突然ですが・・・ワタクシ、映画のエンドロール大好き!!

 と毎年言っているので、もはや突然でもなんでもないのですが、今年も言わせてください。

 ワタクシ、映画のエンドロール大好き!!

 映画の余韻を作ってくれるエンドロールが大好きな私が、今年も勝手に今年良かったアニメーション映画のエンドロールをベスト5のカウントダウン形式でまとめてみました。

 今年はなんといっても“曲”の年。絶妙なエンドロールソングが印象的な一年となりました。

第5位『こんぷれっくす×コンプレックス』

 選曲がキラリと光る映画が多かった2018年でしたが、中でもエンドクレジットに起用される曲で魅かれた作品がふくだみゆき監督による中編『こんぷれっくす×コンプレックス』です。

 2018年は毎日映画コンクールにてアニメーション映画賞を受賞するなど目覚ましい活躍を得まして、それをきっかけに鑑賞の機会が巡り合えました。

 本作のエンドソングは北村瞳さんの「コンプレックス」という曲なのですが、これがなんとも素晴らしい。映画の題材にもあった青春の最中にある心情が歌われた曲なのですが、その高揚感や疾走感が見事映画の本編に合っているのです。それどころか曲のスケール感が見事、中編という本編時間を長編ぐらいの体験に押し広げてくれているのがすごい。本編で味わった体験を増幅させてくれる理想的なエンドクレジットを味わうことができました。

第4位『若おかみは小学生!』

 2018年のスマッシュヒット作品となったアニメ映画『若おかみは小学生!』は、エンドロールも必見でした。なんと本作のエンドロールでは高坂希太郎監督によるイメージボードが起用されています。

 その美術の美しさもさることながら、そこに描かれている内容がまた注目度の高いものばかり。ただでさえ密な本編だったのですが、それに収まりきらなかったであろうエピソードや本編と違いのあるシーンなどが、美術のいくつかから垣間見れます。

 また、藤原さくらさんの歌う起用曲「また明日」が良い味を出しているのも素敵です。藤原さくらさんは、同じく2018年公開作『コードギアス反逆のルルーシュII叛道』でも主題歌「The Moon」も歌っており、こちらも作品の世界観を広げる見事な役割を担っていました。2018年は藤原さくらさんという要注目アーティストを知ることが出来た年でもありました。

第3位『犬ヶ島』

 一見の価値あり! とオススメしたいエンドロールがウェス・アンダーソン監督のストップモーションアニメーション『犬ヶ島』のエンドロールです。

 本作は日本を題材にした海外製作の作品ということで、本編中にも多数の日本モチーフのアイテムや日本語が登場するのですが、それはエンドロールも同じく。なんと英語のクレジットに加えて、その日本語訳も併記されているのです。英語の役職がズラズラ並んでいた洋画のエンドロールといえば、「今までなにが書いてあるのかなー?」と眺めるばかりでしたが、そこにいったい何が書かれているのか、その答えが『犬ヶ島』のエンドロールでは見つけることが出来ます。

 本編内容も珍しい一品でしたが、エンドロールもこれまた珍しい体験ができる仕上がりとなっていました。唯一無二なエンドロールとして限って言えば、2018年では『犬ヶ島』が一番だったとも言えます。

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第2位『ペンギン・ハイウェイ』

 曲の選出が作品の後味を決めるという意味では、見事な後味を残してくれたのがペンギン・ハイウェイでした。『ペンギン・ハイウェイ』の主題歌に起用されているのは宇多田ヒカルさんの書き下ろし曲「Good Night」です。本編のちょっと切ないラストに合った、静かに響く曲調が見事『ペンギン・ハイウェイ』の後味としてマッチしており、良い映画体験だったなぁと本編を反芻させてくれました。

 書き下ろし曲だけに、曲の内容も物語の内容とリンクしており、主人公のアオヤマくんの本編以降の心情を想像させてくれる内容となっています。シンプルでありながら印象に残る特有の歌詞もさすが、宇多田さんといったところです。

 本作の公開時期が丁度夏休みシーズンの終盤のタイミングでしたが、本編と合わせてこのエンドロールが夏休みの終わりを告げているようで、私の今年の夏自体のエンドロールでもあり思い出深いものとなりました。もうこの歳になると夏休みなんてないんですけど、さもあったかのように思える程、懐かしさも伴うエンドロールでした。

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第1位『インクレディブル・ファミリー』

 曲の良さが光る作品の多かった2018年でしたが、ビジュアル面の面白さでも光っていたのが『インクレディブル・ファミリー』です。

 『インクレディブル・ファミリー』のエンドロールではシリーズでもお馴染みのシンプルでカッコイイビジュアルイラストで、本編の出来事をなぞっていくものとなっています。その洗練されたデザインや、ただのイラストではなく少し動きがある仕掛けも面白くて、しかもエンドロールの最後まで楽しめるものとなっているところが、まさにパーフェクトと言えるエンドロールでした。

 加えてエンドソングでは、それぞれのヒーローソングが聞けるのも嬉しいところ。曲調は時代感が感じられるものとなっているのが楽しいもので、その独特のセンスが『インクレディブル・ファミリー』らしくて親指がグッと上がるポイントでした。

 ビジュアル・曲・演出すべてにおいてバランスが取れているという意味で、総合的に素晴らしかったということで『インクレディブル・ファミリー』を2018年の一番として挙げさせていただきました。

 

――その他、アニメエンタメサイト『アニギャラ☆REW』でも別記事でピックアップしたさよならの朝に約束の花をかざろうや、カートゥーンアニメ調のエンドロールがあいかわらず楽しいモンスター・ホテル クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!など上記ランキングには入れていませんが、印象に残る良エンドロールが豊作の一年でした。

 2019年も素敵なエンドロール体験との出会いを期待して、最後までスクリーンに座っていようと思います。早々に席を立たれる方も居ますが、一人でも多くの人が最後までご同席してくれるよう、今年も映画のエンドロールたちも応援して参ります! 「がんばれ!エンドロール!」

(Edit&Text/ネジムラ89)

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