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<この記事にはTVアニメ・原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが登場します。ご注意ください。>

 世界政府の最高権力「五老星」ですが、彼らすらひざまずく謎の王・イム様がその上には存在しています。五老星とはたんなる“操り人形”なのでしょうか。

 エッグヘッド編で明らかになった異形の姿と「統治者」としての覚悟は、彼らが操り人形ではない、恐るべき存在であることを物語っています。

 800年間、世界の秩序を守り続けてきた彼らの本当の正体。その謎は、彼ら一人一人の「個性」と「役割」を深く知ることで見えてきます。

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◆たんなる“操り人形”ではない五老星の「個性」と「覚悟」

 五老星がイム様の操り人形ではないことは、彼ら一人一人の「個性」と「役割」を見ることで明らかになります。

 エッグヘッド編で、五老星の正式な名称と称号が判明しました。ジェイガルシア・サターン聖(科学防衛武神)、マーカス・マーズ聖(環境武神)、トップマン・ウォーキュリー聖(法務武神)、イーザンバロン・V・ナス寿郎聖(財務武神)、シェパード・十・ピーター聖(農務武神)。

 これは、彼らがそれぞれ「科学」「環境」「法務」といった世界を治めるための専門分野を受け持っていることを示しています。たんなる命令を伝えるだけの存在なら、このような細かい役割分担は必要ないでしょう。彼らは、高度な知識を持つ専門家の集まりなのかもしれません。

 また、彼らの行動からは「世界のトップ」としての強い責任感も感じられます。アラバスタのコブラ王と世界の歴史について真剣に議論したり、四皇であるシャンクスの訪問を極秘に受け入れたり。これらはすべて、世界のバランスを保つために、彼ら自身が悩み、判断している証拠といえます。

 特に、サターン聖が自ら危険な最前線であるエッグヘッドにやって来たことは、その覚悟を何よりも物語っています。もし彼がただの操り人形なら、わざわざ危険を冒す必要はないといえるでしょう。

 五老星は決して無個性な駒などではないと考えられます。それぞれが専門分野と強い意志を持つ、本物の「統治者」といえます。これまでの描写からすると、彼らは800年という気の遠くなる年月を生き続け、自らの判断で「世界の秩序」を守り続けてきた可能性があります。操り人形どころか、むしろ世界政府のもっとも恐ろしい「頭脳」であり「意志」といえるのではないでしょうか。

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◆天竜人の“上”に立つ者たち──神の騎士団とフィガーランド家の謎

 五老星が特別な存在であることは見えてきました。では、彼らは聖地マリージョアで絶対的な権力者なのでしょうか。そうとも言い切れない、世界の権力構造の複雑さを示す組織が存在します。それが「神の騎士団」です。

 ゴッドバレーでの事件の際、天竜人であるドンキホーテ・ミョスガルド聖が、同じ天竜人をかばった罪で「神の騎士団」に裁かれる、という衝撃的な場面が描かれました。これは、一般の天竜人でさえも絶対ではなく、彼らを法で裁けるさらに上位の組織が存在することを示しています。

 そして最新の情報では、この「神の騎士団」の最高司令官であり、シャンクスの父親ではないかと噂されるフィガーランド・ガーリング聖が、サターン聖に代わって「科学防衛武神」として五老星に就任したことが明らかになりました。彼が自ら望んで五老星になったのかは分かりませんが、この人選は世界政府の内部でこれまでとは違う力の動きがあることを感じさせます。

 ここから、世界政府の頂点は実は一枚岩ではないのかもしれない、という可能性が見えてきます。世界のトップは「世界の統治(政治や経済)」を受け持つ五老星と、「天竜人社会の秩序(法律や軍事)」を守る神の騎士団(ガーリング聖)という、二つの大きな柱で成り立っているのではないでしょうか。

 五老星は確かに、一般の天竜人とは比べ物にならないほど上位の存在です。しかし、彼らと並び立ち、ときには天竜人を裁くなど彼ら以上の権限を持つ「神の騎士団」の存在が、この世界の権力の仕組みがいかに複雑で、謎に満ちているかを物語っています。

 ルフィたちが戦うべきは、イム様という「王」一人ではなく、その背後にあるこの二重構造の巨大な権力こそが、本当の壁なのかもしれません。

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◆800年を生きる“怪物”とその王・イム様との関係性

 五老星とはいったい、何者なのか。その答えを示唆するのが、サボの回想で描かれた800年前の世界会議です。そこにいた「最初の20人」のシルエットの中に、現在の五老星とそっくりな人物たちがいたのです。

 これは彼らが代替わりしてきたのではなく、オペオペの実の「不老手術」か、あるいは彼ら自身の悪魔の実の能力によって800年間も生き続けている「不老の存在」である可能性を示しています。エッグヘッドで見せたサターン聖の異形の姿と驚異的な再生能力も、彼らが人間を超えた“怪物”であることを裏付けているといえるでしょう。

 では、そんな彼らすらひざまずく王、イム様との関係はどうなのでしょうか。五老星は「虚の玉座」に座るイム様に世界の出来事を報告しており、イム様が唯一絶対の王であることは間違いありません。

 しかし、その関係は単純な命令系統ではないように見えます。イム様が世界の大きな方向性を決め、五老星はその方針に従い、それぞれの専門分野で具体的な計画を実行する。そのような役割分担がなされているのではないでしょうか。

 そして、彼ら全員を結びつけているのが「Dの一族」と「太陽の神ニカ」への共通の敵意です。この800年間恐れ続けてきた“敵”の存在こそが、彼らの統治を支える原動力であり、決して揺らぐことのない結束の理由だといえるでしょう。

 五老星とイム様の関係。それはたんなる「主従」ではなく、「世界の秩序」という理念を守るために800年間並び立ってきた「共同統治者」といえるでしょう。イム様が世界の「意志」であり、五老星はその「知恵」と「力」となって世界を動かしているのかもしれません。

 

 ──五老星はイム様の操り人形ではなく、800年の時を生きる強大な「世界の番人」といえます。彼らと「神の騎士団」が両輪となり、イム様を頂点とした世界支配の仕組みを築いていたのかもしれません。

 ルフィたちが最後に挑むべき敵は、イム様だけでなくこの巨大な権力そのもの。彼らとルフィたちが対峙するとき、世界の真の歴史と「秩序」の正体が明らかになるでしょう。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:『「ONE PIECE FILM RED」公式Xより  (C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会』

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