今季イチオシのアニメと聞かれた際、筆者は『星合の空』と答えている。

星合の空 画像
画像引用元:星合の空 クリアファイル キービジュアル 販売元:中外鉱業(CHUGAIKOGYO)

 『星合の空』はオリジナルアニメであり、原作および脚本、監督は赤根和樹氏が担当している。 赤根和樹氏といえば、『ノエイン もうひとりの君へ』、『鉄腕バーディー DECODE』、『天空のエスカフローネ』、『ヒートガイジェイ』などの名作を手掛けた監督である。 

 これまで彼の手掛けた作品のほとんどがSF系だった。にもかかわらず『星合の空』にファンタジー要素はない。ごく普通の日本の中学生が主要キャラで、ソフトテニス部の話だ。

 本作は、部活で汗を流す姿は青春スポーツものそのものだが、そのストーリーの中に予想もしなかった深みがあった

 第1話を観て衝撃を受けた筆者。そして、第2話、第3話と話が進むにつれてドツボにはまっている……。

スポーツものジャンルにおさまらない。家庭の事情が・・・

◆『星合の空』のあらすじ

 主人公・桂木眞己は母とふたり、小学1年生まで住んでいた街に引っ越し、志城南中学校に転校した。そこで、幼馴染だった新城柊真に出会う。廃部間近の男子ソフトテニス部の部長である新城は、運動神経の良い眞己を部活に誘うことに。

 以下、ネタバレを若干含む。

 新城から勧誘された眞己はソフトテニス部に入部するわけだが、 幼馴染と再開し、「久しぶりだな! 一緒に部活やろうぜ!」「いいよ!」と簡単に物語がスタートしたのではない。

 最初、眞己は乗り気ではなく、部活に興味がないと断る。彼は母子家庭で家事を全部こなしているのだ。だから、部活をする時間がない。 それでも新城はあきらめずに声をかける。 金銭的な面も考慮し、新城は「ユニフォームも道具もみんな俺が用意する」「金の心配はない」とねばると、 眞己は「金出してよ、入部してほしいなら」と提案する。 新城は一瞬ためらうが、「月1万払う」と契約を交わし、眞己はなかば強引に入部させられることになった。

『星合の空』はストーリーに深みというか“闇”がある・・・

 と、入部までの流れもよくある青春ものと違った。 中学生同士が金のやり取りをするなんて……。この流れから分かるように、『星合の空』はストーリーに深みというか、“闇”がある。ここが、本作の凄いところだ!

 入部した眞己は新城とダブルスを組み、眞己が提案した練習メニューなどでどんどんテニス部は飛躍していくという、スポーツアニメの要素がある反面、話数を重ねるごとに、人間関係の闇が浮き彫りになっていく。

 まず、登場人物のほとんどが、家庭環境に難がある。家族関係に問題があり、それが話が進むごとに露呈し、続きが気になる状態になる。

 『星合の空』、この一つの作品には、

・スポーツもの

・青春、学園

・シリアス

 と、様々な要素が組み込まれている。

 観ているうちに自分の中学時代を思い出しつつ、家族関係について考えさせられる。 語りきれない深みのある作品だからこそ、私のようなアラサーも楽しめるのだ。 闇が深いだけでなく、笑えるシーンもある。第5話では思いっきり笑った。 先にも触れたが、原作も赤根和樹氏が手掛けているオリジナルアニメなので、続きが気になっても、原作を読むことが出来ない。だからなおさら、次週が気になって仕方がない。

 『星合の空』は、 スポーツものや青春ものが好きな人にはモチロン、少し闇のあるシリアスものが観たい人にもオススメしたいアニメだ。

Text/佐東未帆 Edit/白鳥ほたる)

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TVアニメ「星合の空 -ほしあいのそら-」公式ホームページ|TBSテレビ

©赤根和樹・エイトビット/星合の空製作委員会

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