『半妖の夜叉姫』は『犬夜叉』の続編ということで始まったアニメです。放送前は『犬夜叉』の放送が随分昔だったこともあり、『犬夜叉』とはストーリー上、独立した話になると思われていました。
<画像引用元:http://hanyo-yashahime.com/episode/01/ より引用掲載 ©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020>
しかし、蓋を開けてみるとガッツリ「犬夜叉」や「かごめ」さらには「殺生丸」や「桔梗」などの過去作キャラが多数登場。前作である『犬夜叉』を知らねば「???」となってしまうシーンもたくさん出てきました。そのため『半妖の夜叉姫』は新作と言うよりは、ファン作品の要素が強いのかもしれません。
またそれだけでなく、ストーリー序盤からファンが見れば「どういうことだ?」となる謎がいくつか存在するアニメでもあります。
このような話題性や、放送時間が土曜日のゴールデンタイムと言うこともあり『半妖の夜叉姫』は、今季ではかなり上位の人気を誇るアニメとなっているのです。
今回は、そんな『半妖の夜叉姫』を『犬夜叉』との違いに注目しつつ紹介し、さらにこの作品で登場している謎について考察していきます。
◆『犬夜叉』の続編 『半妖の夜叉姫』とはどんな物語なの?
<画像引用元:http://hanyo-yashahime.com/episode/01/ より引用掲載 ©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020>
『半妖の夜叉姫』は基本的に『犬夜叉』とよく似たストーリーですが、主人公が変わっているので、細かい部分で違いが見受けられます。
例えば「かごめ」は強力な力を持っていましたが非力な人間でもありました。そのため、戦いの最中は犬夜叉のフォローをするものの、時には「犬夜叉」に守られるといった展開が多かったですよね。間一髪の所を「犬夜叉」に救われる「かごめ」を観てドキドキしていた視聴者も多いでしょう。
<画像引用元:http://hanyo-yashahime.com/episode/01/ より引用掲載 ©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020>
しかし、今回の主人公である3人は半妖なり四半妖なので、ちょっとやそっとじゃ死にません。そのため、主人公に守られるヒロインというバトルモノお約束の展開がないのです。少し残念ですね。また、主人公が全員女の子なので、恋愛展開もありません。
つかず離れずの距離感で視聴者をヤキモキさせていた「犬夜叉」と「かごめ」のような関係がないとなると少し物足りない気もしてしまいますね。
しかし、その代わり可愛らしい女の子3人が主人公なので、絵的に花があります。特に前作主人公の娘たちが協力し合うという展開には胸がアツくなりますよね。また、これは『犬夜叉』でもありましたが、半妖は時に人間のように弱くなってしまうという設定があります。
もしかすると、今後の展開で主人公格3人の誰かが人間のように弱り、主人公の誰かが守るという展開があるかもしれません。
これは予想でしかないのですが、弱くなるとすれば「せつな」ではないでしょうか。弱くなってしまった「せつな」を姉である「とわ」が守るという姉妹愛が発揮される展開などありそうですよね。
また、3人の女の子が共に旅をしていくことになるのですが、序盤の様子から今季のアニメによくあるような百合展開は無さそうです。純粋に信頼し合う仲間、もしくは姉妹といった関係になるのではないでしょうか。そのため、単純にカッコイイ女の子をみたい方にはオススメです。
タイトルにあるように戦国お伽草子要素満点ですので、妖怪バトルのようなファンタジー作品が好きな方にもオススメの作品だと言えるでしょう。
◆四魂のかけらのようなもの? 虹色真珠とは一体どんなアイテムなのか?
<画像引用元:http://hanyo-yashahime.com/episode/02/ より引用掲載 ©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020>
前作である『犬夜叉』では、四魂の玉、または四魂のかけらというアイテムが物語の中心になっていましたよね。四魂のかけらとは、妖怪に強大な妖力を与え、どんな願いでも叶えてくれる不思議なアイテムのこと。
『犬夜叉』の世界ではこの四魂のかけらを巡り多くの妖怪、人間が争っていました。前作主人公「犬夜叉」と「かごめ」は、この四魂のかけらを集め、または四魂のかけらを持った妖怪を退治して回っていたわけですね。
さて、ここで『半妖の夜叉姫』の話に戻るのですが、この作品にも四魂のかけらと非常によく似た性質のアイテムが登場します。それが、虹色真珠と呼ばれるものです。この虹色真珠も四魂のかけら同様に妖力を高める様で……。主人公格である「とわ」「せつな」「もろは」の3人も所持しており、他の妖怪たちが狙っているものでもあります。
この虹色真珠で1番に疑問なのが、なぜ主人公格の3人が持っているのかという点。序盤の話的に、どうやら3人とも虹色真珠は最初から持っていたようで、誰かから奪ったアイテムではなさそうなのです。特に「とわ」は、5歳の頃には現代にいました。それにも関わらず、虹色真珠を持っていますよね。つまり、生まれた時から持っていることになるわけです。一体誰が何のために持たせたのでしょうか?
1番考えられるのは、親である「犬夜叉」「殺生丸」がそれぞれの娘に渡したということですよね。そうだとしたら、かなり重要なアイテムになります。「犬夜叉」たちが娘の前に現れないのも虹色真珠の謎が関わってきそうです。
また、虹色真珠という名前から主人公たちが持つ3つ以外にもありそうな気がします。「とわ」が銀色「せつな」が金色「もろは」が赤色なので、他にも青色や緑色、黄色、黒色、白色などの虹色真珠が登場するのではないでしょうか。
四魂のかけらのように全部集めれば、大きな効力を発揮するのか、ただのシリーズ品なのかわかりませんが、今後の物語の展開に関わってきそうな重要なアイテムには違いありません。虹色真珠については「犬夜叉」たちの行方も関わってきそうなので、大注目です。
◆子供が孤児みたいな育ち方しているけど、犬夜叉たちはどうなったの?
<画像引用元:http://hanyo-yashahime.com/episode/04/ より引用掲載 ©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020>
『半妖の夜叉姫』で1番気になるのは「犬夜叉」たち親世代はどうしたのかということではないでしょうか。第1話では、これ見よがしに戦国時代に残った「かごめ」や、今まで通り活躍する「犬夜叉」の様子が描かれていましたよね。
『半妖の夜叉姫』が『犬夜叉』から完全に独立した作品であるなら、こんな登場のさせ方はしないハズ。ここから『半妖の夜叉姫』でも「犬夜叉」たちはちゃんと活躍の場、もしくは役割や意味があると考えられます。
虹色真珠の部分でも述べましたが「とわ」「せつな」「もろは」に虹色真珠というアイテムを渡したのは、おそらく「犬夜叉」たちです。妖怪たちが付け狙っていることを考えると娘たちに渡すには危険なアイテムですよね。「犬夜叉」たちは、そんなアイテムを幼い娘たちに渡さざるを得ない状況に陥ったのでしょうか。
また、3人とも親のこと全く知らない様子なのも気になります。3人が覚えていないと言うことは、生まれたばかりの頃に別れたのでしょう。つまり、虹色真珠もその時に託したことになります。これは大きな事件の匂いがしますね。
これらの情報から「犬夜叉」や「殺生丸」は、虹色真珠にまつわる大きな事件に関わり、身動きが取れない状態なっていることが推測できます。そして、事件の解決のため、虹色真珠を娘たちに託したのではないでしょうか。
前作のキャラが手に負えない事件に遭遇し、それを次世代に託すのはよくある展開ですよね。『半妖の夜叉姫』には、「琥珀」や「楓」などのキャラはちゃんと登場しているので、本来なら何か知っているハズ。
<画像引用元:http://hanyo-yashahime.com/episode/02/ より引用掲載 ©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020>
しかし、2人と関係のある「せつな」は詳しい話は聞いていない様子。まだ未熟だからと隠しているのか、「琥珀」や「楓」が「犬夜叉」たちから何も聞かされていないのか……。「犬夜叉」たちの行方は『半妖の夜叉姫』最大の謎となっています。
――以上が『半妖の夜叉姫』の紹介と謎についての考察になります。
今後もこの作品は多くの謎が登場してきそうなので、だたのファン作品ではなく一つの作品として楽しめそうです。
本当に、「犬夜叉」たちはどうなってしまったのでしょうか。気になって仕方ありませんね。
(Edit&Text/天乃ひる)
©高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020