『君の名は。』『天気の子』といった新海誠監督の作品が、国際的にもヒットしていたというニュースを聞いたことがある人も多いと思いますが、それは中国でも同じく。日本円にしても何十億もの興行成績を収めています。今やアメリカをも凌ぐ勢いを見せる中国の映画市場ですが、2021年の今、新たな日本生まれのヒットアニメ映画が中国で生まれたのをご存知でしょうか。実は“あの”映画が今年中国で大ヒットとなっていたのです。

◆日本以上の成績に!?『HELLO WORLD』

 中国で大ヒットとなった映画、それが『你好(ニーハオ)世界』です。

 と中国でのタイトルで紹介しても、ピンと来ないと思いますが、日本では2019年9月に劇場公開された映画『HELLO WORLD』のことです。

 読書が好きで内気な少年・直実のところへ、突如10年後の自分だと言い張る男が出現。いずれ結ばれた後に事故で帰らぬ人となる同級生の少女・瑠璃を救って欲しいと頼まれ、修行を積んで未来を変えようと試みるのですが、事態は思わぬ方向へと進んでいくSF要素が織り交ぜられた青春ラブストーリーでした。

 そんな『HELLO WORLD』が中国で上映を果たしたのは、2021年6月11日。同時期には中国映画『超越』や、絵本原作作品でおなじみの『ピーターラビット2バーナバスの誘惑』といった強力なライバルが並んでいたのですが、初週末だけでも興収4000万元ほどのヒットスタート。ロングラン上映がなかなか難しい中国で、そこからあまり勢いを落とすことなく集客数を伸ばし、上映開始から1ヶ月後には上映館数が限られていながらも、総興行収入は1.3億元にまで到達するヒットとなりました。

 この1億元の壁はなかなか越えるのが難しく、ドラえもんやコナンといった既存のシリーズ作品でない劇場オリジナル作品の『HELLO WORLD』がこのラインを越える成績を残せたのは快挙と言ってよいでしょう

◆『HELLO WORLD』なぜこれだけヒットできた!?

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 なぜ『HELLO WORLD』が中国でこれだけのヒットを飛ばすことができたのかは、いろんな見方があるでしょうが、前述のような『君の名は。』をはじめとした日本の青春アニメ映画のヒットの前例があったのは大きいでしょう。中国のティーンズにとって、日本の青春アニメーション映画が既知のジャンルとして定着していたことは、『HELLO WORLD』に足を運びやすくさせる力となっていたはずです。実は、『HELLO WORLD』の中国版ポスター自体も、主人公の直実とヒロインの瑠璃が、青空の下で隣り合って立つ『君の名は。』を想起させるデザインだったことも功を奏したと言えそうです。

 加えて、忘れてはいけないのが公開日。中国での『HELLO WORLD』の公開日となった6月11日は、実は中国における全国の高校生が一斉に参加する大学試験“高考(ガオカオ)”の直後の週末だったのです。テスト明けの学生たちにとっては、勉強明けの気晴らしとしては絶好のタイミングでの劇場公開だったわけです。

 数多くの作品が毎年生まれている青春アニメーション映画たちも、こういった『HELLO WORLD』の施策に習うことで、日本だけでなく中国でのヒットも期待できるかもしれませんね。

◆この夏公開の『ジョゼと虎と魚たち』は苦戦?

 一方、青春映画と言うことであれば『HELLO WORLD』と近いジャンルと言ってもよい、別のアニメーション映画もこの夏、中国での上映を果たしました。それが日本では2020年12月に上映を果たした『ジョゼと虎と魚たち』です。

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 2021年8月20日に『乔西的虎与鱼』というタイトルで中国上映を果たしました。上映まもなくレビューなどでは高い評価を獲得したものの、大ヒット中だった中国映画『怒火・重案』や中国アニメ映画『白蛇2:青蛇動起』、さらには同日公開のディズニーピクサー最新作『あの夏のルカ』と言うライバル作品の影に隠れてしまい、二度目の週末を終えた時点でも『ジョゼと虎と魚たち』は総興収600万元ほどで、『HELLO WORLD』に続く大ヒット作にはなれていないのが残念なところです。PRの仕方や公開のタイミングなどが噛み合わないと、良い映画でも大ヒットには繋がらないという意味では、今後中国で上映を計画している日本の青春アニメーション映画は、この前例を活かしていって欲しいですね。

目指せチャイナマネー。隣の芝生はとてつもなく大きいですよ。

 そして中国のみなさんには、まだギリギリ劇場鑑賞に間に合うので『ジョゼと虎と魚たち』を一人でも多くの人に観に行って欲しいですね。お金ももちろんですが、日本の素敵なアニメーションが海の向こうに届く……それだけでも有意味です。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』(https://note.com/nejimura89/m/mcae3f6e654bd)を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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