ガンダムよ、このザクを倒せるか。
このフレーズがまさにビシッとハマるようなザク大活躍映画が登場です。
6月3日(金)より『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の劇場上映とBlu-rayの劇場先行販売が始まりました。
本作は言わずと知れた『ガンダム』シリーズの記念すべき最初の作品にあたるTVアニメ『機動戦士ガンダム』(1979)の第15話「ククルス・ドアンの島」をベースに一本の長編作へと翻案した長編作品となっています。
作品の冒頭でもその主旨は明示されるのですが、本作の監督を務めた安彦良和氏がTVアニメの内容を再編した漫画作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を踏襲した設定も内在していたりと、元のTVアニメシリーズと単純に地続きではない内容となっています。
とはいえ、要所要所のシーンは、確かに第15話の『ククルス・ドアンの島』だ、と感じる内容になっているのも事実。元は30分もない物語を今回、いかにして100分以上の作品へと再映像化したのでしょうか?
◆ドアンは変わっていなかった?
映画化された『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』と元のTVアニメ版との違いは、挙げていけばキリがないほど、いくつも見つかります。
TVアニメではドアンが保護している子どもたちが数名だったはずが、今回は20人もの大所帯になっていたり、年長者としてアムロと印象的な交流を交わす少女、ロランが居なくなり、代わりにデザインこそ異なりながらも立ち位置としては似ている少女、カーラが登場していたり、ドアンたちが住処としている場所もログハウスから廃灯台に変わっていたりと、タイトルになっているドアンの周辺の環境だけでも多数の違いが見つかります。
一方で、肝心のドアンの設定は元の物語からはほとんど変わっていません。
自らも参戦した戦争で親を亡くした子どもたちを目前にし改心。所属するジオン軍から脱走し、無人島で子どもたちと暮らしており、島へ訪れる軍人たちは自機のザクで葬り続けている……。その人物像は確かにかつてのTVアニメで描かれたドアンと同様のものでした。
そんなドアンと出会うアムロ。いざこざがあった上でのアムロが最後に起こすアクションに至るまでも、TVアニメ版の内容を踏襲しており、違う部分はいくつもありながらも今作は紛れもなく「ククルス・ドアンの島」でした。