのネタバレが含まれます。ご注意ください。>

 『呪術廻戦』が残り5話で完結することが発表され、たちまちX(旧Twitter)のトレンド入りするほど、多くのファンに衝撃を与えました。どのように完結するのかファンの間で考察が飛び交うなか、最新第267話「人外魔境新宿決戦㊳」では、ファン待望のキャラが再登場して喜びの声が上がっています。

◆ついに釘崎が復活!オッパッピーがエモい!

 前回の第266話では、乙骨がリカに食べさせたはずの宿儺の最後の指が描かれて終わりました。続く最新第267話「人外魔境新宿決戦㊳」では、回想シーンから始まり、宿儺の指が残っていた理由が判明します。

 回想では乙骨が宿儺の術式の模倣や解析を目的に宿儺の最後の指をほしいと言い、五条が宿儺とのつながりを失うのは得策じゃないと、拒否しました。結果的に術式の解析まではできなかったものの、宿儺の術式が刻まれた虎杖の指をもらうことで乙骨は宿儺の術式「御厨子」を模倣します。こうして宿儺の最後の指は残り、乙骨は最後の指は模倣に使ったと宿儺を騙していたのです。

 そして、時間軸は現在まで戻り、宿儺の最後の指を前に渋谷事変以来、生死不明だった釘崎が「喜べ男子ども」というセリフとともに再登場します。釘崎は「共鳴り」を放って宿儺の指を通して魂へ攻撃して、「オッパッピーだよ馬鹿野郎!!」と笑みを浮かべました。

 釘崎の不意の一撃を食らった宿儺は虎杖によって劣勢に追い込まれ、「逕庭拳」と「黒閃」を食らって白目を剥き、戦いに決着が着きそうなところで最新話は幕を閉じます。

 釘崎の生死は約4年間も分からなかったため、再登場には多くのファンが喜びの声を挙げています。また、釘崎が言った「喜べ男子ども」は、初めて1年生同士が顔を合わせたときを彷彿とさせ、「オッパッピーだよ馬鹿野郎!!」は、かつて復活したときに同じギャグを発した虎杖への意趣返しのようにも見えました。

 さらには、釘崎の援護、逕庭拳、黒閃という流れは渋谷事変での真人戦を思い起こさせ、SNS上では最新話に対し「オッパッピーで泣く日が来るとは思わなかった」「ガチで熱すぎ!最高でしょ!」と絶賛する声が上がっています。

◆なぜ釘崎の術式が宿儺に効いたのか?

 宿儺の最後の指が勝敗を分けましたが、そもそも宿儺の指は誰も破壊できずに現代まで残りつづけた特級呪物のハズ。最新話では縛りをすることで術式を通していましたが、「共鳴り」を放つ前は楽巌寺も術式を貫通させられるか心配していました。縛りをしていたとはいえ、なぜ釘崎の術式は宿儺に効いたのでしょうか。

 考えられる理由として、釘崎が八十八橋で黒閃を成功させたことで、呪力の核心を掴み、単純に強くなったと考えられます。

 釘崎は八十八橋で特級呪物「呪胎九相図」が受肉した壊相・血塗と戦い、初めて黒閃を成功させました。その後、渋谷事変で「思い出せ あの時掴んだ呪力の核心を!!!」と八十八橋での出来事を振り返っていたことから、黒閃を成功させて呪力の核心を掴んだことがうかがえるでしょう。

 作中でも黒閃は経験したものとそうでないものでは、呪力の核心との距離に天と地程の差があるといわれています。このことからも、黒閃を成功させた釘崎は、呪力の核心に近い、または掴んでいるともいえるでしょう。

 また、釘崎が一度生死の境をさまよったことで、より呪力の核心に近づいたのかもしれません。

 五条の過去を描いた「懐玉・玉折」では、五条が一度死にかけたことで死に際に呪力の核心を掴み、反転術式を会得していました。また、反転術式を使えるようになったことで、術式反転「赫」や虚式「茈」も体得しています。

 同じように釘崎も渋谷事変以降、死にかけたことでさらに呪力の核心に近づき、渋谷事変の時よりも強くなった可能性があるでしょう。

 ほかにも、釘崎が再登場した際には、術式範囲内の任意の術師の呪力総量や出力を一時的に上げられる歌姫が近くにいました。このことから、歌姫が術式で釘崎を強化していたのかもしれません。

◆釘崎が復活した理由は?

 ほかにも、どうやって釘崎が復活したのかも気になるところです。

 釘崎は真人の無為転変によって魂の形を変えられて肉体も損傷しました。一見すると反転術式で治せるようにも思えますが、第252話で「魂の形を修復するには魂の輪郭を知覚しなければならない」と語られています。このことから、魂の形を変えられた釘崎も魂の輪郭を知覚できる人でなければ治療できないのでしょう。

 また、高専側で回復役を担っている家入の反転術式は、第248話で宿儺や五条ほど強力ではないと言われていました。釘崎の負った傷は、悪化しないように術式を施した新田新が「多分死んでますよ」と言うぐらい重傷だったので、家入の反転術式で蘇生できたとは思えません。釘崎の復活には何かしらの特別な事柄があるのでしょう。

 考えられるのは、1ヵ月間の修行と九十九が残した魂の研究記録です。

宿儺との決戦までの1ヵ月間、高専側は憂憂の入れ替わりの術式を用いてさまざまな修行をしてきました。その中で、家入は虎杖のようにふたつの魂が共生している来栖華と入れ替わることで、魂の輪郭を知覚できるようになったのかもしれません。また、九十九が遺した魂の研究記録も、魂の輪郭を知覚する助けになっていた可能性があるでしょう。

 ただし、五条は宿儺の最後の指を残しておくことに関して、「賭け」と発言していました。また、釘崎が再登場した際に歌姫が目覚めてから半刻も経っていないと発言しています。

 このことから、おそらく釘崎の復活は綱渡りだったと推測できるでしょう。そのため、釘崎の復活は家入の1ヵ月の修行の賜物ではなく、何か種があると考えているファンも多いようです。

 

 ──このように釘崎の復活についてまだ謎が多く、ファンの間でもさまざまな考察が飛び交っています。『呪術廻戦』は残り4話となりましたが、その中で釘崎がなぜ復活できたのか、理由が語られるのを待つとしましょう。

〈文/林星来 @seira_hayashi

《林星来》
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。

 

※サムネイル画像:Amazonより

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