◆主人公が途中で代わるという異例の作品!──『ガンダムSEED DESTINY』
<画像引用元:Amazon.co.jpより>
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主人公、シン・アスカは、前作の主人公、キラ・ヤマトに主人公の座を物語後半で奪われます。そのため、主人公のシン・アスカにとって鬱な作品となりました。
シンはザフト軍に所属しており、戦士としての才能は前作の主人公のキラ・ヤマトに対抗できるほどでした。現に前半では見せ場がなかったシンも覚醒してからは多大な戦果を上げます。
しかし、シンが好意を寄せていたヒロインのステラが間接的にキラに倒される展開に。しかも、物語が進むにつれザフト軍が悪役へと変わっていき、最終話ではザフト軍vs.地球連邦軍&オーブの展開を迎えます。
シンはかつての上官、アスランと戦うも敗北して退場。最後はザフト軍のボスであるデュランダルとオーブ軍のキラが決着をつけ物語に幕を引きました。
アニメ最終話を描いたエピソードでは、シンはキラと和解しオーブ軍に所属するような描写がありましたが、本作は彼にとって鬱展開以外の何ものでもないでしょう。
『ガンダムSEED』は2021年に続編となる映画の制作が発表されましたが、詳しい情報はまだ明かされていないので、誰が主人公になるかは分かっていません。
主人公の座をとられたシンには頑張ってほしいですが、やはり『ガンダムSEED』シリーズには欠かせないキラもしくは、新たなキャラが主人公になるかもしれませんね。
──ガンダムシリーズは「戦争」というテーマから主人公が悲惨な目にあったり、主要なキャラクターが死亡したりする鬱展開が多い作品です。
しかし、戦争を語るうえで、つらい経験や仲間の死は避けられません。
重いテーマを扱い、リアルな戦争をアニメに投影するガンダムでは鬱展開は必然なのかもしれません。
〈文/林星来 @seira_hayashi 編集/乙矢礼司〉