<この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>

 麦わらの一味とベガパンクを追い詰めるCP-0とセラフィムたち……万事休すのタイミングでステューシーがまさかの本性を現した──!?

 CP-0とセラフィムが侵入し、ついに研究層(ラボフェーズ)が戦いの舞台となった第1104話「絶体絶命!セラフィム総攻撃!」は、ゾロvs.カクの再戦やド迫力のセラフィムの攻撃描写、そしてクライマックスにはまさかの裏切り者が出現するという大番狂わせの回となりました。

◆バーソロミュー・くまの二キュニキュの実の理屈が明らかに?

 CP-0との戦いの前に、今回の冒頭では先週に引き続きボニーとベガパンクのやり取りの続きが描かれます。ボニーが見つけた隠し部屋にある、肉球型の球体はやはりバーソロミュー・くまが発生させたものと明言されます。

 ここでまさかのベガパンクとくまの回想が挟まれ、くまの二キュニキュの実の能力である痛みを弾き出す力に関してベガパンクが語る場面が登場。一見、超常的すぎる二キュニキュの実の能力を“末梢神経の信号を無線で譲渡している”と理屈で説明できてしまうところがさすがで、さらにはイメージや思い出などの心象も出せるのではないかと実験を願い出ます。

 この回想を思うにボニーが見つけたのはバーソロミュー・くまの心象。果たして、この部屋に秘められているものは何なのか? 今、不可解な行動を取っているくまの答えがそこにあるのかもしれません。

◆ゾロvs.カクが再び! パワーアップしたキリン人間の能力はいかに!?

 場面は一転して、研究層の外。研究層にCP-0が侵入したことでエッグヘッドの戦いも第2ラウンドに突入。戦いの口火を切るのは、これまではルッチが前線に出ていたこともあってあまりカッコいい姿を見せられていなかったカク。迎え撃つのは船番をしていたゾロということで、奇しくもエニエスロビーでの戦いを経てのカクのリベンジマッチとなりました。

 とはいえ、ゾロがエニエスロビーの時代から格段と強くなっていることは、これまでの戦いを追ってきている身からすれば周知のこと。さすがにカクに負けることはないだろうと思いきや、カクも2年の時を経てしっかりパワーアップ。ウシウシの実モデル“麒麟(ジラフ)”の装いこそあまり変わっていませんが、ルフィやルッチが悪魔の実を覚醒した時に纏っている羽衣のようなものがカクにも出現していて、カクも覚醒を果たしている可能性があります。

 ただし、カク自身の攻撃は鉄塊で硬化させたキリンの鼻先で攻撃するかつてのスタイルと同様。結局はカイドウとの戦いを経たゾロにとってはまだまだカク一人が相手であれば余裕はありそうです。

◆大迫力のセラフィムの攻撃に負けない衝撃! ステューシーがCP-0を裏切った!?

 問題はゾロが相手にしなければいけないのはカク一人ではないことです。ルッチも実は不本意ながら、研究層に入ってきてしまった4体のセラフィム。そんなセラフィムたちに、ベガパンクに先んじて動くべくさっそく研究所への攻撃命令を下します。

 このセラフィムの攻撃シーンがまた大迫力。最近のルフィvs.ルッチ戦を思わせるような揺らいだ線で描かれるセラフィムたちの攻撃の破壊力は原作漫画で描かれている以上の破壊力を感じさせます。

 しかし、今週の衝撃はここで終わりません。麦わらの一味勢力もこの攻撃を前に万事休すかと思われたタイミングで動き出したのが、まさかのCP-0のステューシー。カクをたちまち眠らせてしまったかと思いきや、今度はルッチの攻撃を避けた上で海楼石で動きを封じて、ルッチの意識まで飛ばしてしまいます。

 明らかになったステューシーの正体は、「ロックス海賊団ミス・バッキンガム・ステューシーの複製人間(クローン)」であり、「MADS クローン実験成功体第1号」というあまりにも突然に明らかになる衝撃の素性。情報量の多さに正直、整理がつかない人がほとんどではないでしょうか。

 果たして彼女こそがベガパンクが助けを求めた味方の正体なのか?そもそもクローンとは?ルッチも倒せたということは、エッグヘッドの戦いはこれで終わってしまうのか?そんないくつもの疑問が湧いてくるタイミングで、次回の第1105話「麗しき叛逆!内通者ステューシー」へと続いていきます。

 セラフィムの迫力のある攻撃場面が見せ場の回と思いきや、ステューシーの艶かしい逆転劇で最後を持っていったりと、演出面でも何が起こるか分からないのが、さすがのワンピース。次回もサプライズに期待したいところです。

〈文/ネジムラ89〉

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《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル 『ONE PIECE公式YouTubeチャンネル』より

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