2020年11月20日、ついに『STAND BY ME ドラえもん2』の公開がスタートしました。

<画像引用元:https://doraemon-3d.com/pc.html より引用掲載 ©Fujiko Pro / 2020 STAND BY ME Doraemon 2 Film Partners>

 当初は新型コロナウイルス感染症の影響により、年内公開ができるのかどうかも心配でしたが、なんとか年末のこの時期に滑り込むように公開を果たすことが出来ました。

 早速、本作を観てきたわけですが、個人的な注目はやはり“ドラ泣き”させられてしまうのか、どうかだったりします。

◆今年は“ドラ泣き”できるのか!?

 『STAND BY ME ドラえもん』といえば忘れてはいけないのが、惹句である“ドラ泣き”。前作の映画で、涙を浮かべるドラえもんの姿が印象的なように、本編も原作の感動エピソードてんこ盛りの感涙必須の内容となっていました。

 そして、今回続編となる『STAND BY ME ドラえもん2』ではその“ドラ泣き”もパワーアップ。IMAX上映も実施されるということでIMAXポスターでは“ドラ泣きマックスIMAX”というフレーズが、ポスターなどには添えられました。

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 果たしてドラ泣きはできたのでしょうか。

◆やられた!やはりおばあちゃん強し!

 大前提として私、涙腺はかなり弱い方ではあるのですが、『STAND BY MEドラえもん2』でまんまと涙を流してしまいました。そうです、ドラ泣きしてしまいました。

 感動を強要するようなフレーズに疑問を感じなくもないので、どこか泣いてたまるかという気持ちはあったのですが、まんまと涙させられてしまいました。

 その感涙してしまったシーンというのが、やはりのび太のおばあちゃんのシーン

 のび太のおばあちゃんは予告編などにも登場しており、原作でも感動的なエピソードである「おばあちゃんのおもいで」が引用されるのだろうな、と予想はしていたので、原作からそのまま描かれた展開こそ涙してしまうことはありませんでした。

 しかし、今作ではしっかりリメイクするにはあたって独自の展開が用意されており、そのアレンジの結果、おばあちゃんがクライマックスで見せる“ある顔”を見せたとき、溢れる涙を止めることができませんでした。

 悔しいですが、敗北です(勝負ではないので変な話ですが)。

◆感動よりも注目して欲しいのはそのグラフィック?

映画 ドラえもん スタンド・バイ・ミー2 ドラ泣き 画像<画像引用元:https://doraemon-3d.com/news/ より引用掲載 ©Fujiko Pro / 2020 STAND BY ME Doraemon 2 Film Partners>

 ただ、実はそんなストーリーの部分よりも『STAND BY ME ドラえもん2』で感動したのはもっと別の部分。私がもっと感動をしたのは3Dで再現されたドラえもんたちの世界です。

 第1作目では、原作からの引用が多かったので、どちらかといえばその原作の読後感と比較するような形で見てしまって、落ち着いて映画を見られませんでした。

 対する今回の『STAND BY ME ドラえもん2』では、原作のドラえもんからの引用は抑えられていたおかげもあってか、よりオリジナルに近い映画として本作を鑑賞でき、細かい美術の美しさに気を配れるようになりました。

 未来ののび太たちの服装や、生活様式、さらには結婚式の設備に到るまで、昭和時代の未来予想図から、もっと現代人がイメージしやすい現実的な未来世界として描かれていて、面白かったです。しかもそれがドラえもんの世界観からは逸脱しない落とし所になっているのが見事。3DCG化したキャラクターの質感は、前作でも感心しましたが、その世界観の再現に今回やっと気付かされたような気がします。

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◆改めて再評価したくなる過去のドラえもん映画

 そして今回『STAND BY ME ドラえもん2』を観て、改めて過去のドラえもんの映画シリーズを見返したくなったりもしました。

 今回の『STAND BY ME ドラえもん2』では、原作の「おばあちゃんのおもいで」や「ぼくの生まれた日」といったエピソードが、ストーリーのドラマ性を高めるような形で引用されています。これらのエピソードが好きな身としては、少し扱いがぞんざいだとも思ったのですが、冷静に考えれば、それぞれがすでに真正面からアニメーション化を果たしているエピソードでした。

 今回の映画で引用されているエピソードは2000年に公開された『ドラえもん のび太の太陽王伝説』の併映作となった「おばあちゃんの思い出」や、2002年に公開された『ドラえもんのび太のロボット王国』の併映作となった「ぼくの生まれた日」として映画化済み。

 これらの中編が原作の展開を見事に映像化していたからこそ、『STAND BY ME ドラえもん2』での引用のされ方が気になってしまうのはしょうがないのでしょう。

 それぞれのエピソードへの思い入れを昇華するべく、これらの過去の中編映画をもう一度見返したくなる。そんな映画でもありました。

 毎年上映されている2Dアニメーションの映画ドラえもんシリーズとは違った、自分のドラえもんに対する思いが溢れる『STAND BY ME ドラえもん2』はやはり不思議な映画。しっかりドラ泣き以上のいろんな気持ちも溢れ出た映画だったので、変に毛嫌いせずに観に行って良かったです。

 泣かされてしまったのはもちろん悔しいけど、菅田将暉さんがエンドロールでいきなり「泣いていいんだよ」と歌ってなだめてくれるし、良いのです。ドラ泣きしても。

(Edit&Text/ネジムラ89)


映画『STAND BY ME ドラえもん 2』公式サイト

©Fujiko Pro / 2020 STAND BY ME Doraemon 2 Film Partners

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