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※この記事にはTVアニメ・原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。

※本記事はTVアニメ・原作漫画『ONE PIECE』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 ゴール・D・ロジャーの「D」は隠されたのに、なぜモンキー・D・ルフィの「D」は手配書に残り続けたのでしょうか。そこには、ガープの孫という隠しにくい血筋と、世界政府がルフィを軽く見ていた可能性が見えてきます。五老星の対応から、その不可解な理由を考えます。

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◆ロジャーは「即・隠蔽」だったのに……ルフィだけが“スルー”された裏事情

 海賊王であるロジャーが存命だった頃、世界政府は彼を「ゴールド・ロジャー」と呼び、本名の「ゴール・D・ロジャー」に含まれる「D」の文字を徹底的に消し去っていました。

 ロジャー本人も「近頃政府の奴らが…おれをなんと呼んでるか知ってるか?「ゴールド・ロジャー」だ」と語っていたことから、政府がいかに「D」の影響力を恐れ情報操作を行っていたかが分かります。

 ではなぜ、ルフィのときは同じように「D」を隠さなかったのでしょうか。その最大の理由は、ルフィが「海軍の英雄ガープの孫」として世間に知られていたからだと考えられます。

 ルフィが海に出た際、ガープは青キジに「孫が海賊になると言い出した!!」と語っており、海軍内ではすでに「あのガープ中将の孫が海賊になった」と噂になっていたといえます。さらに父親は元海軍であり、革命軍のドラゴンです。つまり、ルフィは海に出た瞬間から「Dの一族であるモンキー家」の人間であることが、海軍という組織の中で公認されてしまっていたといえるでしょう。

 ここで政府が、ルフィの手配書から「D」を消して「モンキー・ルフィ」と発表していたらどうなったでしょうか。事情を知っている海軍将校たちは「なぜガープさんの孫なのに、わざわざDを消したんだ?」と逆に不審に思ったのではないでしょうか。

 ロジャーのときは、彼が何者であるかを知られる前に「ゴールド」と書き換えることで隠蔽に成功したといえます。しかしルフィの場合は、あまりにも血筋が有名であり、中途半端に本名が広まってしまった結果、隠すタイミングを完全に失ってしまった。これこそが、世界政府という巨大組織が犯した、初期段階での「組織的な失態」だったのではないでしょうか。

◆「D」を隠す対象の選別──黒ひげとルフィの共通点

 政府が名前を書き換える基準は、いったいどこにあるのでしょうか。実は、懸賞金に堂々と「D」が明記されているのはルフィだけではありません。「黒ひげ」ことマーシャル・D・ティーチも、初懸賞金のときからしっかりと「D」の文字が記されています。

 一方で、同じ「Dの一族」でも、トラファルガー・ローのように本名を隠しているケースもあります。ローの本名は「トラファルガー・D・ワーテル・ロー」ですが、手配書には「D」が含まれていません。これは政府が消したのではなく、彼の一族が「D」は隠し名であるとして自発的に伏せてきたからだといえます。

 ここから見えてくるのは、政府がわざわざ名前を書き換えるのは、その人物が「世界の均衡を崩すほどの真実」に到達しそうになったときに限られるという可能性です。

 ロジャー海賊団が最後の島ラフテルに到達しグランドラインを制覇したのち、新聞には「ゴールド・ロジャー」と書いてあるらしく、それを読み上げるレイリーにロジャーが「ゴール・D・ロジャーだ!!」といい直す描写があります。

 ロジャーの場合、ラフテルに到達し「世界のすべて」を知ってしまったからこそ、政府は慌てて「ゴールド」へと名前を改ざんしたと考えられます。しかし、ルフィや黒ひげが賞金首になった当初、政府にとっては彼らは数多くいる海賊の中の一人にすぎませんでした。

 「D」の名を持つ者は世界中に点在しており、その一人一人の名前をチェックして書き換えるのは、実務的に困難だったのかもしれません。そのため、現場の海軍たちが本名で手配書を作成してしまい、上層部が気づいたときには手遅れだったと考えられます。

 つまり、ルフィや黒ひげの「D」が残ったのは、政府が彼らを「まだ大した脅威ではない」とあなどっていた証拠であり、海軍と政府の「連携ミス」が生んだ結果だったのではないでしょうか。

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◆「ニカ」覚醒で始まった手遅れの隠蔽工作

 政府がルフィを「ただの生意気なルーキー」だとあなどっていた代償は、ワノ国編で最悪の形で回ってくることになります。ルフィが「太陽の神ニカ」として覚醒した瞬間、五老星はこれまでにないほどのパニックに陥りました。

 カイドウを撃破しルフィが四皇になった際、五老星はルフィの新しい手配書を見て「この写真は何だ!!?目を通してないぞ…!!“D”も外せと伝えた筈だ!!」と激昂しています。この発言こそが、彼らがルフィの「D」という名を、ロジャーと同じように「なかったこと」にしようとした決定的な証拠といえます。

 しかし、ときすでに遅し。海軍の通信員は「いえ…!!聞いていません!!写真は「CP0」のゲルニカ様より……!!」と困惑し、そのまま世界中にルフィの「D」の名と、ニカの姿をした写真がバラまかれてしまいました。

 これこそが、五老星の最大の誤算といえます。彼らにとってたんなる「Dの一族」という名前よりも、その実が「ニカ」として覚醒することの方が数万倍も恐ろしい脅威だったのではないでしょうか。

 しかし、「ニカの覚醒さえ止めればいい」という一点に集中するあまり、3000万ベリーのころから世界に定着してしまった「モンキー・D・ルフィ」という名前の隠蔽を、完全に後回しにしていたと考えられます。

 つまり、ルフィを「数多くいるDの一人」と侮り続けた慢心が、歴史的な失態を招いたといえます。30億ベリーという懸賞金とともに、消し去るべき「D」の名が全世界に刻印されたのは、五老星が自分の手で「新時代の旗印」を掲げてしまったも同然の結果だったのかもしれません。

 

 ──かつてロジャーが「D」を隠されたのに対し、ルフィの「D」が世界中に広まった理由。それは、英雄ガープの孫という「隠しきれない血筋」と、五老星がルフィを過小評価し続けた「慢心」という、二つの大きなミスが重なった結果といえるでしょう。

 政府にとって「D」を消すことは、歴史の真実を闇に葬ることと同義といえます。しかし、彼らが「ニカの覚醒」という目先の恐怖に翻弄されている間に、ルフィの名は30億ベリーの懸賞金とともに、消去不可能なほど世界へ深く刻まれてしまいました。

 一度放たれた「D」の名は、もはや政府の力でも消せません。五老星が隠そうとしたその一文字は、皮肉にも彼ら自身の失態によって世界を変える「自由の旗印」となったのかもしれません。

〈文/凪富駿(ONE PIECE担当ライター)〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に活動するフリーライター。アニギャラ☆REWでは『ONE PIECE』関連記事を担当し、物語の伏線、キャラクターの関係性、名シーンの解釈などを読者目線でわかりやすく解説している。作品を読み返したくなるような記事制作を心がけている。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「エンスカイ(ENSKY) 208ピース ジグソーパズル ワンピース 手配書『モンキー・D・ルフィ』」(ブランド:エンスカイ(ENSKY))』

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