◆明かされたラムの秘密や『黒鉄の魚影』とのつながり

 実は2022年末から『週刊少年サンデー』で連載中の原作では、ラムの左目にもキュラソーのようなフォトグラフィックメモリーの能力が備わっていることをほのめかすシーンが登場しています。実はラムもキュラソーと同じ能力者だったのかもしれません。そう考えるとラムがキュラソーの能力を買っていたのは、その希少な能力を評価したというよりも、同じ能力を持つメンバーだったからこそ、近しいポジションに置いていたのかもしれません。

 恐ろしいのは『純黒の悪夢』はキュラソーが敵のままだったら脅威だった──という話なわけですが、実はラムもその危険性を有していたことです。今後、原作漫画やTVアニメシリーズでも、映画のキュラソーのような重要な情報をラムが目にしてしまう可能性があるわけで、余計に敵としての厄介さが増してきました。

 

 またラムの抜け目がないのが『純黒の悪夢』でキュラソーを失なったことから、今年公開された映画『黒鉄の魚影』では早くも“側近”として別の黒の組織のメンバーであるピンガが登場していることにあります。このピンガも高い格闘能力を持っていたり、コナンの正体に迫るなど危険な人物でした。人選についてもラムという人物が高い能力を持っていることが分かる映画でした。

 今後も続々とラムについての情報はアップデートされていくでしょう。その度に『純黒の悪夢』も『黒鉄の魚影』も見え方が変わっていくのかもしれません。実はまだ明かされていない秘密がこれらの映画に眠っている──なんてことがあっても、おかしくはないのでしょう。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『東宝MOVIEチャンネル』より


名探偵コナン
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