◆映画『黒鉄の魚影』のもラムが登場?

 正体が明らかになったばかりのラムですが、TVアニメでの解禁から1週間後に上映をスタートした映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影』内にもさっそく登場します

 今回の映画では黒の組織との対決が主軸となっており、黒の組織のメンバーも総出演。ラムにもしっかり出番が用意されています。

 一見サプライズのようですが、実は2022年時点で登場はすでに発表されていました。映画のタイトル発表と共に公開された原作者の青山剛昌先生による映画のイメージビジュアル内にすでにラムの姿が描かれており、原作を読んでいる人はそこでラムの登場をあらかじめ知らされていたわけです。

 一方で原作を読んでいない人にとっては、ポスターや予告編には見知らぬ人物が紛れ込んでいるという状態が続いていました。それが公開直前の放送である第1079話でやっと謎の男の正体がラムだったことが分かるようになっていたわけです。

 今回の映画のタイミングに合わせてラムの正体が明かされるように放送のスケジュールを合わせたようですが、そのせいでラムの姿がポスターなどでTVアニメに先行して公表されてしまうという若干のネタバレが発生してしまったのは惜しい部分でした。

◆ラムの役回りに注目!本当のサプライズはそのセリフ?

 そんなラムですが映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影』で注目して欲しいのはそのラムが今回の映画でどういった役回りを担っているかです。ポスターなどの印象から重要なキャラクターとして描かれているように見えるかもしれませんが実際はラムの出番は少なめ。しかしそのわずかな出番の中で黒の組織のボスである“あの方”について言及するシーンで登場しています。

 現在、黒の組織のボスである通称“あの方”の正体は「烏丸蓮耶」という人物であることが判明していますが、その姿はまだ未登場。

 ラムはその“あの方”の側近ということで、作中もっともその謎の存在に近い立場にあると思われたわけですが、そんなラムとボスの距離感がここで初めて明らかになるものとなっており、さり気なく今後の「名探偵コナン」の展開のヒントとなりそうな意味深なシーンを担っていました

 

 ──『名探偵コナン』でずっと続いていた「ラムの正体は誰なのか? 」というフェーズは終了。黒の組織の最高幹部が明らかになった今、残すはついにボスを残すのみです。

 今回の映画のラムの言動からも、この春からは「黒の組織のボス“あの方”の正体は誰なのか? 」というシリーズでも最大と言える謎へと挑んでいくのでしょう。早くもそのヒントというようなセリフが登場し始めているのを見逃さないように要注意です。『名探偵コナン』の次なる謎解きがもう始まっています。

〈文/ネジムラ89〉

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《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』

©2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

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