『ドラえもん』には、作品のファンであっても「こんな設定があったのか!」と驚くような、忘れられがちな設定がいくつもあります。
たとえば、スネ夫に弟がいることや、とあるガキ大将キャラの趣味が女の子じみたものであることはあまり知られていません。
『ドラえもん』は長寿作品であるため、さまざまな設定が忘れられているのも仕方がないこと。あまり知られていない意外な設定には、どのようなものがあるのでしょうか?
◆スネ夫には「スネツグ」という弟がいた
多くの人はスネ夫を一人っ子だと思っているかもしれませんが、実はスネ夫には「スネツグ」という弟がいます。
スネツグがアニメに初めて登場したのは2006年5月5日に放送された「ドラえもん スネ夫の弟登場!? スネ夫は理想のお兄さん」です。
このエピソードでは、スネ夫とそっくりな顔をしたスネツグがメインキャラクターとして登場しました。
のび太に「きみはお兄さんが好き?」と聞かれ、スネツグは満面の笑顔で「大好き! 尊敬してるよ」と答える場面を見た視聴者はX(旧Twitter)などのSNSで「素直でかわいい!」「兄は違って優しい良い子」といった好意的なコメントをしていました。
そんなスネツグですが、なぜ『ドラえもん』の作中であまり登場しないのでしょうか? その理由は、彼がニューヨークにいる叔父の養子になったからです。
スネツグは幼い頃、スネ夫と一緒に住んでいたようで、しずかちゃんと再会したときに「ちょっと見ないうちに大きくなったわね」と話しかけられていました。
アニメ以外でも『藤子・F・不二雄大全集』第2巻に収録されている「お化けたん知機」や、同書籍の第4巻「お返しハンド」などに登場しており、アニメ版よりもイタズラっ子でスネ夫に似た一面を見せています。
◆ドラミちゃんには「何人もの彼氏」がいた
ドラえもんの妹のドラミちゃんには、公式設定で彼氏がいることが明かされています。しかも、その相手は1人だけではありません。
そんなモテ女子のドラミちゃんのお相手の中でも、知名度が高いのはドラ・ザ・キッドでしょう。
ドラ・ザ・キッドはゲーム『ドラえもん 友情伝説ザ・ドラえもんズ』の中でドラえもんの友人の1人として登場し、その後も映画『ザ☆ドラえもんズ シリーズ』などの作品でも人気のキャラクターとなりました。
アメリカ出身で、好物はケチャップとマスタードをかけたどら焼き。職業は保安官代理で、特技は射撃や投げ縄……といった、アメリカンな猫型ロボットです。
普段は恥ずかしげもなく歯が浮くようなセリフを口にするプレイボーイですが、ドラミちゃんに対しては「へちゃむくれ」と言ってからかう一面もあります。
ドラ・ザ・キッドの告白のシーンはないものの、映画『ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?』では、ドラ・ザ・キッドが「言っただろ? お前だけは絶対に守るってな」とドラミちゃんに言うシーンがあり、ラストシーンでもお互いに見つめ合いながら頬を染めています。
このように、90年代のアニメではドラ・ザ・キッドがドラミちゃんの彼氏としてほのめかされていますが、『ドラえもん』を原作とする方倉陽二氏の漫画『ドラえもん百科』では、別のキャラクターがドラミちゃんのボーイフレンドとして登場しています。
この本では、毎日デートに誘いにくる隣人「まねき君」、ロケットでドラミちゃんに会いにくる「なり金君」、いつもニコニコ笑顔の「ポテト君」、そしてスターの座を捨ててドラミちゃんのボーイフレンドになった人間顔のイケメン「ペルシャ君」の4人のボーイフレンドが明らかされています。