2015年4月〜6月に放送された『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(以下、ダンまち)。ラストで見事な成長を見せてくれた主人公・ベル・クラネル(以後ベルくん)。彼がファイアボルトを撃ちまくるところなどは、涙してしまった。そして、2019年7月より『ダンまち』の2期が始まった。
『ダンまち』の原作は、大森藤ノ氏によるライトノベルであり、最近数多く作られている「異世界転生+チート+ハーレムモテモテ物」ではなく純粋な異世界物というところがポイント。
主人公があまり強くない
ネタバレになるので細かい部分は省くが、ベルくんはそんなに強くはない。あくまでもそんなにではあるが。チート状態で転成し、無双状態でバッタバッタと容赦なく敵キャラをなぎ倒していく他作と違い、徐々にレベルアップしていくのである。ベルくんも1期終了時にやっとレベル2になったというほど、レベルアップが難しい世界。強い敵と出会ったら、まず負ける。そして勝つために行うのは昭和の香り漂う「特訓」である。師匠のように慕う憧れの女性アイズ・ヴァレンシュタインに滅多打ちにあいながらも必死で食らいついていく。
そんなベルくんは実にけなげだ。つけられた二つ名も未完の少年(リトル・ルーキー)。多くの女性キャラクターもベルくんのそんな純粋無垢なところにメロメロになっていくのである。
2期では第9話の時点で、ダンジョンに潜ってはいない。パーティーメンバーの結束・充実を図っているストーリー展開だ。1期ラストほどの高揚感は今のところないがアクションシーン含め見応えは多いのでクオリティーは高い。
同じ異世界物『ありふれた職業で世界最強』と『ダンまち』を比較
対比の一例としてこれまた2019年夏アニメとして始まった、『ありふれた職業で世界最強』を上げたい。
こちらは純粋な「異世界転生+チート+ハーレム物」である。序盤こそ絶望スタートであるが、ちょっとしたラッキーによりチートレベルの強さを手に入れて、ダンジョンラスボス以外はらくらく攻略といった運びとなっている。ダンジョンがあちこちにあるという設定のせいでもあるのだが、第4話であっというまに最下層100階にたどりついてしまう。『ダンまち』では1期ラストではまだ18階層。どれだけチートなのかと驚くばかりだ。『ダンまち』ではベルくんの成長物語と仲間との絆に重きを置き、『ありふれた職業で世界最強』では軽さ・テンポの良さを重要視していると言ったところだろうか。
『ありふれた職業で世界最強』のアニメ制作会社はアスリードと『Re:ゼロから始める異世界生活』でおなじみのWHITE FOX。アニメーションのクオリティーはアクションシーンも含めなかなかのクオリティーなので、ダーク展開となる今後に期待したい。
『ダンまち』の制作体制が気になる
さて、最後に『ダンまち』の制作会社にもふれておきたい。
こちらの制作はJ.C.STAFF。今季は、『映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説』、『まちカドまぞく』、『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』、『とある科学の一方通行』とテレビ4作品、劇場版1作品と大活躍である。TV4本同時進行などどのような制作体制で進行しているのかとても気になる。むしろスタッフがチートスキルあるんじゃないかと思うほどだ。『ダンまち』2期がどこまで描かれるかはわからないが、最後までこのクオリティーで突き進んで欲しい。
(Edit&Text/BABERU)
◆CHECK!!
©大森藤ノ・SBクリエイティブ/ソード・オラトリア製作委員会 ©大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち製作委員会 ©Silbird, Inc. published by GREE, Inc. ©Wright Flyer Studios ©GREE,Inc. ©Super Appli,Inc.