『鬼滅の刃』は、5月から『柱稽古編 』のアニメが放送されますが、この作品の実写化は難しいとファンの間でいわれることがあります。

 『幽☆遊☆白書』の実写ドラマが去年の12月にNetflix配信されたり、『ゴールデンカムイ』の実写映画が今年の1月から上映されたりしていますが、なぜ、社会現象を巻き起こした『鬼滅の刃』の実写は難しいのでしょうか?

◆実写化の最大の敵はコンプライアンス?

 『鬼滅の刃』の実写化は、コンプライアンス的に難しいといわれることがあります。

 たとえば『無限列車編』での魘夢の血鬼術による夢の世界からの脱出方法ですが、相手の体を切ることならともかく、自らに刃を向ける描写はコンプライアンス的にアウトであり、実写化の際は自粛や差し替えが求められると考えられます。

 また、『刀鍛冶の里編』で登場する玉壺の作品、「鍛人(かぬち)の断末魔」も再現の難しそうな要素です。

 「鍛人の断末魔」は、刀鍛冶の里の鍛冶の死体を素材として作り上げた恐ろしいオブジェであることから、やはりコンプライアンスに抵触する可能性が極めて高いといえます。

 同じく『刀鍛冶の里編』での甘露寺蜜璃と炭治郎が再会する場面も、実写で再現するのは難しそうです。

 甘露寺と再開した炭治郎は彼女に対して、「乳房がこぼれ出そうです」「危ない!!」と声をかけています。

 アニメならともかく実写で、こぼれ出そうで危ないほど躍動する乳房を撮影することは難しいでしょう。ですが、『鬼滅の刃』は顕著にお色気要素の少ない作品のため、このやりとり自体がカットされるかもしれません。

 さらに、炭治郎と伊之助が初めて出会った際、伊之助は響凱に捕らわれていた、てる子という少女を踏みつけており、炭治郎から「人を踏みつけにするな」と叱責されます。

 幼い子供を踏みつけるという行為は、児童虐待を彷彿させるため、やはりこちらも自粛や差し替えがなされるでしょう。

 ──一見、実写化が難しそうに見える『鬼滅の刃』ですが、Netflixや劇場公開映画であれば、レーティングなどを使ってコンプライアンスに対する配慮も少なく済む可能性があります。

 たとえば『寄生獣』の実写版でも、パラサイトによる残酷な捕食シーンや切断描写が再現されていたので、たいていの描写は再現できる可能性も否めなくないでしょう。

〈文/雨琴 編集/乙矢礼司〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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