◆「ガラケー」など時代を感じさせるアイテムも!

 声優陣の演技だけでなく映像も当時のものが用いられているので、実はよく見ると“時代”を感じさせる描写も見つかります。それが携帯電話。作中でたびたび携帯電話が登場するのですが、エピソードごとにキャラクターたちが持っている端末がその当時の主流のものが使われています。

 たとえば、第219話「集められた名探偵!工藤新一VS怪盗キッド」にてキッドとの対決の際に新一が中森警部との連絡に使っている携帯電話が、今ではもはや見なくなってしまった伸縮するアンテナを携えたタイプの携帯電話になっています。

 このエピソードが放送された当時は2001年。今では当たり前のスマホのような板状の端末は考えられない時代でした。作中ではそのほかにもほぼ受話器のような形状の携帯電話も登場するなど、小道具にも注目していくと面白いでしょう。

 TVアニメ『名探偵コナン』シリーズでは、携帯電話はさり気なく最新機種にしれっとアップデートされていくのですが、こうして過去のエピソードを久しぶりに見るとデバイスの進化を実感できるのも面白いところです。

 蘭の愛用している携帯電話がガラケーのままであることもたびたび話題になりますが、もしかすると今後、作中のキャラクターが機種変更をする回が登場するかもしれませんね。

 ──『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』は一見、4月12日に公開が予定される『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の予習作品のように見えるかもしれませんが、その実、往年の怪盗キッドのエピソードを大画面のスクリーンで当時を振り返るような体験になっています。

 しばらくコナンに触れていない人を誘ってみると意外と刺さる映画かもしれません。

〈文/ネジムラ89〉

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《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『』より


TVシリーズ特別編集版『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』
©青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 2024

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