「青春スポーツ×闇」という、様々な要素がてんこ盛りのオリジナルアニメ『星合の空』。最新話を観るたびに語りたいことが増えていく。
『星合の空』には“5年前の事故”という重要なキーワードが登場するが、一体どのような事故だったのか?
今回はその“5年前の事故”の正体について考察していく。
第4話からの新しい“闇”
『星合の空』は、初回放送から男子ソフトテニス部の部員たちと親の確執を描いている。それを“闇”と捉えてきたが、第4話でまた別の闇を感じた。それが、“5年前の事故”である。
廃部寸前でやる気も見られなかった男子ソフトテニス部に主人公・桂木眞己が入部。さらに生徒会が廃部に追いやろうとしている動きを知った部員たちは、部を存続させるために努力を始めた。それを見ていた顧問の桜井隆幸が、後輩(門脇)が顧問を務める強豪校と練習試合を組んだところで“5年前の事故”というキーワードが初めて登場する。
では、5年前の事故とは? 当時、何があったのだろうか?
5年前の事故に顧問の桜井と新城の兄が関係しているのでは?
5年前の月日を考えると、教員が変わっていても驚かないが、男子ソフトテニス部の顧問は桜井だったと考えられる。
その理由は3つ。
◆桜井と門脇の会話から
練習試合のために門脇の元を桜井が訪問したときの会話で、5年前の事故が発覚した。
その際、桜井は「あの事故以来」と語っているので、桜井は当時も男子テニス部の顧問だったと考えられる。
◆女子ソフトテニス部顧問の発言から
たびたび登場する女子テニス部の顧問は、桜井に「あなたも成長した?」など、桜井の過去を知っていて、彼を心配する様子が窺えた。これは、同僚を陰ながら応援しているように見えなくもない。
◆新城の兄の年齢と初回の回想シーンから
ここが重要。男子ソフトテニス部の部長を務める新城柊真は、兄が同じ中学でソフトテニスをしていたことがキッカケで部活をしている。
現在、新城の兄(涼真)は「大学生」である。初回放送であった、眞己が住んでいた頃、つまり小学一年生の頃の回想では、涼真が、眞己らが通う中学でソフトテニス部に所属している描写があった。
――以上の3点から、5年前の事故には、顧問の桜井と新庄の兄が絡んでいると見られる。
5年前の事故の内容とは?
部活動の事故といえば、いくつか考えられる。
・部員の自殺
・部活動の過度の負荷によるケガ
筆者は部活動の過度の負荷によるケガが5年前の事故の正体と見ている。
先にも触れたが、桜井と門脇の会話シーンで、桜井は、
「あの事故以来、勝つことよりも、生徒が楽しめる方がいい」
といった発言をしている。
この言葉から、桜井は当時熱血指導をし、部員にケガをさせてしまい問題になったのではないかと考えられなくもない。
そして、そのケガを負った生徒が、涼真と決めつける理由は2つある。
・年齢
・母親との関係、母親の特徴
年齢については、はっきりとしていないが、眞己や柊真らが小学一年生の頃、涼真が中学生で、これを逆算していくと、5年前に桜井が顧問で、涼真が部員の可能性はあり得る。
次に母親の存在だが、新城兄弟の母親は、兄の涼真に期待して甘くしている節があり、弟の柊真には期待も持たず、よく揉めている。
これについて、もしかすると、涼真がケガを負ったことで母親の過保護に拍車がかかったのかもしれない。
だが、母親の考えに反し、涼真は母親の激しい愛情に甘んじることなく、ソフトテニス部で頑張っている柊真を応援している。
涼真が日常生活を問題なく送れている様子からして、選手生命が断たれたものと見る。本人はそれに対して皮肉にならず、弟の柊真を応援している描写もある。
これまでの考察をまとめると、5年前は、桜井が顧問で事故に合った生徒は涼真だったという憶測に辿り着く。
最終話まで分からない5年前の事故の謎
最新話を見ても、5年前の事故についての描写はない。とても気になる。赤根監督は、どのようなラストを考えているのだろう……?
『星合の空』は、題材がてんこ盛りなので、どこまで伏線が回収できるか楽しみながらも、どこか不安な気持ちを抱いてしまう。上述の憶測が当たっていたとするなら、涼真は柊真の試合を観に出向き、桜井と会って何らかの会話を交わすのではないだろうか。
毎週楽しみにしている作品なので終わってほしくはないが、5年前の事故の真相を明らかにしてほしい気持ちも強い。もう中盤でとても惜しいが、早く最終話まで観たい。
(Text/佐東未帆 Edit/花祀果凜)
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TVアニメ「星合の空 -ほしあいのそら-」公式ホームページ|TBSテレビ
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