<この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>

 エッグヘッド研究層(ラボフェーズ)にルフィたちが到着! これからというタイミングで迎撃システムがなぜか解除されてしまうアクシデントが発生──!?

 CP-0との直接対決がひと段落したのも束の間、第1102話「蠢く陰謀!エッグヘッド脱出作戦」ではベガパンクの不利になる謎の事件が発生したり、海軍大将・黄猿がついに動き出したりと戦いの激化は必至! 事態が大きく動き出す放送回になりました。

◆一体その目的は? バーソロミュー・くまの行き着いた先は?

 ルフィとルッチの戦いが盛り上がり、すっかり忘れていましたが今週はカマバッカ王国の革命軍の元から突然飛び出したバーソロミュー・くまの様子から物語が始まります。

 冒頭で海上を飛行するくまが描かれたと思いきや、その行き先は中盤で判明。くまが行き着いた先は「赤い土の大陸(レッドライン)」のふもとにある“赤い港(レッドポート)”でした。レッドラインに激突し墜落するやいなや、すぐに起き上がったくまはその頂上を見上げます。果たしてくまは何を思うのか。未だくまの目的は分かりませんが、ここがゴールではないのは表情からも分かります。

 レッドラインの上にその目的があるようですが、今回のエッグヘッド編でボニーの父親がくまだと分かったり、エッグヘッドでの事件と同時期にくまが暴走し出したりしたことからもエッグヘッドの事件とは何かつながりはありそうです。ルフィたちからはかなり遠い場所にいますが、バーソロミュー・くまが今回のエッグヘッド編でどんな立ち回りを担うのか、未だ謎が多いだけに気になるポイントです。

◆くまだけじゃない? 続々と動き出す新たな重要人物たち

 気になる変化はまだまだ続きます。しかもルフィやベガパンクにとってはよくない事態の方がどうも多そうです。

 まずはベガパンクの命を狙っていたのはCP-0だけではなく、ボニーもその一人だったという事態です。CP-0との戦いの間こそボニーは気を失っていましたが、真空ロケットに搭乗したタイミングで目覚めています。

 研究所(ラボフェーズ)に到着したボニーは早々に虫に襲われた怒りからかベガパンクを探して駆け出します。思い返せば、CP-0とは目的は違うもののボニーもベガパンクに怒りを感じていた一人。ルフィは厄介な人物を研究所内に連れてきてしまったかもしれません。

 そんなこともつゆ知らず、アトラスこそ修理中ですがベガパンク側もサテライトたちがついに勢揃い。全員がベガパンクとは言いつつそれぞれが性格が全く違うため、冷静なシャカや好戦的なリリス、我関せずのヨークなど別人すぎてその掛け合いが見ていて楽しいです。

 そんな中でベガパンクは何者かに助けを求めて、承諾を得ます。戦桃丸は瀕死の状態であることを考えるとそれ以外の味方がエッグヘッドにいるわけです。果たしてこの味方は何者なのか? ベガパンク側の対策の一つとなっていきそうです。

 一方のCP-0サイドは戦桃丸の脱落により、やはり命令権限を移してルッチたちがセラフィムを従える事態となりました。

 大事な戦力を奪われてしまうだけでも苦しい事態なのですが、ここでさらなる逆境を迎えます。あのカクさえも軽々と迎撃した研究所のフロンティアドームがなぜか解除されてしまいます。

 コントロールルームにも人影はないそうで、なぜ解除されたのかも不明。攻める側のルッチも不可解に思っているということは、CP-0側の仕業でもないだけにかなり不気味な事態となっています。

 理由もなくこれほどベガパンクに不利な状況が出来上がることはないわけで、どうも単純にベガパンクとCP-0の2つの勢力の対立では終わらない気配を感じます。

 今回のサブタイトルには“蠢く陰謀”という言葉があるように、なぜフロンティアドームが解除されたのかは、早急に理由を解き明かさないといけない謎となりそうです。

◆次なる火種はゾロや黄猿? 次の戦いは間近か

 ただし研究所が無防備になったということで悠長に謎を解き明かしてもいられないのも事実。不審に思いつつもCP-0は早速研究所に接近し、あっという間にサニー号を発見してしまいます。

 脱出手段と想定していたサニー号を破壊するようにさっそく命令する抜け目のなさはさすがですが、忘れてはいけないのが今サニー号にはゾロとブルックが待機中であること。ルフィとの激突を終えたばかりですが、今度はゾロやブルックがCP-0と戦うことになりそうです。

 そして、事態はさらにエスカレート。海軍が向かっていることはステューシーの口からも明かされていましたが、そんな海軍の軍艦の様子が最後に描かれます。

 その軍艦に乗っていたのが大将・黄猿! 可能な限りの軍艦を要請しながら向かっているということで、このままではCP-0だけでなく黄猿や大勢の海軍の相手までしなければいけなくなりそうです。ルフィとルッチの迫力のある戦いがまだまだ序章に過ぎなかったのだと思い知る瞬間となりました。

 バーソロミュー・くまの動向。エッグヘッドの不可解な様子。接近するCP-0と海軍。気になることがどんどん溢れてきましたが、次回の第1103話は「父を戻せ!儚きボニーの願い!」ということで、くまとボニーに関する話の進展が期待できそうです。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル 『ONE PIECE公式YouTubeチャンネル』より

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