ON AIRされるやいなやたちまちそのシュールなストーリーが話題を呼び、人気を集める夏アニメ『ダンベル何キロ持てる?』。
原作者・サンドロビッチ・ヤバ子さんの作品『ケンガンアシュラ』(ケンガンアシュラもNetflixにて2019年7月から放送なので、同クールアニメとなる)と世界観を共有していると聞いて、最初は「また刃牙っぽいのかな?」と思っていたら、めっちゃマッスルJKコメディーであった。ひさびさにアニメを見て腹を抱えて笑った。
アニメでは『ゆるキャン△』や『SHIROBAKO』など、特定のジャンルについて勉強になるハウツー作品のフォーマットをとりつつも、要所要所に入る玄田哲章さんのツッコミナレーションが『ちびまる子ちゃん』並みにキレッキレ。コメディーにありがちな「寒さ」がまったくない。
そんなアニメ『ダンベル何キロ持てる?』もそろそろ最終回を迎える。
そこで今回は、改めて本作の魅力を振り返っていこうと思う。
『ダンベル何キロ持てる?』の影響で筋トレを始めた人も多いのでは!?
ハウツー的にはARタグかと思うほど食べ物にちょいちょい入るカロリー表示が飯テロとは真逆に食欲を減退させ、肉のお兄さんの「街雄トレーナー筋トレ講座」ではジムでの本格的な筋トレ方法を毎週毎週おしえてくれ、さらに番組最後には部屋でもできそうな筋トレ方法をレクチャーしてくれる。もう至れり尽くせりのアニメである。
これで痩せようとか、ダイエットに挑戦してみようと思った人は多いのではなかろうか。かく言う私も毎週アニメを見ながら、教えてもらった筋トレにチャレンジしてみている。あぁハマってるなぁ(笑)。
観ているこちらが共感しやすい
ここまで読んで作品をまだ観ていない方は、本作をダイエットして大会とかを目指す「スポ根もの」(?)と思うかも知れない。 しかし、そうはならないのが今作の最大の魅力であろう。
主人公の紗倉ひびきは、筋肉バキバキのマッスルボディーになりたいというわけではなく、彼女は単純に「痩せたい」、「もてたい」というありがちな思考の持ち主であり、ストイックに「ダイエットするぞー!」「大会で優勝するぞー!」という雰囲気はひびきからは全く感じられない。
さらにはすぐ挫折したり間食したりとダメあるあるも満載で、観ているこちらも共感しやすいのがまたよい。どちらかというと、ネガティブな要因を笑いに昇華させてているとても優れたコメディー作品に仕上がっている。
「KADOKAWA Anime Channel」も大人気!
そしてさらに作品を後押ししているのが、武田真治さんの筋肉体操や、なかやまきんに君さんが『仮面ライダーゼロワン』で演じた“腹筋崩壊太郎”だ。これらが、筋肉ブームの先駆けではないだろうか。制作陣は計算しているのだろうが、実にタイムリーな時期にアニメ『ダンベル何キロ持てる?』をON AIRしている。特になかやまきんに君は特別トレーニング動画としてYouTubeにひびき役のファイルーズ愛さんとともに『なかやまきんに君とファイルーズ愛のナイスバルク!』シリーズを「KADOKAWA Anime Channel」上に公開し人気を博す。これは、あらゆる方面から作品を上手に盛り上げている、新しいメディアミックスの形かも知れない。
――『ダンベル何キロ持てる?』にはここでは語り尽くせぬ魅力がまだまだたくさんある。話し出したらキリがないので、また次の機会に語らせていただく。
いよいよフィナーレを迎える本作、果たしてひびきたちは我々にどんな活躍を魅せてくれるのか? 最終回ということもあり、名残惜しいが、彼女たちの今後に期待したい。
(Edit&Text/BABERU)
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©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム