昨年の12月16日〜17日に行われた「ジャンプフェスタ2024」の『ONE PIECE』スーパーステージでは、尾田栄一郎先生からの手紙をルフィ役の田中真弓さんが代読しましたが、手紙には、「あの島」や「アレの奪い合い」など、ファンにとっては気になる言葉がいくつも登場しました。また、「ルフィは止められないかな」という意味深な言葉も──。
尾田先生が話す「あの島」、「アレの奪い合い」とは、いったい何をさしているのでしょうか?
◆「あの島」は連載初期から名前があがっている島?
「あの島」については、連載初期からたびたび名前があがっている、巨人の島、エルバフのことをさしているのではないかと、ファンの間では考察されることもあるようです。
ルフィたちは、旅を続ける中で多くの巨人族と関わってきました。中でも物語序盤に登場したリトルガーデンを出港する際、ルフィたちはドリーやブロギーに、「必ずエルバフに行く!」と宣言しています。
また、ロビンの恩人でもある、ハグワール・D・サウロは巨人でありながら「D」を持つ海兵でもありました。
サウロは、青キジのアイスタイムカプセルによって氷漬けにされてしまいましたが、原作の第1066話でベガパンクの口からサウロの生存をほのめかす発言がなされています。サウロのように「D」の名前を持つ巨人の血統が、エルバフには存在しているようで、「D」について何かしらのヒントが得られると考えられます。
また、シャンクスがキッド海賊団を壊滅させたのもエルバフであり、最終章がクライマックスに突入し、頻繁にシャンクスが登場するようになったころ、麦わらの一味はエルバフでシャンクスたち赤髪海賊団の話を巨人族から聞き、それがルフィとシャンクスの再開へのエピソードへとつながるのかもしれません。
◆「あの島」は四皇の一人がアジトにする島?
原作の第1087話で、海軍の機密特殊部隊、SWORDに所属するコビーが黒ひげ海賊団に囚われてしまったことや、黒ひげ海賊団のアジトであることから、「あの島」の正体は、海賊島の異名で呼ばれるハチノスの可能性も考えられます。
コビーを助けに向かったメンバーの中には、海軍中将のガープがいました。彼は戦闘の末、コビーをかばう形でシリュウに刺され負傷しています。
この構図は、マリンフォード頂上決戦編でエースがルフィをかばい死亡してしまったときのものと似ています。
そのことから、ルフィがコビーやガープが窮地に陥っていることを知り、彼らを助けるためにハチノスに向かうような展開になるのかもしれません。
尾田先生の手紙には、「ルフィは止められないかな」という言葉がありました。エースが囚われたときも、ルフィは周囲が止めているにもかかわらず、エースの救出へと単身向かいました。
ラスボス候補にもあがっている黒ひげのアジトであること、祖父や友達がピンチに陥っていることから、「あの島」の正体はハチノスなのかもしれません。
◆「アレの奪い合い」の「アレ」の正体とは──?
「アレの奪い合い」という言葉からは、作品のタイトルにもなっている「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」のことをさしているように思えますが、ファンの間では、たびたび作中で名前の出る「古代兵器」や「ロードポーネグリフ」ではないかと考察されることもあります。
「古代兵器」に関しては、魚人島編で、しらほし姫がポセイドンであることが明かされたため、ルフィたちが関わってきた人物が実は古代兵器であり、実はナミがウラヌスではないかと一部のファンは考察しているようです。
ココヤシ村出身のナミの本当の出生は不明であり、最終章で明かされるのではないかといわれることがあります。彼女の出生が分かり、実はウラヌスであったとしたら彼女の奪い合いが起きるのかもしれません。
一方、「ロードポーネグリフ」は、グランドライン最後の島、ラフテルに向かうために必要な赤いポーネグリフであり4つ存在します。
麦わらの一味は、ロードポーネグリフの情報を既に3つ持っており、最後の4つめは26年前にヒノキズの男によって魚人島から持ち出されたことが分かっています。
エッグヘッド編が終わり、物語がいよいよクライマックスに突入する際、四皇たちの間でヒノキズの男が持つロードポーネグリフを奪い合う戦いが繰り広げられるのかもしれません。
──長く続いたワノ国編を終え、エッグヘッド編に突入した『ONE PIECE』。ボニーやバーソロミュー・くまに関する謎が明かされ、物語は佳境を迎えようとしていますが、シャンクスの謎や、ロックスの素性はまだ判明していません。
登場キャラクターの秘密が今後語られるとともに、尾田先生の手紙にあった「あの島」の正体や、「アレの奪い合い」のさす「アレ」の正体が徐々に明かされるのかもしれません。
〈文/Takechip 編集/乙矢礼司〉