週刊少年ジャンプにて現在連載中の人気漫画『銀魂』

 連載当初は打ち切り寸前の噂が流れ、連載2年目でアニメが放映されるも早々にゴールデンタイムから下されるなど、様々な過去のあった当作品でした。

 しかし気がつけば、連載から13年、コミックスも2018年1月時点で71巻まで発売され、2006年から始まったアニメも途中放映終了などもありましたが、現在最終章である「銀ノ魂篇」が放映されており、今ではジャンプの看板作品の一つと言っても過言ではないほどの人気となっていきました。

銀魂.銀ノ魂篇

画像引用元:銀魂.銀ノ魂篇 1(完全生産限定版) [Blu-ray]販売元:アニプレックス

 普段はだらしのないボケに下ネタ、人気作品のパロディなど怖いもの知らずなギャグ漫画のイメージが強いです。が、時折挟まれる長篇(普段は1〜2話限りの短篇が多い)では、いつもとは全く違うシリアスな展開が多く、主人公の坂田銀時やヒロインの神楽、攘夷戦争時の仲間であった桂小太郎高杉晋助坂本辰馬らの過去が明かされる重要なストーリーに繋がっていることもあり、その大きなギャップこそが『銀魂』の魅力の一つになっております。

 現在連載・放送されている最終章「銀ノ魂篇」では、今まで登場してきたキャラクターが再度登場して、本作の舞台である「かぶき町」を守るという展開が続いており、状況は今までのシリアス長篇とは比べ物にならないほどなのに普段のボケ(とメガネのツッコミ)が入っている、まさに銀魂の集大成と言える長篇になっています。

 しかしその前の長篇では、ほとんどがシリアスストーリーであったこと、そして『銀魂』では滅多になかった「重要キャラが死亡する」展開がおきました。亡くなったのは「さらば真選組篇」にて、真選組と対をなす警察組織「見廻組」隊長の佐々木異三郎、そして「将軍暗殺篇」で、当時現役の将軍であった徳川茂茂の2人でした。

 10年以上の連載でメインキャラが死なないのはよくあるかと思いますが、『銀魂』ではメインでもないキャラですらほとんど死んだことはなかったのです。あるとしても長篇・短篇での出演限りが多く、全体を通して出演しているキャラでは稀でした。この2人が亡くなったことで、ストーリーは大きな展開を迎えます。

 今回は、その2人が亡くなった理由について振り返ってみたいと思います!

2人の初登場はいつ頃?

 徳川茂茂の初登場は、原作第百二十八訓『運に身分は関係ない』でした。

徳川茂茂 銀魂

徳川茂茂
画像引用元:銀魂-ぎんたま- 27 (ジャンプコミックス) 空知 英秋 (著)  出版社:集英社

 メインキャラのメガネ……じゃなくて、ツッコミ要因の志村新八の姉である志村妙が働くキャバクラ「スナックすまいる」にて、要人が来るにもかかわらずスタッフのほとんどが風邪を引いてしまうというピンチの事態が発生。

 銀時率いる万事屋一向に、元御庭番衆で銀時のストーカーになった猿飛あやめ、将軍家に仕える名家の跡取り娘の柳生九兵衛らが助太刀に入るというお話だったのですが、その要人こそが、まさに将ちゃんこと徳川茂茂でした。

 今見ると、あやめと九兵衛はそれぞれ茂茂と何かしらの関わりがある2人だったのですが、この時将ちゃんは何を思っていたのでしょうか。……恐らく、初めてのキャバクラで興奮していて気づいていなかったかもしれないですね(笑)

 続いて、佐々木異三郎の初登場は、第三百六十五訓『チェケラ!!』でした。

佐々木異三郎 銀魂

(右)佐々木異三郎、(左)今井信女
画像引用元: 銀魂 モノクロ版 42 (ジャンプコミックスDIGITAL) 空知 英秋 (著)  出版社:集英社

 この回は真選組の鬼の副隊長である土方十四郎の過去が明かされる長篇「バラガキ篇」の始まりであり、佐々木家の1人で攘夷軍団にも属していた佐々木鉄之介を、真選組が引き取るというところ。登場時は「真選組のファン」であり「エリート」を自称する嫌味な人という印象でしたが、その割にメールでは「心配だお☆」と、仕事を依頼した銀時に送るなど、これまた強烈なキャラクターでもありました。またこの時に、見廻組の副隊長である今井信女も登場しています。

 この「メール」と今井信女は、佐々木異三郎にとってとても重要な要素であったとは、当時誰が思ったでしょうか。

ストーリーが大きく動いた「一国傾城篇」

 最初は遊郭吉原の伝説の花魁である鈴蘭と出会った銀時が、(なんやかんやで)吉原自警団団長の月詠とともに鈴蘭の思い人を探すという内容でしたが、その背景には先代将軍の徳川定定が関与していたことから、万事屋と月詠、今井信女が幕府の警察を巻き込んだ「国盗り合戦」に発展していくのが、第三百八十六訓『傾城逆転』から始まる「一国傾城篇」です。

 今までの長篇では、重要キャラとの確執であったり過去が明かされる内容が多かったのに対し、今回は銀時の過去だけではなく、攘夷戦争時の一部の話や銀時らの先生である吉田松陽について触れられること、そして何よりも幕府たる将軍家とそれを裏で操る天導衆との関係が明かされるといった、普段とは一線を画す重厚感溢れるストーリーとなりました。

 今までの登場では必ずギャグキャラとして描かれた茂茂がボケをかます事なく「将軍」として登場していたのも、大きな特徴と言えます。

 終盤、定定を引き取りにきた天導衆の前に茂茂が現れ、解官詔書(将軍を辞するという書面)を投げ渡して

「お引取りを。ここは侍の国に御座る」

 と言い放ったシーンは、まさに「将軍」そのものでした。

 異三郎も最初は将軍らの護衛を任され、また先代将軍の命によって暗殺されてしまい(未遂に終わりましたが)、前回では敵対していた真選組と共闘して銀時らを援護を行うといった、異三郎の真意がより分からなくなるような動きを見せておりました。

 その後、次期将軍の座を狙っていた一橋派との繋がりに気づき、茂茂を下ろしたのも今回の計画ではないかと真選組に睨まれましたが、異三郎自身は「もっと大きな大法螺に付き合っている」といい、将軍の挿げ替えが目的ではなかったことを示唆しました。

本当に暗殺されてしまった「将軍暗殺篇」

 第五百二訓『光と影の将軍』から始まったのが「将軍暗殺篇」です。

 「一国傾城篇」以降、一橋派の手による茂茂の暗殺未遂が行われ、茂茂は身を案じるため朝廷がある京へ向かいます。そしてそれを狙った一橋派と手を組んだ高杉晋助率いる鬼兵隊と神威率いる春雨に対し、万事屋と猿飛あやめに服部全蔵率いる元御庭番衆、真選組らが茂茂を守るために死闘を始めました。

 この長篇では、銀時と晋助、神楽と神威という因縁ある者同士が戦うファンが待ち望んでいた展開があった他、茂茂が小さい頃に全蔵ら御庭番衆と一緒に稽古を受けていたという過去が明かされました。

 最終的に京への護送は無事に済んだのですが、茂茂の元へと戻ってきた部下の者らに挨拶を行った際、裏切り者が毒針を茂茂の手に刺したことで、無念にも茂茂は倒れてしまいます。

 そして、最期は妹であるそよ姫が淹れたぬるいお茶を飲んだ後に

「ただの兄に戻っても…お前のいれた茶は…やっぱりぬるいな…」

 と言い、そよ姫の膝元で息を引き取ってしまいました。

 長期間登場した重要キャラが初めて死んだことにより、ファンの間には衝撃が走りました。そして茂茂が亡くなった事で、次の長篇に続くことになります。

ついにラスボスの登場「さらば真選組篇」

 第五百二十五訓『3杯の盃』。徳川茂茂が暗殺されたことにより、一橋派の代表である一橋喜喜は名実ともに次期将軍となり、徳川喜喜を名乗るようになります。

 そして将軍の命により、茂茂を暗殺から守れなかったという名義で、真選組隊長の近藤勲と警察庁長官の松平片栗虎は斬首を言い渡され、黒縄島という監獄のごとき島に監禁されてしまいます。真選組は瓦解し、警察庁長官には見廻組隊長の佐々木異三郎が就く事になります。

 将軍に背いた罰として同様に黒縄島に入れられた桂小太郎は近藤と共闘し、3人で脱出を図ります。そしてバラバラになってしまった真選組に、リーダーがいなくなった攘夷志士も手を組んで、3人救出のため黒縄島に向かうのでした。

 この長篇では遂にラスボスと思われるが登場、吉田松陽の本当の姿がついに明かされました。この黒縄島での騒乱は異三郎が意図したものであり、彼はこの腐った国そのものを、自身とともに消し去ろうと考えていました。

 その中には、過去に真選組の結成に関わっていた事、真選組らを幕府の陰謀から守ろうとした結果天導衆の朧に気づかれ、産まれたばかりの娘と妻を暗殺されていた壮絶な過去が分かります。

 また家族を殺された時、その場にいた子供の殺し屋である骸を自らのそばに置き、復讐の道具として使う事を決意しますが、実際は骸は家族を守るために来ていたと異三郎は気づいていました。

 そして次第に情が移っていき1人のパートナーとなっていき、見廻組として活動する際に「骸なんて物騒な名前はよくないので、今井信女と名乗れ」と、自分の娘につけるつもりであった“信女”を与えたのでした。

 最期は、黒縄島からの脱出を阻む虚らの攻撃により落下。脱出用の船まで一緒に担いで来た信女と鉄之介を助け、今まで届かなかったメールがやっと届いたのだと安堵した顔つきでした。

この2人は果たして「死ぬ」意味はあったのだろうか?

 結論を先に言うと、2人の「死」はとてつもなく大きい意味があると思います。ストーリーの折り返しやどんでん返しとして重要なキャラクターが死亡するというのは、どのジャンルにも限らず常套手段ですよね。話を新しい方向性に持っていくなり、主人公らの決意を固めるきっかけにすることができる簡単な方法とも言える分、やり方が安易とも受け止められることもあります。いわゆる「死亡フラグ」という言葉も、この手法を使ってキャラクターを死なせば感動的であろうという作家の知恵が多様化されて一般化したものであると考えられるのです。

 さて上記でも説明した通り、『銀魂』では全体を通してキャラクターが死ぬということはほとんどありませんでした。「真選組動乱篇」の伊藤鴨太郎や「吉原炎上篇」での鳳仙など、亡くなる場合でも「救済」を取って終わらせるというパターンもあります。ほとんどの問題や事件について、『銀魂』は「救う」という手段を持って解決をしてきたののだと思います。

 あれだけ多くのキャラクターが登場しているにも関わらず、死んでいるキャラが少ないのはなかなか珍しいのではと思いました(よくよく考えたら『ワンピース』や『とある魔術の禁書目録』も、大勢が出る割に死んだキャラが少ない印象がありますね)。それだけに、この2人が本当に死んだのは「将軍が、警察庁長官が死ななければ動けない状態」だったのではと考えます。

 実際、茂茂が亡くなったことで「新将軍の誕生」、「近藤、松平の失脚」、「佐々木の昇進」ができ、「さらば真選組篇」に続いたわけです。茂茂が生きている限りストーリーを大きく動かすのは難しかったのかもしれないです。

 佐々木異三郎も同様で、彼の死によって徳川喜喜は警察組織の一新を図るわけですが、その反動で今まで警察内で溜まりに溜まった不満が爆発。見廻組は事実上解体し、真選組についていく人が出てくるようになり、その真選組も「討幕のため」狙われやすい江戸から一時的に下野し討幕の機会を図るようになります。

 そして万事屋メンバーが烙陽で春雨軍団の神威や虚と戦を交えるなか、ボロボロになった幕府のスキを突くように、「銀ノ魂篇」で登場するアルタナ解放軍が江戸に押し寄せていたのでした。状況の善悪はともかく、ここまで事態を大きく動かせたのも、重要なポジションにいた佐々木異三郎の死がどこまで大きなターニングポイントであったかが分かります。

 個人的にも好きな2人なので死んでほしくなかったなぁ……と思っていますが、じゃあこの2人の死なしでどういうストーリーになっていたのか? と考えると、ただ死なせたわけでは全くないんだなと感じさせられました。

 「銀ノ魂篇」でも、実はまた重要なキャラが亡くなっています……。『銀魂』最終章、アニメはいったいどこまで突き進んでくれるのか、これからが楽しみです。

(Edit&Text/頭皮ぱっしょん)

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