スタジオジブリの新作映画『君たちはどう生きるか』の公開がはじまったのとあわせて、久しぶりに過去のスタジオジブリ作品を観たくなったという人もいるかもしれませんが、驚いたことに、いま日本ではスタジオジブリ作品はNetflixやAmazonプライムビデオなどの動画見放題サービスでは一切配信が行われていません。
実はいま、日本ではスタジオジブリの過去作品を観るハードルがどんどん上がっている状態にあります。ジブリ作品は果たしてこのまま動画配信をしないまま、進んでいくつもりなのでしょうか？
◆スタジオジブリの過去作品を観る方法は？
現在、スタジオジブリの映像作品を観る方法は限られています。販売されているソフトを購入する方法、そしてレンタル店でソフトを借りる方法の2つです。
多くの映画が動画見放題サービスなどでの配信や販売などを行なっている中、スタジオジブリ作品は現在も頑なにデジタル配信を行なっていません。
輪をかけて悩ましいのは、後者のレンタル店自体が減っている点にもあります。かつてはCDやDVDのレンタルサービスで活躍したTSUTAYAは、2023年以降だけを数えても50店舗以上がすでに閉店、もしくは年内の閉店を発表しています。
テレビやDVDやブルーレイの再生機器をそもそも持っていないという人も多くなっている現在、映像配信サービスで配信されていないスタジオジブリ映画は、他の映画たちに比べて相対的にもかなり視聴のハードルが高いコンテンツとなってきていると言えるでしょう。
◆実は海外ではスタジオジブリの配信は解禁済み？
驚くべきはスタジオジブリ映画のアーカイブを辿るのは、海外の方が手軽だということにあります。実は2020年2月よりNetflixにてスタジオジブリの長編映画の配信がすでに開始されています。
ただし、残念なことに日本とアメリカのみは配信対象国からは外されており、日本でNetflixを契約をしても、ジブリ作品を楽しむことはできません。スタジオジブリ作品はデジタル配信をしないのではなく、国外ではしれっとすでに始まっていたのです。
VPNを使って海外のサーバーからアクセスすることで、日本に居ながらも海外のNetflixを観るといった方法も合法的には存在はするものの、有料のVPNサービスに別途契約するなど一手間かかったり、無料のVPNサービスなども存在する一方で情報流出のリスクがあったりと、存在事前に仕組みを理解しておく必要があるため、お手軽に観られるものでもないのが現状です。
アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。
