◆主人公補正でもさすがに死ぬのでは?──「ペロッ...これは、青酸カリ!」
「ペロッ...これは、青酸カリ!」は、実際にコナンが作中で使ったと思っている人もいるようですが、このセリフはファンによって作られたコラ画像がはじまりといわれています。
作中でコナンは、ターボエンジン付きスケートボードでむちゃな運転をしたり、盗聴器を仕込んだりと、すさまじい行動力を見せますが、もちろんコナンでも青酸カリを舐めれば死んでしまうでしょう。
このセリフの元ネタは、原作第7巻に収録されている「ピアノソナタ『月光』殺人事件」の「ペロッ...こ、これは、麻薬!」というセリフです。
事件に巻き込まれたコナンは、ふと床に白い粉が落ちているのに気づきます。そして、その粉を指ですくい、ためらうことなく舐め、「ペロッ...こ、これは、麻薬!」と言います。
床に落ちているものを舐めたばかりか、その粉が薬物だったことは読者に衝撃を与え、「ペロッ...これは、青酸カリ!」というコラ画像が作られました。
それからは、定番ネタとしてこのセリフをたびたび、ネット上で見かけるようになり、実際に原作で登場したセリフだと勘違いした人が続出したのです。
余談ですが、この「ピアノソナタ『月光』殺人事件」のリメイク版が2021年に前後編で放送されました。
リメイク版では、「ペロッ...こ、これは、麻薬!」というシーンはカットされています。やはり子どもが薬物を舐めるというアブノーマルな描写と、小さな子どもが床に落ちた物をマネして舐める危険があることなどからカットされたと考えられます。
──ファンのイメージから生まれたこの3つのセリフがネタとして定着しているのは、ファンの愛が生み出したともいえるので、ある意味そのキャラクターにあったセリフなのかもしれません。
〈文/林星来 @seira_hayashi 編集/乙矢礼司〉
名探偵コナン
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