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※本記事にはTVアニメ・原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。

※本記事はTVアニメ・原作漫画『ONE PIECE』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 黒ひげが次にねらう悪魔の実は、さらなる攻撃力を得るためのものではないのかもしれません。ヤミヤミの実とグラグラの実を手にした彼には、圧倒的な破壊力がある一方で、ヤミヤミの実ゆえの大きな弱点も残されています。海賊旗に描かれた「3つのドクロ」と悪魔の実の三系統をたどると、黒ひげが最後に欲しがる能力の条件が見えてきます。

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◆黒ひげの海賊旗は何を示すのか 「3つのドクロ」と悪魔の実の三系統

 黒ひげ海賊団の船に掲げられている海賊旗は、ドクロが3つ横に並んだ極めて不気味で特殊なデザインをしています。普通の海賊旗はドクロが1つだけであり、これには何か深い意味があると考えられます。

 長年ファンの間では、彼の体が複数の能力を拒絶しない特別な「異形」の構造であり、最終的に3つの能力をその身に宿すという計画をあらかじめ暗示しているのではないか、という説がとても有名です。

 実際、彼はすでに驚くべき力を2つも手にしています。1つ目は、エースの炎のように体を自然物に変える「自然(ロギア)系」のヤミヤミの実。これはあらゆる能力を無効化して引きずり出す、最高峰の闇の力です。2つ目は、「自然系=自身が自然物になれる」「動物(ゾオン)系=動物に変身できる」のどちらにも該当しない「超人(パラミシア)系」のグラグラの実。かつて白ひげが持っていた、世界を滅ぼすほどの破壊力を持つ能力です。

 彼はすでに、悪魔の実の2つの系統においてトップクラスの力を手に入れていることになります。

 ここで重要なのが、『ONE PIECE』の世界に存在する悪魔の実は「自然系」「超人系」、「動物系」の3つの系統しか存在しないという点です。

 黒ひげの計画が海賊旗の示す「3」という数字にこだわっているのだとしたら、彼が最後にねらう悪魔の実が、まだ手にしていない最後の系統である「動物系」の能力である可能性が高いといえるでしょう。

 彼の本当のねらいは、たんに強い能力をたくさん集めることではないのかもしれません。悪魔の実のすべての系統を一人で支配し、前人未到の“三位一体”の能力者になること。それこそが、黒ひげという男が描き続ける恐るべき野望の正体なのではないでしょうか。

◆黒ひげは本当に無敵なのか ヤミヤミの実に残る大きな代償

 すべての能力を無効化する闇の力と、世界を滅ぼす地震の力。そんな無敵の攻撃力を持つ黒ひげですが、実は彼には隠しきれない致命的な弱点が存在します。

 その原因は、彼の力の核である「ヤミヤミの実」の特殊な性質にあります。第441話でのエースとの戦いで本人の口から「攻撃を受け流す事などできずおれの体はあらゆる“痛み”まで常人以上に引き込んじまう」と語られた通り、ヤミヤミの実は極めてハイリスクな能力なのです。

 実際作中の戦闘を振り返ると、彼はどれだけ強い力を手に入れても毎回泥臭く苦しんでいます。第544話のインペルダウンではマゼランの毒を浴びて重体におちいり、第576話の頂上戦争では満身創痍の白ひげの反撃にあって大ダメージを受けていました。さらに、四皇となった第1063話の戦いでさえ、ローの攻撃を受け苦悶の表情を浮かべています。どれほど圧倒的なパワーを持っていても、その肉体は常に「人一倍の脆さ」と隣り合わせだといえるでしょう。

 この常人以上の打たれ弱さを考えると、彼が次に求める3つ目の能力の役割が見えてきます。それは、さらなる大技を繰り出すための「攻撃のピース」ではないと考えられます。

 彼に今もっとも必要なのは、ヤミヤミの実が持つ「倍になるダメージ」という大きなリスクを完全に帳消しにするための、圧倒的な防御力や超人的な頑丈さの可能性が浮かび上がってきます。黒ひげの3つ目の悪魔の実探しは、自身のもろさを克服して自らを“無敵”に近づけるための、究極の「防御のピース」を探す旅なのかもしれません。

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◆3つ目の実はなぜ「防御型」なのか 黒ひげが欲しがる最後のピース

 ヤミヤミの実の弱点である「倍のダメージ」を打ち消す究極の防御力。その条件を完璧に満たせる悪魔の実こそが、まだ彼が手にしていない「動物系」、それも幻の神獣などの力を宿した「幻獣種」の能力なのではないでしょうか。

 たとえば、不死鳥のマルコが見せた「どんな攻撃を受けても青い炎で瞬時に再生する能力」や、百獣のカイドウが見せた「並大抵の攻撃では傷一つ下さぬ圧倒的な頑丈さ」、さらには世界政府の最高権力者である五老星たちが見せた「バラバラに破壊されても一瞬で元通りになる常識外れの回復力」などがそれにあたるといえます。動物系幻獣種には、肉体のもろさを完全にカバーできる超人的な生存能力が備わっているといえるでしょう。

 黒ひげ海賊団は、現在も世界中で強力な悪魔の実を奪い取る「能力者狩り」を続けています。そのため、彼らが今もっとも血眼になって探している最終ターゲットは、まさにこの「世界最高峰の防御力や再生力を持つ幻獣種の能力者」の可能性が高いといえなくもありません。

 黒ひげがその最後のピースを手に入れてしまったらどうなるでしょうか。「ヤミヤミの実の引力」でどんな敵も逃がさず引き寄せて能力を消し去り、「グラグラの実の振動」で敵を粉砕し、たとえ反撃を受けても「動物系幻獣種の超回復」で一瞬にして傷を癒してしまう。この3つの力が噛み合ったとき、弱点が完全に消滅した文字通り“悪魔”と呼ぶにふさわしい「完全無欠の怪物」が誕生することになると考えられます。

 黒ひげがねらう3つ目の能力は、悪魔の実の三つの系統をすべて支配し、自身の弱点を完全に無効化するための「動物系幻獣種」である可能性が極めて高いといえるでしょう。最後の能力を手に入れたとき、彼はルフィが覚醒させた「太陽の神ニカ」のまばゆい光に対抗する、最高にして最悪の「闇の支配者」として真の姿を現すのかもしれません。

 

 ──黒ひげが次にねらう能力は、たんに攻撃力をさらに上乗せするためのものではない可能性があります。ヤミヤミの実で相手の能力を封じ、グラグラの実で圧倒的な破壊力を得た彼に足りないものがあるとすれば、それは反撃を受けても倒れない肉体や、傷を補う回復力なのかもしれません。

 海賊旗に描かれた3つのドクロ、まだ手にしていない動物系の能力、そしてヤミヤミの実が抱える「痛みまで引き込む」という弱点。これらをつなげると、黒ひげが最後に欲しがる悪魔の実は、彼を本当の意味で完成させる“防御のピース”に見えてきます。もしその力まで手に入れたとき、ルフィの前に立ちはだかる黒ひげは、これまで以上に厄介な存在となるでしょう。

〈文/凪富駿(ONE PIECE担当ライター)〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に活動するフリーライター。アニギャラ☆REWでは『ONE PIECE』関連記事を担当し、物語の伏線、キャラクターの関係性、名シーンの解釈などを読者目線でわかりやすく解説している。作品を読み返したくなるような記事制作を心がけている。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「ONE PIECE」105巻(出版社:集英社)』

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