劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の公開に合わせて、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の予告編、そして公開日が発表となりました。

 もともとは2020年6月27日に公開を発表していた本作。しばらく新たな公開日は発表になっていませんでしたが、今回ついに2021年1月23日(土)となることが明らかになったわけですよ。

 タイトルも公開日もなんども変わってきて、ファンにとっては待ちに待った映画だったのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、公開直前にオアズケを食らうことになってしまった映画です。新年早々、爆発的な興行になることが期待できます。

 そんな『シン・エヴァンゲリオン劇場版』ですが、2020年10月初旬に映画が6時間上映になるのではないかと話題になったのはご存知でしょうか?

◆きっかけは『新世紀エヴァンゲリオン』25周年のお祝いツイート

 騒動のきっかけとなったのは2020年10月4日に『新世紀エヴァンゲリオン』の25周年を迎えた制作会社である株式会社カラーによる庵野秀明監督からのメッセージを伝えるツイート。

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 このツイートでは、庵野秀明監督からファンへの感謝の言葉に加えて、1993年に制作された『新世紀エヴァンゲリオン』の最古の企画書の表紙、さらには『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の最終ブロックの最新ラッシュ画面が一緒に投稿されました。

 最古と最新のエヴァンゲリオンの制作跡が並ぶ印象的な投稿だったわけですが、この最新ラッシュ画面が一部で話題になる事態へと発展しました。

 それはラッシュ画面の上部に表記された数字の羅列。「:」(コロン)で区切られたその数字には、5:59:50:00と記載されていたのです。

 これを見て、もしかして『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は6時間級の長編になるのではないかと話題になったのです。

◆『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は6時間……ではない?

 『TENET』『アベンジャーズ/エンドゲーム』など、最近は2時間を大きく越えたり、3時間にまで至る長編映画も増えてきました。とはいえ、流石に6時間というそんな大長編作品は、大規模な商業作品では異例の事態すぎるのも確かです。

 ただ、これまで多くの“異例”を生み出してきた『エヴァンゲリオン』であればやってもおかしくない。そもそも制作期間がこれだけ伸びたのも、その上映時間のせいなのかも、なんて予想もできてしまい、エヴァだからこその確証の持てなさが残る事態となりました。

 結局このツイートから三日後、再び株式会社カラーがこの画像に関して追記のツイートを投稿。“6時間とか絶対あり得ませんので”と前置きの上、この5:59:50:00という数字は、タイムコードと呼ばれる作業上必要となるパートを納めることを示す管理上の数字であり、各パートの上映時間を示しているわけではないことを発表しました。

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 6時間トイレを我慢するようなことにはならないということで、一安心。我々の膀胱は守られたワケですよ。

◆垣間見えるアニメーション制作体制の変化

 解説のツイートには、ロールに分けられた『新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生』(1997)のフィルム画像も新たに添えられ、かつてはデジタルデータではなくフィルムで制作されていたことが語られています。

 今ほどデジタル技術が発達していない時代では、収録できる量が限られていたフィルムを、いくつも用いて映画を制作していました。実際に添えられた写真には“7巻之1目”という表記もあることから、写真に写っているよりも多くのフィルムが用いられたことが、わかりますよね。

 デジタルデータになり、フィルムの時代からは考えられない量の制作データを手軽に管理できるようになったわけですが、作業自体は以前のフィルム時代の名残で、データとして擬似的にロール分けして管理しているそう。今回の騒動から思わぬ形で、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のデータの管理の仕方の解説が得られました。

 なかなか表立って解説されるようなことのない内容なのですが、今回のように制作中の状態も披露してくれるのもエヴァならではですし、誤解が発生しそうな事態になれば丁寧な解説をしてくれるのもエヴァならでは。手厚いファンサービスをしながらも、制作時間には延期も辞さずにじっくり時間を割く姿勢からも、新作映画ではあっと驚く映像を用意してくれているのではないかと期待をせずには要られません。2021年、満を持して登場する『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を楽しみに残り数ヶ月を生き抜いていきましょう。

 とはいえ、たとえ6時間じゃなくなったとはいえ、上映前にトイレへ行っておくのは忘れずに。トイレを我慢して映画に集中できないなんて事態はもったいないですからね。

(Edit&Text/ネジムラ89)


エヴァンゲリオン公式サイト

©カラー/Project Eva. ©カラー/EVA製作委員会 ©カラー

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